エンタプライズ発信〜メールマガジン【№91】 2018. 11

中高年齢者には頭が痛くなる話題が年を追うごとに熱を帯びてきています。日本人の認知症の近未来です。最近の報道をおさらいすると、いまから7年後の2025年には団塊世代の人が75歳以上の後期高齢者に達します。厚生労働省は、認知症患者は同年予想で最大730万人にのぼると発表しています。そしてある調査ではその予備群とされる軽度認知障害は580万人を超える見通しだというのです。すなわち認知症患者の数と合計すると総数は1300万人に達することになります。国民の9人に1人、65歳以上に絞れば3人に1人が認知症あるいは近似の人という「認知症高齢者大国」になる可能性が、如実なデータのもと浮かび上がっているのです。北米の医学リサーチでは、2050年までに世界のアルツハイマー型認知症患者数は1億1500万人を超えるとみています。なかでも日本は急激なスピードで超高齢化社会に移行している「モデル社会」となっており、社会福祉制度の遅れ、老々介護、入所施設の不備、逆走や誤発進など高齢者の交通事故ほかの社会現象等々が現実問題となっていると指摘しています。医療の進歩と法制の整備が待たれるところですが、イギリスの研究チームが頸動脈の血流をわずか5分間、超音波検査で調べれば、10年後に認知症を発症するリスクが予測できると発表しました。チームの研究者は「リスクを事前に把握することができれば、生活習慣を変えようとする意識が高まる。また動脈に良いことは脳にも良い」と期待を寄せています。悲観の中にも曙光は生まれてくるものだと信じたいところです。

★☆★━━━━━━━━━━■ CONTENTS ■━━━━━━━━━━━★☆★

【1】老いない人の健康術 〜免疫と水素〜
【2】エネルギー医学の将来〜点と点からの発展性
【3】“こころ” と “からだ”……臨床にモノ思う
【4】『ひとりあんま気功』 〜自分で押すのが一番効く
【5】根拠に基づく腰痛の原因と治療 《腰痛治療の新常識》
【6】N・E・W・S

Topics

第14回 3-starsセミナーvol.2が開催される

10月21日(日)、熊本県で開業する荒木寛志氏(フィニッシュカイロ脳身研究所所長・JSC日本カイロプラクティック師協会会長)を講師に、第14回 3-starsセミナーvol.2が埼玉県北本市の会場で開かれた。このたびのテーマは「基礎練習・禁忌症講座・胸郭の検査治療・CCR(クリニカルカンファレンスレポート)」。会場にはPT・OTをはじめ柔整師、鍼灸師ほか多数の治療家が参席、はじめに基礎的な診断力向上としてタッチの手法〜組織の反応〜抵抗のライン〜痛みのライン〜牽引・圧検査〜ラインの調整法と続き、胸郭部(胸膜・肺・横隔膜ほか)の実技を伴う検査治療テクニックほかが午前の部で披露された。午後も引き続き胸郭部位の大小の筋筋膜に対する操作法および頻発する疾患・症状に触れ、その処置法についても実演指導を行った。荒木氏は九州カイロプラクティック同友会会長でもあり、年間を通じ講演・セミナーに招かれ指導にあたっている。

Book Review

女性向け『カラダみつめる手帳』を発刊 〜ポケットサイズ〜
 — 日本統合医療学会・統合医療女性の会 監修 — 

「つよく、かしこく、美しく」をテーマに今の時代にふさわしい医療のあり方を目指す統合医療女性の会(一般社団法人日本統合医療学会の部会)が監修した「カラダみつめる習慣」を啓蒙する小冊子・手帳。本書では、にわかに訪れる女性特有の心身の「ゆらぎ」を感じとり、そこに意識を向ける習慣をもってほしい、との願いで、いろいろなカラダの変化・症状をラインアップし、その原因と対策等を手短に簡潔に解説してあります。
ポケットサイズで装丁が美しく仕上がっており、ベッドサイドに手持ちのバッグなどにしまっていつでも見られる小冊子です。使い続けるうちに心身の「ゆらぎ」とうまく向き合うヒントが見えてくる秀逸の1冊。
A6判/150頁/定価1,080円
発行:BIBLIOBAGA社/販売:産学社
<Amazonにて近々発売>

Information

「世界のキクチ」菊地臣一先生が講演—12/8 TMSジャパン主催 (続報)

小社とゆかりの深い元国際腰椎学会会長にして前福島県立医科大学理事長兼学長の菊地臣一先生が、本メールマガジンのコラムニスト・長谷川淳史先生が主宰するTMSジャパンに招かれ講演することになりました。テーマは「EBMが明らかにしたNBMの重要性―腰痛診療を通じて―」で、直接キクチイズムを学びたい方、また世界の頂点を極めた脊椎外科医から薫陶を受けたい方は絶好の機会です。

  • 【講 師】 菊地臣一MD(福島県立医科大学常任顧問兼ふくしま国際医療科学センター常勤参与)
  • 【日 時】 12月16日(日) 14:00〜16:00を予定(13:30開場)
  • 【会 場】 TKP品川カンファレンスセンター4F バンケットルーム4D
         東京都港区高輪3‐16‐33 京急第10ビル
         (品川駅高輪口より徒歩1分 MAP
  • 【受講料】 一般=12,000円 TMSジャパン会員=10,000円
          学生・介護職・シングルマザー=10,000円
          ペア割(2名様)=20,000円
          ※早割=各1,000円引き(10月16日締切)
  • 【最終締切】 12月9日(ただし定員になり次第終了)
  • 【詳 細】 TMSジャパン
  • 【お申し込み】 「12月の特別講演会」と明記の上、メールフォームからどうぞ。
★★★★★★ 連載対談 ★★★★★★

老いない人の健康術 〜免疫と水素〜

* 安保 徹(元新潟大学名誉教授)
* 太田成男(日本医科大学教授)

体のサビをとる水素の力 〜老化は酸素の害から

[太田] ミトコンドリアで効率的にエネルギーを作り出せるようになり、エネルギーを生成する場所と遺伝子を格納する場所を分けたことにより、生物はより高度な進化を遂げてきました。しかし地球上にあふれる酸素の害という問題がなくなったわけではありません。
[安保] 強い酸化力を持つ「活性酸素」の問題ですね。酸素からエネルギーを作るようになった生物は、活性酸素によって老化を強いられる。約20億年前、エネルギー代謝に酸素を使うことを選んでしまった宿命なんですかね。
[太田] 酸素を使ってエネルギーを作るようになったのは、やはり酸素が一番効率的だったからです。しかし酸素は電子と反応して活性酸素に変化しやすい。活性酸素は非常に酸化力が強い物質で、細胞のいろいろな場所を攻撃してしまいます。
[安保] 金属が酸化すると錆びてしまいますが、人体にも似たような現象が起きるということですね。老化もそうだけど、さまざまな病気の根っこには活性酸素の問題があります。でも活性酸素がすべて悪者というわけでもないでしょう?
[太田] おっしゃるとおりです。活性酸素は体に必要な成分でもあります。最近はいろいろなことがわかってきまして、血管を作ったり、精子を作ったり、免疫作用で傷を治すこともできる。そう考えれば非常に大切な成分です。
[安保] 免疫作用の場合は、顆粒球が活性酸素を活用して細菌などの外敵を退治します。しかし顆粒球が増えすぎると活性酸素が過剰になり、自らの組織も破壊してしまう。顆粒球は人の体に棲みついている無害な常在菌(人体に棲みつき共存共栄の関係を結んだ菌)に反応することで炎症反応を起こすのですが、体の無理が重なると歯周病や潰瘍性大腸炎を起こしたり、突発性難聴の原因にもなります。
組織破壊は自律神経の交感神経緊張により起きますから、怒りっぽかったり心配事が多かったりストレスをため込むことで起こりやすいですね。

ストレスが活性酸素を作る

[太田] 活性酸素を発生させる最大の要因は、まさにストレスと言っていいでしょう。ストレスを受けると副腎からストレスホルモンが分泌されますが、そのとき血管が収縮して血圧が上がることで酸素不足になります。その状態で緊張がゆるむと酸素が一気に流れ込んで活性酸素が発生しやすい状態なるんです。
[安保] 酸素不足の状態が続き、何らかのきっかけで大量の酸素が流れ込む。活性酸素の発生はこんな条件で起こるようですね。
[太田] もっと単純に言えば、エネルギーを急激に使ったときに活性酸素が発生します。急激に運動を始めて急激に運動をやめたとき、それから早食いや大食いも同じ条件です。
[安保] 早食いも急激なエネルギー消費だものね。
[太田] 消化活動により大量の消化液を細胞の外側に出すわけだから活性酸素が発生してしまいます。
[安保] 活性酸素を少なくするには、その逆のことをすればいいわけですね。以前にも言いましたが、準備運動をして最後はクールダウン、食事はゆっくり、よく噛み、腹八分目、これは昔から伝わる食育ですね。


連載vol.49

エネルギー医学の将来 〜点と点からの発展性

<小社編集部編>

生体マトリックスを知る

「連続体」:連続した範囲、継続、全体、故意に分別しないかぎり隣接する部位の境界がどこにもないこと、間断なく並ぶ連なり、別々の部位が一つに結合してできあがった物質の総称—(アメリカンヘリテージ英語辞典;1978ほかより)

生体コミュニケーション

「人体の中の情報伝達手段とは」と尋ねられて、真っ先に思いつくのは神経系だろう。あるいはホルモンのメッセージを全身に伝える循環系や、全身に重要なネットワークを張る免疫系を思い浮かべるかもしれない。
それらの答えはたしかに正しい。しかし生体の情報伝達には別の手段も使用されているのだ。これから紹介する事実は、生物には神経系「以外の」高速の情報伝達システムがあることの裏付けである。
この伝達システムには、神経系、循環系、免疫系をはじめ、全身のあらゆる情報システムが含まれており、全身にくまなくエネルギーと情報を伝えることができる。いわば「システム中のシステム」だ。そしてそれが「生体マトリックス」なのである。

ノーベル賞受賞者であるアルバート・セント・ジョージは、2方面の研究から生体マトリックスというシステムに到達した。その一つは、生体の蛋白質組織の電子的特性を探る研究であり、もう一つは、目の前の自然の観察である。セント・ジョージはネコのジャンプ(※1)とバイクで走行中に目に入りかかったハエに対する素早い閉眼反応(※2)から、新しい情報伝達の仕組みを考え始めたという。
(※1)警戒し身構えたネコの尻尾に触れると60cmも飛び上がった。ネコは空中高く飛び上がることによって、地面に降りたときに「闘争か逃走か」を判断する時間を作ったのだ。ネコの知覚神経から運動神経へと伝わった素早さに驚きを隠せなかった。
(※2)時速20kmほどでバイクで走っていたジョージの目の前に突然ハエが飛んできた。自分はハエが角膜に衝突する前に目を閉じていた。神経ネットワークの反応の素早さを説明できないほどの実例だという。

生命体と非生命体

私たちは「いくつものパーツを糸や線維でつなぎ合わせた命ある機械」をはるかに超越した存在である。生命の特徴は、速くて目に見えない流れや力や動きがあることだ。生命体と非生命体とを分けるこれらの特徴は、協力しあいながら生体を作り上げている分子、原子および素粒子から生まれてくる。生命体の中では「空の」空間にも役割があるはずだ。
素粒子のレベルでは、物質とエネルギーと空間の区別は曖昧であり、また重力、弾性、熱、運動、電気、磁気、化学統合といった様々な力の間にも区別はない。分子の強度、柔軟性、あるいは情報伝達能力などの力学的性質は、その電子的特性やその他の素粒子的性質と切り離すことができない。したがって蛋白質である酵素の化学反応への貢献度や、生体内の触媒としての働きも、酵素分子の電子的・素粒子的性質に依存するのである。ということは、「生命の科学」である生物学と「物質と運動の科学」である物理学は一体であると考えたほうが良い。つまり私たちの生命そのものが、生物学と物理学の融合を象徴しているのである。私たちは自然界の法則を「体現化」した科学的存在にほかならないのだ。

(出典『エネルギー療法と潜在能力』小社刊)


連載エッセイ 59☆

“こころ” と “からだ” …… 臨床にモノ思う。

・保井志之(ファミリーカイロプラクティック院長、DC)


患者への「質問力」 〜隠れたニーズを読み解く洞察力〜

「記憶」で痛みが再現する患者さん

90歳、女性。趣味で能の舞台にでていて、長年お稽古をしているとのこと。今は痛みのために休んでいる。痛みは7週間前に発症。発症から3週間後に病院を受診。腰部脊柱管狭窄症ではないかということで、痛み止めの薬を処方される。当院を利用していただい方から紹介される。20年ほど前には右膝の手術で入院した経験があり、それ以来、カートを引いて歩いているとのこと。このたびはバスに乗っていて突然痛くなり、思い当たる原因はわからないという。痛みは常に有り、軽減するときはない。症状の経過はだんだんと悪くなってきているとのこと。
早く痛みから解放されたいという思いは伝わってくるが、その手助けをさせてもらう施術者にとって、本当の原因はどこにあるのかを患者さんとともに考えていく必要がある。問診でのやりとりの中で、腰部脊柱管狭窄症の診断は、レントゲン検査だけなので、まだ確定しているわけではなく、MRIなどの検査もした方が良いと言われたらしい。患者さんが「腰部脊柱管狭窄症でなければいいのだけれども…」と繰り返し訴えるのが気にかかった。

施術テーブルに横になってもらい、常に痛いと訴える痛みの状態を聞いてみると、今はそんなに痛くないという。最も痛い状態が10としたら4ぐらい。左股関節の可動域を検査しながら、どんな時に痛みが強くなるのですか、と痛みの状態を具体的に尋ねてみると「アイタタタタ…」と急に痛みが強くなった様子。この痛みは通常の性質ではないと感じ、椅子に座ってもらうことを提案。患者さんは我慢できると言われたが施術テーブルを起こして、椅子に座ってもらった。「痛みが強くなる時はいつもこんな感じですか」と尋ねると、「そうです」と言う。では、「どんなときに痛みが軽減するのですか」と尋ねると、「何か楽しいことをしているときには痛みを忘れている」という。「例えば・・・のときです」、患者さんが話をしている途中から「あら、いま痛くなくなった」という。

痛くなくなるときのことを患者さんがしばらく話し、私が「この痛みは患部(痛みの部位)から痛み信号がでるのではなく、脳で痛みを感じている可能性がありますね。もしも、身体の構造的な異常が原因であれば、痛くないときを意識しただけでは痛みが軽減しないですよね…」と話すと、患者さんも半信半疑ながらもそのことを理解された様子。それでは、「もう一度、痛みの部位を意識して痛くなってもらえますか?」と痛みの根源を探るためにあえて質問した。すると、「え〜、ちょっと難しいですね(笑)…」と言いながらも、「あ、また、痛くなった…」と顔をしかめた。

「身体を動かしていないのに痛みがでたり、軽減したりするのは、身体の構造の問題ではないということをある程度理解していただいたでしょうか…」と尋ねると、患者さんはしきりに「腰部脊柱管狭窄症でなければいいのだけれども…」と心配そうに言う。病院の診断にとらわれているのだと感じ、「高齢であればだんだんと骨が変形して、病院で脊柱管狭窄症と診断される人も多いのですが、その骨の変形と痛みとが無関係であることがたくさんの研究で分かっているから心配ないですよ」などと、できるだけわかりやすく説明すると、ようやく納得された様子だった。

このようなストーリーを聞くと、意識を変えれば治るのではないかと思われがちだが、そんな単純なことではない。いわゆる「暗示」も関係している可能性もあるわけだが「痛いの痛いの飛んでいけ!」とおまじないのように意識を変えるだけでこの痛みが消えるものではない。この痛みの発生の仕方から明らかなのは、痛みを引き起こすプログラム(神経回路)が脳に記憶されていて、何らかの条件付けで痛み信号が発生するということである。そして、この痛みを引き起こすプログラムには、無意識的な心理面が条件付けされているということ。このようなプログラムをPCRTでは「誤作動記憶」として施術を行う。
どのような条件付けが背後にあるのかを検査するためには、患者さんがその意図を理解し信頼してくださるかが大きなカギとなる。通常の医療とは異なる「脳の記憶を上書きする治療法」の考え方を理解してもらうことが必要である。患者さんにどの程度理解してもらえるかは定かではないが、今回初めての施術で、痛みの原因の一つが、脳の「記憶」によって引き出されているということは理解していただいた様子だった。

◆連載11◆

『ひとりあんま気功』〜自分で押すのが一番効く

孫 維良(東京中医学研究所所長)

「痛みをやわらげる、ひとりあんま気功・実践編2」
体質を強化し、胃のムカムカを予防する

胃下垂は別に病気ではなく、胃下垂だけで引き起こされる症状はありません。しかし胃下垂に伴ってだんだん胃の働きが弱くなると、胃がもたれたり胃がムカムカしたり、不快な症状に悩まされることになります。
また胃下垂は虚弱な体質の人に多いので、そんな人は体質の強化もかねて胃下垂を治すあんま気功を試みると良いでしょう。
これから紹介するあんま気功は、胃の周囲の腹部の筋肉を強化し、消化機能を活発化することによって胃下垂を改善する方法です。併せて虚弱体質で悩む人にも最適です。

①まず床の上に座り、肩の力を抜いて全身をリラックスさせ、ゆっくり腹式呼吸を行いましょう。両手の平をこすり合わせて手に気を集めます。
手が温かくなってきたら、足三里のツボを押しもみます。足三里は膝を曲げたとき膝の皿の外側にできるくぼみから指の横幅4本分ほど下にあり、体力の増強と胃腸の病気治療に有効なツボです。
左右の足三里を順番にそれぞれ30秒間くらい押しもみつづけ、やがてツボのあたりに痛いような、だるいような感覚を感じたら終了します。
②胃のあたりに中脘(ちゅうかん)と呼ばれるツボがあります。胃下垂はもちろん胃潰瘍や胃炎など、胃の病気には特に効果のあるツボです。この中脘に右手の中指を当て、呼吸に合わせて指面で押します。息を吐くときにツボを押し、息を吸うときには静かに指を離します。押すときに、指に軽く意識を集中させましょう。そうずると手に集まった気がツボに入りやすくなるのです。
このツボへの刺激を約30秒間つづけてください。終わったらツボのまわりを軽く押しもみます。

以上①と②を毎日2回、朝晩に励行してください。だんだん効果が現れてくるはずです。腹筋の運動も併せて行うとより効果的です。


根拠に基づく腰痛の原因と治療 – 腰痛治療の新常識(65)

長谷川淳史(TMSジャパン代表)
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腰痛に関する正確な情報には想像を絶するほどの治癒力があります。どうか情報の拡散にお力をお貸しください。

■20〜80歳までの腰痛未経験者67名を対象にMRIで腰部椎間板を分析した結果、21〜36%に椎間板ヘルニアが、50〜79%に椎間板膨隆が、34〜93%に椎間板変性が確認されたことから、手術の選択は慎重にすべきと結論。http://1.usa.gov/knGWuH
……椎間板の異常≠痛み。∴椎間板の異常≠手術。こういうことです。

■椎間板ヘルニアと診断された強い腰下肢痛を訴える患者46名と、年齢、性別、職業などを一致させた健常者46名の腰部椎間板をMRIで比較した結果、健常者の76%に椎間板ヘルニアが、85%に椎間板変性が確認された。http://1.usa.gov/iN3oKG
……これも国際腰椎学会でボルボ賞を受賞した有名な研究です。椎間板ヘルニアがあったり椎間板が潰れていたりしても腰下肢痛が出るとは限りません。症状の有無は心理社会的因子が関与していることが明らかになっているのです。

■脊椎医療の分野では、腰痛や頚部痛の発症および慢性化に対する社会的影響を過小評価、もしくはほとんど無視してきた。しかし、社会的疼痛は身体的疼痛と同様に無視できない疼痛である。人は社会的な絆に支えられて生きているのだから。http://1.usa.gov/jfBai5
……過去に受けた社会的苦痛によって慢性疼痛が発症することを示唆している研究です。だからこそ日本は時期を逸することなく『健康の社会的決定要因』にオールジャパンで取り組むべきだと思います。

■モルヒネの鎮痛作用に最も関連深いμオピオイド受容体に変異のある被験者を対象にfMRIで分析した結果、社会的疼痛と身体的疼痛は脳の同じ領域(背側前帯状皮質・前部帯状回)が関与している可能性が明らかに。社会的な絆は重要。http://1.usa.gov/jnoVqO
……東日本大震災では被災3県はもちろんすべての日本人が心に傷を負いました。『健康の社会的決定要因』〔http://bit.ly/tBz7CP〕という観点から考えると、数年後には筋骨格系疾患を含む心身の不調を訴える国民が続出するかもしれません。こうした震災の影響を抑えるためには今のうちに何らかの手を打つ必要があると思われます。少なくとも腰痛にまつわる迷信や神話は1〜2年以内に一掃しておきたいと考えています。どうか国民の利益のためにお力をお貸しくださいますようお願い申し上げます。

■18〜75歳の一般住民6569名を9年間追跡調査した結果、慢性疼痛および広範囲の疼痛を持つ被験者は、疼痛のない被験者より死亡率が20〜30%高かった。早期死亡の主な原因は乳癌と前立腺癌。運動量や食事習慣などが関与?

http://1.usa.gov/iYuYJs

……慢性疼痛に苦しんでいる患者は、痛みのない人より寿命が短くなる傾向があります。痛みによる活動量の低下が一因のようです。そういう意味においても慢性疼痛には運動療法が必要不可欠です。

■25〜74歳の一般住民1609名を最長14年間追跡調査した結果、広範囲にわたる慢性疼痛を持つ被験者は、疼痛のない被験者より死亡率が高いことが確認された。その死亡率上昇は、喫煙、睡眠障害、身体活動低下と関連していた。http://1.usa.gov/k8QzfA
……慢性疼痛は寿命を縮めてしまいますから、何が何でも急性期のうちに治してしまいたいものです。そのためには、迷信や神話ではない正確な情報と、根拠に基づく医療によるオーダーメイド・メディスンが重要になります。

 N  E  W  S

NEWS■ 高齢者の「筋肉量維持」は毎日の食事から

10月31日、都内で開かれた「シニアの筋肉づくり最前線 〜栄養バランスの良い食事とロイシン高配合必須アミノ酸による新提案〜」のセミナーで、運動生理学のエキスパート藤田聡氏(立命館大学スポーツ健康科学部教授)が「必須アミノ酸ロイシンと運動による筋肉づくり」をテーマに講演した。
それによると加齢に伴い骨格筋量は減少し、60代からその減少は加速する。減少を抑えるためには、筋肉量の維持・増大が必要であり、食事で良質なたんぱく質を摂取する必要がある。その際、たんぱく質を筋肉に合成するスイッチとして、アミノ酸が不可欠となる。このアミノ酸の中でもロイシンは重要であり、空腹時でも筋肉合成をオンにする作用があることが報告されている。また、ロイシン濃度は筋肉の合成量に比例して影響するとされているが、加齢になるとロイシンに抵抗性が発生するため、筋肉の合成がうまくいかず徐々に筋肉が減少するという。そのため高齢者では、ロイシンをはじめとするアミノ酸摂取を強化し、食事から摂る必要があると指摘した。筋肉の合成につき、たとえば筋トレなどのレジスタンス運動後は、筋たんぱく質の合成が急激に刺激されることがわかっており、とくに単回のレジスタンス運動でも、運動後その合成効果は2日間持続することが報告されている。
同氏は、アドバイスとして「高齢者はスクワットなどの手軽なレジスタンス運動後に必須アミノ酸を摂取することで、筋肉の合成を促進させ、フレイルやサルコペニアの予防に役立てることができる」と述べた。(11/16 ケアネット=一部改変)

NEWS■ 10〜17歳の6人に1人が肥満、米調査

米国では10〜17歳の6人に1人が肥満で、特に黒人やヒスパニック系といった民族的マイノリティに肥満に苦しむ小児や若者が最も多いことが、米ロバート・ウッド・ジョンソン財団のJamie Bussel氏らが実施した調査で分かった。この調査結果は「State of Obesity」2018年版に掲載された。
Bussel氏らは今回、2016年および2017年のデータを分析した。その結果、米国の10〜17歳の小児から思春期の若者の15.8%が肥満の基準を満たしていた。この年齢層における肥満率が最も高いのはミシシッピ州(26.1%)で、最も低いのはユタ州(8.7%)だった。特に民族的マイノリティの小児は肥満になりやすく、黒人の肥満率は白人の約2倍だった(22.5%対12.5%)。また、ヒスパニック系の小児における肥満率も20.6%に達していたが、アジア系米国人の小児では肥満率はわずか6.4%だった。
Bussel氏は「小児肥満は依然として公衆衛生上の重要な課題であり、それによる経済的、社会的な影響も大きい」と強調する。また「この国ではあまりにも多くの若者が糖尿病や心疾患、高血圧の高リスク状態にある。これらの疾患は全て、肥満という予防可能な状態に起因したものだ」と指摘した上で、「黒人やヒスパニック系の若者は同年代の白人と比べてこれらの問題を抱えている確率が高いことに変わりがないことも分かった」と説明している。(11/15 ケアネット)

NEWS■ 筋肉の幹細胞を正常に保つ仕組みの一端を明らかに-東北大

東北大学は11月1日、筋肉の幹細胞であるサテライト細胞の維持において、タンパク質分解系であるプロテアソーム系が必須であることを明らかにしたと発表した。この研究は、日本学術振興会特別研究員SPD(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科)の北嶋康雄博士らが行ったもの。研究成果は、国際幹細胞学会(ISSCR)が発行する科学誌「Stem Cell Reports」にオンライン公開されている。
筋肉の再生に欠かせないサテライト細胞を正常に保つ仕組みの解明は、筋肉そのものを正常に保つメカニズムの解明につながると考えられている。また、健康な細胞で、不要なタンパク質を分解する機構のひとつがプロテアソームと呼ばれる機構だ。プロテアソームの破綻は、さまざまな疾患につながることが最近の研究で示されている。
今回の研究グループは、サテライト細胞とプロテアソームによるタンパク質分解との関係に着目。最初にプロテアソームを構成するRpt3というタンパク質の欠損をサテライト細胞でのみ誘導できるマウスを作出した。このRpt3を欠損したマウスでは、プロテアソームによるタンパク質分解が抑制され、Rpt3欠損を誘導してから約2週間でサテライト細胞が減少し、筋肉の再生が正常に行われないことが判明。さらに、培養細胞を用いて解析した結果、Rpt3の欠損によりサテライト細胞の増殖および筋分化が抑制され、細胞死が誘導されることが明らかになった。
今回の研究では、タンパク質分解系が筋肉の幹細胞を維持するために必須であり、それらの破綻は筋肉の再生不全を引き起こすことを明らかにした。これらの成果は、幹細胞研究の基礎的な理解と再生医療への応用が期待されると研究グループは述べている。(11/13 QLifePro)

NEWS■ 京大で世界初…パーキンソン病患者にiPS移植

京都大学病院は11月9日、様々な細胞に変化する人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から神経細胞を作り、50歳代のパーキンソン病の男性患者の脳に移植したと発表した。保険適用を目指した臨床試験(治験)計画の一環で、iPS細胞から作った神経細胞をパーキンソン病患者に移植した手術は、世界初となる。
京大の高橋淳教授(脳神経外科)らは、京大iPS細胞研究所が備蓄する健康な人のiPS細胞から、脳内の情報伝達物質ドーパミンを分泌する神経細胞を作製した。京大病院で10月、患者の脳の左側に約240万個の細胞を、特殊な注射針で移植した。約半年後に右側にも移植を行う。
京大病院によると、深刻な健康被害は出ていないという。他人の細胞を脳に移植するため、患者には今後、拒絶反応を抑える免疫抑制剤を1年間、投与する。陽電子放射断層撮影(PET)などで患者の脳の状態を確認し、2年かけて安全性と有効性を検証する。万が一、がんが発生した場合は、放射線治療や手術で除去するという。京大病院では2020年までに、50〜69歳の患者計7人に移植する計画だ。
今回、京都大で実施した移植は、保険適用を目指した臨床試験(治験)の枠組みで行われ、臨床研究よりも実用化に近い。海外では、胎児の神経細胞を使った移植例が数多くあり、一定の安全性が確かめられていることから、最初から治験で実施することになった。(11/10 読売新聞)

NEWS■ 椎間板ヘルニアの新たな選択肢「椎間板内酵素注入療法」

椎間板ヘルニアの治療が今年8月から治療の選択肢が1つ増えている。「椎間板内酵素注入療法」と呼び、椎間板に薬剤を注入する新しい治療法。NTT東日本関東病院・脊椎脊髄病センターの山田高嗣センター長が説明する。「新たに保険適用になったのは『コンドリアーゼ(商品名ヘルニコア)』という薬剤です。この新薬を椎間板の中に注入すると突出した髄核が縮小するので、神経の圧迫が軽減されて症状が改善するのです。髄核は粘り気のあるゲル状の組織。コンドリアーゼは、タンパク質は分解せずに髄核中の保水成分を構成する物質を特異的に分解します。そのため髄核中の水分が減少して、その分、髄核が小さくなるのです」
治験の結果では、約8割の患者に効果があり、1カ月前後でゆっくりと症状が改善していくとされる。再発率は3〜4%。副作用には一時的な腰痛や下肢痛などがあるが、重大なものは報告されていないという。
「ただし、適応は『後縦靱帯下脱出型』で、中等度の痛みが長引くようなタイプです。それから、この治療は一生に1回しか受けられません。新薬は人の体内にないタンパク製剤なので、抗体ができるとアナフィラキシーなどのアレルギー反応が起こる可能性があるからです。受けるタイミングは、主治医によく相談した方がいいでしょう」(山田氏)
また、どこの医療機関でも受けられるわけではない。ヘルニア治療に十分な経験をもつなどの「医師要件」と、X線透視設備や入院設備などの「施設要件」があり、実施できる病院は限られる。(11/9 夕刊フジ=一部)

NEWS■ 子ども靴、きちんと履かないと足が変形も

靴の正しい履き方や選び方を知っていますか。きちんと履けていないために、足にトラブルを抱える子も多いといいます。専門家は、幼少期からの「靴教育」の大切さを訴えています。
東京都港区の区立青南幼稚園で9月下旬に開かれた「足育教室」。靴教育に詳しい早稲田大学招聘研究員の吉村真由美さんが、テープのついた上靴の履き方を園児に教えていた。床に座ったまま、靴のテープをベリベリッとはがす。靴に足を入れたらつま先を上げ、かかとをトントンと床について靴と足を合わせる。つま先を下ろして足と反対の方の手で靴の左右を押さえ、もう片方の手でテープをぎゅっと引っ張り、くっつける。
靴を履き終え、立ち上がって足踏みした子どもたちからは、「(靴が)ぴったりくっついてる」「軽い!」と声が上がった。最後に、新山裕之園長が「靴は手を使って丁寧に脱いだり履いたりしようね」と呼びかけた。
園では昨年度から、靴の履き方指導に力を入れている。早く履き替えて遊びたい園児たちは、テープをはがさずに足を入れたり、つま先をトントンして履いたりと、履き方が雑になりがちだ。正しく履けていなかったり、サイズが大きかったりすると、走った時に靴が脱げたり、転んだりする原因になる。保護者にも足と靴に関心を持ってもらおうと、吉村さんによる靴の選び方や足のトラブルに関する講演会も開かれた。新山裕之園長は「足と靴がぴったり合った感覚を知り、幼い頃から丁寧に靴を履く習慣を身につけておけば、将来、履き方や選び方も変わってくるはず」と話す。
全国の幼稚園や学校が加盟する公益財団法人「日本学校体育研究連合会」は、靴の履き方や選び方といった出前授業や指導案づくり、実践研究などを通じ、子どもたちの足の健康をつくる「足育」に2011年から取り組んでいる。同園はその研究推進園だ。連合会は昨年度、東京都内の14校で出前授業や講演会をした。菅原健次理事は「今後は全国の学校や幼稚園にも広めていきたい」と話している。(11/9 朝日新聞)

NEWS■ ビタミンDサプリメント…高齢者の骨の健康への影響度

ビタミンDサプリメントの摂取は骨を丈夫にし、高齢者の骨粗鬆症予防に有効とされている。しかし、英アバディーン大学のAlison Avenell氏らが実施した新たな研究から、ビタミンDサプリメントを摂取しても、こうした効果は認められない可能性があることが分かった。過去の研究をレビューした結果、用量にかかわらず、ビタミンDサプリメント摂取が骨折や転倒を予防し、骨密度の増加につながるとするエビデンスは認められなかったという。詳細は「The Lancet Diabetes and Endocrinology」に掲載された。
Avenell氏らは、18歳を超える男女を対象に、ビタミンDサプリメント摂取による骨折や転倒の予防、骨密度の増加への有効性を未治療群やプラセボ投与群などと比較検討したランダム化比較試験のシステマティックレビューを実施。基準を満たした81件の研究を対象にメタ解析を行った。
対象とした研究には計5万3,537人が参加した。これらの研究の多くは、ビタミンD単独投与の有効性を検討したもので、カルシウムとビタミンD併用による骨折予防効果は、血中ビタミンD値が極めて低い高齢者を対象とした1件のみで認められた。また、研究のほとんどは、1日に800IU(国際単位)を超えるビタミンDを摂取している65歳以上の女性を対象としたものであった。解析の結果、ビタミンDサプリメント摂取による全ての骨折、特に大腿骨骨折や転倒の予防効果と骨密度の増加は認められなかった。
強い骨を維持するには、まずは運動を行い、喫煙をしないこと、痩せすぎないこと以外にも骨粗鬆症治療薬を使用するなどの方法がある。Avenell氏は、今回の結果に基づき、「骨の健康を保つためにビタミンDサプリメントの摂取を推奨する現行のガイドラインの内容を改定する必要がある」と指摘している。(10/4 HealthDayNews)

NEWS■ 認知症予防に歩行時間が大きく寄与〜1万4千人のデータ

歩行時間が認知症発症に与える影響について、東北大学の遠又靖丈氏らが65歳以上の日本人コホートで検証した。その結果、全員が1日1時間以上歩けば認知症発症の18.1%の減少に寄与すると推定され、歩行時間が認知症発症予防に少なからぬ影響を与えることが示唆された。International Journal of Geriatric Psychiatry誌オンライン版に掲載。
本研究ではまず、65歳以上の1万3990人のデータを分析しハザード比を推定した。1日歩行時間(0.5時間未満、0.5〜1時間、1時間以上)は自己申告のアンケートから評価した。また公的介護保険データベースを検索し、5.7年間の認知症データを取得し、Coxモデルを用いて認知症の多変量調整ハザード比(HR)を推定。さらに、国民健康・栄養調査における有病率を用いて、人口寄与割合(population attributable fraction:PAF)を算出した。主な結果は以下のとおり。
・1日歩行時間は、認知症発症と逆相関を示した。
・多変量調整HR(95%信頼区間)は、0.5時間未満を1.00(基準)とすると、0.5〜1時間で0.81(0.71〜0.92)、1時間以上で0.72(0.62〜0.84)であった。
・全員が1日1時間以上歩けば認知症発症の18.1%の減少に寄与し、現在の歩行時間を1つ上のレベルに増やせば(0.5時間未満から0.5〜1時間、あるいは0.5〜1時間から1時間以上)14.0%の減少に寄与すると推定された。(10/31 ケアネット)

NEWS■ 歯の本数が高齢者の睡眠時間と関連か

現在の歯の本数が少ない高齢者は、歯の本数が多い人に比べて短時間睡眠や長時間睡眠になるリスクが高い可能性があることが、東北大学大学院国際歯科保健学分野の小山史穂子氏(現・大阪国際がんセンターがん対策センター)の検討で分かった。詳細は「Sleep Medicine」に掲載される。
適切な睡眠時間を保つことは健康維持に重要であるが、これまでの研究で睡眠時間は長すぎても短すぎても死亡率の上昇など健康問題につながることが示されている。一方、歯の本数が少ない人は噛み合わせが不安定になり、下の顎が上方に回転して気道を狭め、睡眠時の呼吸を妨げる可能性があることが指摘されている。そこで、小山氏らは今回、日本人の高齢者を対象に、歯の本数と睡眠時間の長さの関連を調べる横断研究を実施した。
この研究は、65歳以上を対象に実施した日本老年学的評価研究(JAGESプロジェクト)の2010年度調査データを用いたもの。睡眠時間に関する質問については、ランダムに抽出した2万3444人のうち2万548人(平均年齢73.7歳)から回答が得られた。解析では、7時間の睡眠時間を基準として現在の歯の本数と短時間睡眠(4時間以下)あるいは長時間睡眠(10時間以上)との関連を調べた。
その結果、歯が20本以上の高齢者では、短時間睡眠の割合は2.3%(160人)、長時間睡眠の割合は2.8%(195人)だったのに対し、歯が少ない高齢者ではそれぞれ3.3%(100人)、9.0%(272人)といずれも割合が高いことが分かった。また、性や年齢などの関連因子で調整して統計解析したところ、歯の本数と睡眠時間はU字型の関連を示し、歯が20本以上の高齢者に比べて歯が少ない人では短時間睡眠であるリスクは1.4倍、長時間睡眠であるリスクは1.8倍であることが明らかになった。さらに、歯の本数が1〜9本の人でも短時間睡眠のリスクは1.3倍、長時間睡眠のリスクは1.5倍であった。
以上の結果を踏まえ、小山氏らは「歯が20本以上ある高齢者に比べて、10本未満と少ない高齢者では短時間睡眠や長時間睡眠になりやすい可能性がある。高齢になっても歯の健康を保ち、数多くの歯を保持することが適切な睡眠時間を取り続けることにつながると考えられる」と結論づけている。(10/22 HealthDayNews)


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