エンタプライズ発信〜 メールマガジン【№24】2013. 3

脱法ハーブの材料として使われる可能性のある化学物質を厚生労働省が「指定薬物」とし、製造や販売を禁止する初の包括規制が22日から始まります。吸引者が死亡したり傷害事件ざたになったり、他方摘発も強化されるなど社会的意識が高まったこともあり、購入者も取扱店も漸減してきているようです。ただ、ネット業者の規模はつかみきれていないのが実状で、水面下での流通はいかばかりかと疑念がはさまれます。いたちごっこの様相も否めないだけに撲滅レベルの方策が望まれるところです。中毒の伏線といえば「マイルド・ドラッグ中毒」という症状があります。ふだん口にする常習性のある食べ物が原因で、それが途切れると禁断症状が現われることを言います。その元は砂糖、油、塩、化学調味料などを多く使用したものです。例えばですが、牛丼やハンバーガーといったファストフードに多く含まれています。欧米ではこのマイルド・ドラッグが社会問題化しており、米国では炭酸飲料をよく飲む高校生の銃器所持率が高く、暴力行為も多いとする調査結果が出て、禁断症状の一種だと指摘されています。(団塊周辺の世代として)思い出されるのはエルビス・プレスリー。生前は“ドーナッツ病”だったと言われています。誰にも嗜好品はありますが(お酒も含め)、日本人の性状“中庸”に心がけ、日々「適当」においしいものをいただいて、なにはともあれ「中毒」とは疎遠になりたいものです。

★☆★━━━━━━━■ CONTENTS ■━━━━━━━━━★☆★

【1】WHO 『健康の社会的決定要因 確かな事実の探求』第2版
【2】意識に基づくエネルギー療法 “ BodyTalk ”
【3】伝統医学をシルクロードに求めて
【4】カイロプラクティック・エネルギー治療へのパラダイムシフト
【5】根拠に基づく腰痛の原因と治療
【6】“連動操体法”について、ちょっとばかり…
【7】N・E・W・S
【8】お知らせ 〜『タオ性科学・女性編』刊行について
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<<< 連 載 ⑭>>>
【REVIEW】

WHO 『健康の社会的決定要因確かな事実の探求』第2版

<訳:WHO健康都市研究協力センター・日本健康都市学会・健康都市推進会議>


10. 交 通

健康を重視した交通システムとは、公共輸送機関の整備により自動車の利用を減らし、徒歩や自転車の利用を奨励することを指している。

【現 状】
自転車や徒歩、公共交通機関の利用には、健康上の4つの利点がある。すなわち、運動量の増加、死亡事故の減少、社会との結びつきの深まり、大気汚染の減少である。
機械化が進み、仕事や家事で体を動かす機会が減り、肥満が増加傾向にあるため、人々は生活の中で身体を動かす新たな方法を見つける必要性に迫られることになった。体を動かすことが少なくなってきている生活様式への対策として、車に頼らず、徒歩や自転車の利用を増やし、公共の交通機関を拡張することで、交通整備政策は重要な役割を果たすことが可能である。常日頃から体を動かすことは心臓疾患を予防し、肥満を解消することで糖尿病の減少につながる。また、充足感を高め、精神の安定を促し、高齢者の鬱病予防にもなる。
交通量が減少すれば死亡事故や重大事故も減少する。自動車事故では歩行者や自転車利用者に怪我をさせるが、自転車事故の場合は被害を受ける人数は比較的少ない。良く計画された都心部の道路では、歩行者および自転車と自動車の通行を分けることで、自転車と歩行者の安全性を高めている。
自動車の利用は人々を分断してしまうのに対し、自転車や徒歩、公共の交通機関の利用は、道に社会的な交わりをもたらす。道路交通により地域社会は二つに分断され、道路の両側でさえも分け隔てられてしまう。歩行者がまばらとなった通りはもはや社会的空間ではなく、一人歩きの時は犯罪に遭うのでないかと恐れてしまうほどだ。さらに自動車に依存している郊外の地域では、自動車を持たない人々、特に若者と高齢者を孤立させている。社会的孤立と地域交流の欠如は、健康に多大な悪影響を与えている。
交通量を減らすことは、排気ガスによる有害な汚染を軽減させる。徒歩や自転車の利用により、再生不可能な天然資源の消費は最小限に抑えられ、地球温暖化をもたらすことはない。さらに、大気汚染による疾患や騒音を減らし、環境に配慮したこれからの街に好ましい。

【提 言】
21世紀には人々は自動車への依存度を減らさなければならない。健康への悪影響があるにもかかわらず、ヨーロッパの国々では自動車による移動が増加しており、徒歩や自転車による移動は減少している。国や地方自治体は、これについての対策を講じ、この傾向を転じる必要がある。しかし自動車関連の企業・団体の関与は依然としてあり、石油、ゴム、道路建設、自動車製造・販売・修理・広告などの多くの産業が、自動車が利用されることによって利益を得ている。

・短距離の移動に関しては、都心では特に道路の優先権は歩行者と自転車に与えられるべきである。
・長距離の移動には、地方への列車の定期運行や増発による公共の交通機関の充実が不可欠である。
・道路建設のための助成金の減額、公共交通機関への経済援助の増額、商用の車の利用を減らすための税金の導入、駐車料金と駐車違反の罰金を上げるといった政策の転換が必要である。
・道路を緑地帯として転換利用する、駐車場を撤去する、道路を歩行者または自転車専用道路に転換する、バス専用レーンや自転車専用レーンを増設する、自動車の利用率が高い低密度の郊外住宅地の拡張や郊外型大型店の進出を抑制するといった土地利用の再編も必要である。
・自動車道路の建設は自動車の利用率を高めるという事実が、以前にも増して明らかになってきている一方、交通規制は予想に反して渋滞を減らす可能性があるという事実も明らかになってきている。
(本文了。次号では付帯資料を収載します)


◆◆◆ ⑪ ◆◆◆

『意識に基づくエネルギー療法 “ BodyTalk ”』

          …… 今 田    泰 (IJBA東日本支部支部長)……


さる2月19日、20日と東京ビッグサイトで開催された「統合医療展」にBodyTalk Japanとして初出展したところ大変な盛況ぶりだった。今回は番外編として通常の連載に代わり、その様子をレポートさせていただきたい。

「統合医療展2013」

統合医療展は第9回を数える統合医療・補完医療の展示会で、出展社は伝統医学や手技療法、ハーブやアロマ、健康補助食品、医療機器など多岐にわたる。主に医療関係者やセラピストをはじめとした業界関係者が来場し、併催のメディケアフーズ展とあわせ、今年は2日間でこれまで最高の12,000名近い来場規模となった。

・BodyTalk Japanのブース

今回初出展となるBodyTalk Japanは約20分のショートセッションと、簡易版のBodyTalk Accessの無料体験スペースを設け、さらにBodyTalkを紹介するパネル展示、ビデオ上映も実施した。
開場後、昼過ぎには体験予約がいっぱいになってしまい、翌日の2日目には枠を増設しなければならないほどに…。それでも2日目は早い段階で満員御礼となる盛況ぶりで、Access体験も列ができるなど予想以上の反応となり、20名の認定施術士はほとんど休みなくセッションを行った。
最終的に2日間で合計約250名の体験者となったが、その場での可動域の変化、痛みの減少などがみられることからブースは体験者の驚きの声でいっぱいとなった。

・出展社プレゼンテーション

ブースとは別に、特設会場において30分の出展社プレゼンテーションがあり、こちらでも両日BodyTalkの紹介を行った。初日は私(BJA東日本支部長の今田)、2日目は北海道支部長の福田が担当したが、初日は定員を超え立ち見が出るほどの盛況ぶりで、BodyTalkの注目度の高さがうかがえた。その中でBodyTalkの最も重要なテクニックでAccessセミナーでも学ぶ「大脳皮質」を見よう見まねでセルフ体験していただいたところ、約8割の方が前後の痛みや可動域の変化を感じておられた。この体感のしやすさもBodyTalkの利点であろう。

・総 評

今回の展示会で特徴的だったのは、ブースに展示したプロトコールチャートに興味を持ってくださった方が多かった点である。BodyTalkがいかに包括的であるかを表すこのチャートに感心された様子で、これは医療関係者やセラピストの来場が多い統合医療展ならではの光景であろう。
これまで目立った広報活動をしてこなかったBodyTalkだが、昨年から徐々に広報にも力を入れてきている。その意味で今回の統合医療展は大きな契機になったと思われる。
今回来場されなかった読者の皆様にも、各地で開催している説明会やBodyTalk Accessセミナーでお会いできればと願うところである。

(次号へつづく)


《 連載6 》

伝統医学をシルクロードに求めて

       池上正治(作家・翻訳家)


珍重され、かつ忌諱されるマンドラゴラ(つづき)

やがてマンドラゴラは小アジアからヨーロッパに入り、16世紀の宗教改革までは、各地の盛り場でおもしろおかしく売られていたという。
「昔、欧州大陸方面では一時すこぶるこの植物が流行した時代があった。香具師(やし)どもが、その両岐せる根の股ぐらへ“ナイフ”で男女のお道具の象(かた)を彫り付けてこれを並べ、さあさあみなさん、男のお子さんがお生まれになるのをお望みの方はこちらを、女のお子さんがお生まれになるのをお望みの方はあちらをお買い上げくだされて、御幸福を得られんことを祈ります…と、しきりに妊婦にそれを売りつけたものである」
その反面、マンドラゴラは評判の悪い、不吉な植物とも考えられていた。
マンドラゴラは地中の暗い所に生息し、絞首台の下で生息するとするものである。マンドラゴラを発見し、それを掘る仕事は、危険な命がけのこととされていた。マンドラゴラの風上に立って、毒気を避けながら、黒イヌに引かせて掘る。マンドラゴラは抜かれようとするとき、非常に恐ろしい叫び声をあげ、これを聞いた者は即死する。だから採取者は、あらかじめ蜜蝋で耳に栓をしてから、黒イヌを連れて出かけることになっている……。この「命がけの採取」という話が、マンドラゴラを高く売ろうとする香具師の創作であることはいうまでもないが、ゲーテも「マンドラゴラのことを語る者もあれば、黒イヌのことを談ずる者もあり」と言っている。
シェークスピアの作品中に出てくる「毒人参」も、マンドラゴラを忌諱する側面から捉えたものである。たとえば四大悲劇の一つ「マクベス」のなかに、
「(第三の魔女)竜の鱗に、狼の牙、魔女のミイラに、鮫のわた、いっしょに胃袋つっこもう。闇夜に掘った毒人参……」
とある。「アントニオとクレオパトラ」「ロメオとジュリエット」にもマンドラゴラが登場する。
事実、マンドラゴラには毒性があり、吐剤、下剤、麻酔剤としてヒポクラテスの時代(紀元前400)から用いられてきた。またマンドラゴラは、異常にかつ長時間、瞳孔を拡大させる作用をもつ。

東の人参、西のマンドラゴラ

「東洋の人参と相撲をとれるのは西洋のマンドラゴラである」と言ったのは牧野富太郎である。どちらも人間のような形をしており特別に霊薬視された点で、朝鮮人参とマンドラゴラは酷似した植物ということができる。南宋(13世紀ごろ)の中国人はマンドラゴラの存在を知っていた。当時の文人、周密の『葵辛雑識』には「回々国の西数千里一物を産す。極めて毒。まったく人形に類す。人参の若(ごと)し。これに名づけて押不蘆(ヤブロ)と言う。土中に生ず……」とある。押不蘆とは、マンドラゴラにあたるペルシャ語ヤブルスが音訳されたものだという。 (次号につづく)


<<連載>>

カイロプラクティック・エネルギー治療へのパラダイムシフト <第24話>

       保井志之(ファミリーカイロプラクティック院長、DC)


人間の「生命力」や「治癒力」を語る上で、人間をモノとして捉える場合と、有機的なエネルギー体のそれとして捉える場合と、2通りの考え方がある。どちらによるかで、治療哲学、治療法が大きく異なる。アジャストメントの効果の本質が「振動」であるということをさらに深く理解していただくために、人間をエネルギー体と捉える立場から「振動」の概念を述べてみたい。

“振動”と“リズム”

まず「治癒力」を考えるとき、人間の生体内のことだけではなく、自然界(天・地・人)という生体外との関係性も含めて捉える必要がある。そのからくりを知るためには、生命体や自然界、そして宇宙に存在する目には見えない「リズム」「振動」「周期」「周波数」「波動」「波長」「波」「ゆらぎ」などのキーワードとなる。
リズムが時間的に繰り返される現象を「振動」といい、そのリズムを定める主要な値に、周期(1回繰り返すまでの時間)と振幅(幅)がある。周波数とは振動する電圧・電流または電波・音波などが1秒間に向きを変える度数のことで、単位はヘルツ(Hz)またはサイクル毎秒(c/s)で表され、振動数と同義語的に扱われる。物理学は自然界の本質を追求する学問であるが、その中でも量子論というミクロの世界の法則を解き明かす学問の世界でも、この「振動」というキーワードは本質的な説明に使われる。
人間のからだを細かくすると、臓器や筋肉、骨などに分けられ、肉眼では見えないが細胞、遺伝子となり、さらには分子、原子となる。一昔は、この原子が最小の物質と考えられていたが、のちにはどうもそうではないことがわかった。
原子は原子核と電子で構成され、原子核の中には陽子と中性子があり、それを中間子でつないでいる。さらにその先にはニュートリノやクォークなどの究極の素粒子が存在する。そしてそれらの物質は粒であり、「波」の性質をもってすべてはゆらいでいるという。つまり物質的にはただの粒であるが、量子論の世界では「すべての物質は波であり、かつ粒子である」という。

自然界においてはどんな現象にも固有のリズムが認められ、その「波」はプラスとマイナスを繰り返す「周期」や「サイクル」として表現される。われわれがごく日常で感じる周期は、1日の昼と夜、年間では四季の周期であるが、そのリズムの中で最も長い周期をもつものが天体の周期であり、宇宙はビッグバンとして膨張して爆発し、想像をはるかに超えた百数十億光年以上のサイクルで誕生と消失を繰り返しているという。その一方で、最も短いリズムとしては先に述べた原子、さらにニュートリノやクォークという究極の素粒子などは、1秒間に1兆回という周期で振動している。 (次号につづく)


根拠に基づく腰痛の原因と治療 -世界発信より- 2013. 2.-3.

   長谷川淳史(TMSジャパン代表)
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世界の腰痛診療ガイドラインがエビデンスに基づき患者教育を推奨すると発表した論文を中心に、各国の医療情報を日々集約し開発を進めている「TMSジャパン」。代表の長谷川淳史氏の厚意により、時々刻々と遷移する腰痛治療に関する世界の情報をお届けする。ソースの詳細は英文。SNSはもちろんブログやサイトに、引用先のURLごとコピー&ペーストして可。

【最新の腰痛に関する情報一覧】

■プライマリケア医・整形外科医・カイロプラクターを受診した急性腰痛患者を比較した結果、回復率には差がないことが判明。治療費はプライマリケア医が最も安く、満足度はカイロプラクターが最も高く、整形外科医は治療費と満足度の両面に問題あり。 http://1.usa.gov/RBOsze

■大部分の家庭医は医学図書館で過ごす時間がほとんどないので、質の高い根拠に基づく研究に触れる機会がない。質の高い研究には多大な努力が注がれているものの、多くの医療従事者は自分の仕事に関する科学的根拠をけっして知ることはない。
http://1.usa.gov/RBGneb

■臨床医はアスリートの心理社会的因子を慎重に評価すべき。疼痛が患者にどのような心理的影響を与えているか、不自由を強いられることによる社会的・経済的・法的影響、病気か健康かによって何を得るかを理解しなければならない。
http://1.usa.gov/Q5zcWR

■腰部脊柱管狭窄症による椎弓切除術を受けた患者88名を約10年間追跡調査した結果、75%が手術の結果に満足していたものの、23%が再手術を受け、33%が重度の腰痛を訴え、53%が2ブロック程度の距離も歩けないことが判明。
http://1.usa.gov/Q5Iwdr

■平均年齢40歳の健常者60名を対象にMRIで胸椎を調べた結果、37%に明らかな椎間板ヘルニアが、53%に椎間板膨隆が、58%に線維輪断裂が、29%に脊髄の変形が認められた。無痛性胸椎ヘルニアはきわめて一般的な所見。 http://1.usa.gov/RNhYhG

■WAD(むち打ち関連障害)において磁気ネックレス・薬草(漢方薬を含むハーブ療法)・ホメオパシー・リフレクソロジ―(反射療法)などといった話題の治療法が有効だとするエビデンスはなく、特に磁気ネックレスは用いるべきでない。 http://1.usa.gov/LYNegq

■慢性腰痛(3ヶ月以上持続)患者63名を対象に腰部椎間関節の変形をCTで調べた結果、痛みを有する患者と無症状の患者との間に有意差が認められなかったことから、CTは腰部椎間関節症の診断法として役立たないことが判明。 http://1.usa.gov/RxeS5a

■高性能の画像診断の普及によって1990年代から脊柱管狭窄症が増加したが、100名の脊柱管狭窄症患者(平均年齢59歳)の臨床症状と画像所見(単純X線撮影・脊髄造影・CT)を比較した結果、両者間に関連性は見出せなかった。 http://1.usa.gov/RxEUW4

■慢性疼痛患者558名を対象に痛みと天候との関係について調査した結果、寒い地方の住人だからといって疼痛レベルも疼痛頻度も高いわけではなく、天候が疼痛に影響を与える事実は見出せなかった。それは単なる思い込みに過ぎない。 http://1.usa.gov/PTDMx5


【連載コラム】

“連動操体法”について、ちょっとばかり… (24)

       根本 良一(療動研究所主宰)


3. 股関節周辺の操体法

腰痛、膝が上がりにくい、膝を上げると外側に開く、足を横に上げにくいなどは、中殿筋、小殿筋が緊張している場合の異常動作である。また股関節が曲げにくい、膝の屈伸に異常があるなどのとき、腸骨翼下部に硬く縦に走る緊張があるときは、大腿直筋の緊張が顕著である。この部分に緊張があると、腰が伸びない、姿勢が悪くなる、股関節の動きが悪いなどの不都合をきたす。

3.-1 中・小殿筋の操体法 <腰骨の外側からお尻へかけての筋>

腰を上げにくい、無理に上げると腰が曲がる。腰骨の真下の筋。
・基本動作 ①足先の外転+②底屈+③腰を出し+④肩も追ってまわす

操体法の誘導:
1)この椅子にかけて、この(緊張のある側の踵へ手をかけて抵抗)足先で踏ん張り、踵を上げ、前に出してください。腰も前に。
2)肩をこちら(足先の向く逆方)へまわし、足先で踏ん張ります。
3)足が充分に動いたら、そのままで約3秒間連動させる間をおき、フーッと息を吐きながら脱力します。……ゆっくり2呼吸“間”をおいて戻ります。

中・小殿筋の自療操体法:
1)張側の足先を床につけ、
2)前へ出す踵へ別の足を載せて誘導をかけ、
3)さらに膝へ逆方に手をかけ、
4)その腕へ別の手をかけ、肩を逆方にまわす。この力で踵を押すことになる。
5)充分動いたら、そのままで約3秒間連動させて、フーッと息を吐きながら脱力させ、ゆっくり2呼吸間をおいて、以上を2‐3回行う。

3.-2 大腿直筋の操体法

膝を上げにくい。無理に上げると腰が曲がる。腰骨の前下から膝への二関節筋。
・基本動作 ①足先の内転+②背屈+③腰を出し+④肩をまわす+⑤踵を引きつける

操体法の誘導:
1)膝を上げにくい方の足について、足先に手をかけたまま踵へ後ろから膝を添え、踵を床につけ、足先を上げ、内側にまわしてください(主動作)。
2)充分内側へまわったところで足首を反らし、逆の腰を前へ、そして腰と逆の肩を前へ少し出してください。(踵へ後ろから添えた膝を前へ転がして抵抗をかける。そして足甲へ、小指側へ向け軽く抵抗をかける)
3)充分に動いたら、そのままで約3秒連動させて、フーッと息を吐きながら力を抜きます。
4)ゆっくり2呼吸……間をおいてもう1回しましょう。
以上を2‐3回行う。※大腿直筋は二関節筋だから複数の抵抗をかけると良い。
(次号につづく)


*** N *** E *** W *** S ***


NEWS ■過疎現場で献身的活動—医師5人に第1回「赤ひげ大賞」


地域で献身的な医療活動に取り組む医師を顕彰する「日本医師会 赤ひげ大賞」が創設され、第1回の受賞者5人が3月19日に発表された。22日に東京都内で表彰式が開かれる。
赤ひげ大賞は、少子高齢化が進むなか、地域住民が安心した生活を送れるような医療活動を長年行っている医師を表彰するため、創設。医療過疎の現場で、地域住民の支えとなっている原則として70歳未満の医師を対象とする。
第1回の大賞を受賞したのは、松田好人(北海道・名寄市風連国民健康保険診療所所長)▽久藤真(三重県・久藤内科理事長)▽横手英義(和歌山県・横手クリニック院長)▽鈴木強(広島県・鈴木クリニック院長)▽中野俊彦(大分県・直耕団吉野診療所所長)の各医師。いずれも地域に根ざした在宅医療などの献身的な医療活動が評価された。
選考に当たった昭和館館長の羽毛田信吾宮内庁参与は「今後、都会の団地などで独居のお年寄りが増えていくとみられる。そうした医療の確保も重要」と赤ひげ魂を持つ医師の奮起を促した。(産経新聞3/20)


NEWS ■心臓病患者、PM2.5注意—死亡率悪化の恐れ


微小粒子状物質PM2.5が高濃度の地域ほど、心臓発作を起こした患者の経過が悪く、死亡率が高まるおそれがあると、英ロンドン大学衛生熱帯医学大学院などの研究チームが欧州心臓病学会誌に発表した。PM2.5の人為的な発生がなければ、死亡を12%減らせるとも試算した。
チームは、2004〜07年に急性心筋梗塞などで入院した15万4204人(平均68歳)のその後を10年まで追跡。同じ期間中の、患者が住む英国内10地域の大気汚染物質の平均濃度との関係を調べた。
平均3.7年間の追跡中に3万9863人が死亡した。年齢や性別、持病や喫煙習慣などを考慮した結果、PM2.5の濃度が1立方メートル当たり10マイクログラム増えるごとに死亡率が20%増えると分析。PM2.5の人為的な発生によって12%にあたる4783人が死亡したと推定した。大気汚染物質でも、窒素酸化物や、PM2.5より粒径が大きいPM10では統計上の明確な差が出なかった。(朝日新聞3/18)


NEWS ■緑茶で脳卒中リスク低減 コーヒーでも…8万人調査


緑茶やコーヒーをよく飲む人は、飲まない人に比べて脳卒中になるリスクが2割程度低かったとの研究結果を、国立がん研究センター(東京)と国立循環器病研究センター(大阪)のチームが3月15日、発表した。緑茶の血管保護効果やコーヒーの血糖値改善効果が影響している可能性があるという。
チームは、1990年代後半に東北から沖縄の9保健所管内に住んでいた45〜74歳の男女計約8万2千人を平均13年間追跡した。この間に3425人が脳出血、脳梗塞、くも膜下出血といった脳卒中を発症した。
追跡開始時点で、緑茶を「全く飲まない」「週1〜2回飲む」「週3〜6回」「毎日1杯」「毎日2〜3杯」「毎日4杯以上」のグループに分けて解析すると、飲まないグループに比べ、毎日1杯以上のグループは脳出血のリスクが22〜35%低かった。脳卒中全体では毎日2〜3杯以上で14〜20%低かった。
コーヒーについては、飲まないグループに比べ、週1〜2回以上のグループは脳梗塞のリスクが13〜22%低かった。脳卒中全体では週3〜6回以上で11〜20%低かった。(共同通信社 3/15)


NEWS ■禁煙のメリットは体重増加リスクを上回る


「禁煙は体重が増えても心疾患のリスクを下げる」とBBCが報道した。禁煙が心血管系疾患のリスクを下げることはよく知られているが、禁煙すると太るヒトが多いこともまたよく知られている。BBCは研究者らによる、禁煙によるメリットが太ることで失われるかどうかを知るための努力を報道した。研究者らは大規模長期研究を行い、ほとんどの人で体重変化に関わりなく禁煙と心血管系疾患リスクの低下が関連することを発見した。ただしこの関連は糖尿病のない人に限る。糖尿病のヒトでは明確ではない。
この研究は、喫煙者がよく使う「禁煙しても太ったら効果がない」という言い訳が事実ではないという暫定的根拠を提供する。(Behind the Headlines 3/13)


NEWS ■むずむず脚症候群、薬剤によりある程度緩和


むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群、不穏下肢症候群)の症状は、薬剤によりある程度緩和できる可能性が新たな研究で裏付けられた。
研究グループによると、ロピニロール、レボドパ、ガバペンチン、プレガバリンなどの承認済み薬剤により、60%を超える患者の症状緩和が得られると考えられるという。前者2薬は身体内のドパミン(動作や気分を制御する脳内化学物質)値を上昇させるもので、後者2薬は脳細胞に到達するカルシウム量を減少させ、痛みを緩和する別の化学物質の産生を誘発する。研究著者Timothy Wilt氏は、医師や患者は現在、この2タイプの薬剤に関する十分な情報をもとに治療を選択できると述べている。この報告は「JAMA Internal Medicine」オンライン版に3月4日掲載された。
Wilt氏によると、妊娠中の女性、若年または高齢の患者、症状の比較的軽い患者、重篤な疾患のある患者の治療の有効性については情報がなく、今回の結論をこのような患者に拡大するには注意が必要だと述べている。しかし、中等症から重症の患者にとっては、少なくとも短期的には薬剤治療により大きな効果があると同氏は述べるとともに、正確な診断が重要であると強調している。(HealthDay News 3/4)


NEWS ■座っている時間が長いと糖尿病を懸念


座っている時間が長いほど2型糖尿病になる率が高いことが英レスター大学のJoseph
Henson 氏らの研究でわかった。研究論文は「運動を勧めるよりも、座らないようにと助言するほうが糖尿病予防に効果的かもしれないと述べている。
Henson 氏は、「家や職場で座っている時間を標的にすることが、糖尿病蔓延と戦う有用な戦略かもしれない」と述べ、一日の生活では運動に費やされる時間よりも座っている時間のほうが多くを占めていると指摘している。
今回の知見は、座っていることと糖尿病の因果関係を示すものではないが、糖尿病の高リスク患者に医師はどう助言すべきかを考えるきっかけになるものだという。
「糖尿病と心血管疾患予防プログラムは運動だけに目を向けているが、心血管代謝の健康における基本かつ重要なことを見逃している可能性がある。シンプルに、座っている時間を少なくし、もっと動くようにと言うほうが効果的かもしれない」とHenson氏は述べている。(Diabetologia」オンライン版2/27)


NEWS ■早歩き30分で死亡半減—糖尿病患者を8年間追跡


毎日30分以上の早歩きに相当する運動をしている2型糖尿病の患者は、ほとんど運動しない患者に比べて死亡の危険性がほぼ半分だったとの研究結果を、厚生労働省研究班(代表、曽根博仁・新潟大教授)が3月24日までにまとめた。
40〜70歳の患者約1700人を8年間追跡。脳卒中発症のリスクも半減した。効果は年齢や性別に関係なく、食事療法や薬に比べ軽視されがちな運動の重要性を示した。
曽根教授は「運動は血糖値やコレステロール値の改善以外に、心理的ストレスを軽減している可能性がある。患者さんの取り組みをもっと支援するべきだ」と話している。欧州糖尿病学会誌に近く発表する。
研究班は、仕事や日常生活以外にどんな運動をしているかを尋ね、種類や時間から1週間当たりの運動量を推計、3グループに分け比較した。
その結果、運動量が多いグループは、少ないグループに比べ、死亡リスクが51%、脳卒中の発症リスクは45%、それぞれ低かった。心筋梗塞などではこうした傾向は見られなかった。
運動量の計算に用いたのは「メッツ」という国際的な単位。多いグループの運動量は時速5.6キロで毎日30分以上歩くのに相当。少ないグループは特別な運動はほとんどしないのに相当する。(共同通信社 2/25)


NEWS ■フィットネス「あるある」神話を打破


フィットネスに関してよくいわれる“事実”のいくつかは実は根拠のない神話だという。たとえば、運動前にストレッチをしても実際は損傷リスクが低減するわけではない。ただし、ストレッチは練習後などそれ以外で損傷予防に役立つ可能性がある。米国運動協議会(ACE)は過去10年の研究を検討し、2月14日のニュースリリースでこのように報告した。
ACEは、筋肉群を最大まで伸ばして30秒間保持する「静的ストレッチ」(静的な脚のストレッチなど)は運動パフォーマンスを高めるわけではないと注意を促している。練習前に静的ストレッチをすると、逆に、短距離走やジャンプなど爆発的な運動や、最大筋力を発揮する場面で悪影響をもたらす可能性がある。
かわりに、準備運動のルーチンに「動的」ストレッチを含めることをACEは推奨している。動的ストレッチの一例に、短距離走者が競技前に行う長く大きなストライドがある。また、カロリーを消費したい人にとって、実はウォーキングよりもランニングのほうがよい。ウォーキングはすぐれた身体活動だが、ランニングのほうが必要とするエネルギーは40%高いという。
さらに、乳酸は運動中のアシドーシスや筋肉疲労を起こさない。これも一般に、研究を誤って解釈したことによって考えられてきた神話の1つであり、乳酸は高強度の運動時に役立っているとしている。(読売新聞2/25)


NEWS ■うつ病治療に「チューインガム」が良い!?


これまでの研究によると、チューインガムはストレスや抑うつ症状を軽減する可能性が示唆されている。しかし、うつ病治療におけるチューインガムの臨床応用に関する研究はあまり報告されていない。トルコ・アタテュルク大学のFurkan Muhammed Erbay氏らは、うつ病患者に対するチューインガム使用の影響を検討した。
対象は軽度〜中等度のうつ病患者30例。薬物治療単独群とチューインガム併用群に割り付け、6週間治療を行った。うつ病のレベルを測定するためにハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)トルコ版を用いた。治療後の評価は、グループ割り付けを認識していない医師により実施した。主なHAM-Dスコアと各項目の変化量はそれぞれ独立したサンプルのt検定とカイ二乗検定により分析を行った。
主な結果は以下のとおり。
・チューインガム併用群は薬物治療単独群と比較し、治療によく反応した。
・チューインガムの最も有益な効果は、食欲不振や鼓腸などの胃腸症状で認められた。
・チューインガムは、抑うつ症状に直接的な効果を示すかは不明なものの、うつ病に起因する症状を軽減する可能性があると考えられる。(Appetite誌オンライン版2/12)


【お知らせ】

・『タオ性科学・女性編』刊行について

大変お待たせしておりました上記書籍の刊行が、4月中旬の見込みとなりました。
入念な改訂が行われており、意訳も修正が加わってよりヒーリング・タオの奥義が
深まっています。弊社HPより、刊行お知らせを希望できますので、ぜひこの機会に
マンタクチャのヒーリング・ラブに接してみてください。男性編は既刊です。
http://eppub.jp


■次号のメールマガジンは2013年4月20日ごろです。お楽しみに。


[発行]産学社エンタプライズ