エンタプライズ発信〜メールマガジン【№20】2012.11

衆議院が解散しました。マニフェスト実現、政治主導、行財政改革と花火を上げた割には精彩を欠いた無責任与党に終わった民主党。小功はあるのでしょうが、やはり大事を改革しなかった結果には落第点をつけるしかありません。今日の内閣支持率からしても、国民に信を問うというべきか、政権与党として可か不可かを決めてもらうところまで来ていました。そして解散というわけで、大震災からの復興も道半ばでの政治空白や中国・韓国との卑近な外交問題が眼前にあるのに選挙に血道をあげるとは、政治家のやることはなにをかいわんやです。じつは今選挙の大きな政争であるTPP参加事案は、本欄(№9)にも書きましたが農業だけの貿易問題ではありません。わが国の国民皆保険の骨子を揺るがす事態をも巻き起こす可能性があります。生命保険、損害保険に続き、外資(特に米国)の特約健康保険なるものが自由協定のもとに雪崩を打って国民資産を狙ってくることになるでしょう。ここでも格差拡大の危惧を孕みます。有象無象の大小政党は帯に短し襷に長し。選挙後はまたぞろ連立の根回しに政治空白は続くこと必至です。投票といってもドコに?

★☆★━━━━━━━■ CONTENTS ■━━━━━━━━━★☆★

【1】WHO 『健康の社会的決定要因 確かな事実の探求』 第2版
【2】意識に基づくエネルギー療法 “ BodyTalk ”
【3】伝統医学をシルクロードに求めて
【4】根拠に基づく腰痛の原因と治療
【5】カイロプラクティック・エネルギー治療へのパラダイムシフト
【6】“連動操体法”について、ちょっとばかり…
【7】N・E・W・S
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


【Topics】

◆「タオ人間医学」講座が開かれる◆

弊社刊の『タオ人間医学』(謝明徳・原著)の出版を記念して、訳者であり、ヒーリング・タオをライフワークとしている鎌崎拓洋氏を講師に、タオのエッセンスを読み解くというもので、会場のアルカノン・セミナーズ教室 (東京・渋谷) は20名を超す人たちで熱気に包まれた。座学というよりはエクササイズを体験することでタオ気功や小周天のイロハを学ぼうという趣旨で、基本功や内笑瞑想(インナースマイル)、六字訣などの基礎トレーニング法の紹介が行われた。日曜ということもあり、比較的静かな都会の一室での瞑想や黙想は自律神経系を調律し、エクササイズでは心身を覚醒するに充分の取り組みであった。主催したアルカノンセミナーズでは今後もヒーリング・タオに関する特別講座を企画していく予定。


<<<連 載 ⑩ >>>
【REVIEW】

WHO 『健康の社会的決定要因 確かな事実の探求』 第2版

<訳:WHO健康都市研究協力センター・日本健康都市学会・健康都市推進会議>


6. 失 業

雇用の安定は健康、福祉、仕事の満足度を高める。失業率が高まるほど病気にかかりやすくなり、早死をもたらす。

【現 状】
失業は健康上の危険を招くが、その危険性は失業者が多い地域ほど高い。各国からの報告では、失業者とその家族は、他の要因を考慮しても、現実として早死の危険性を有することを明らかにしている。失業者の健康は、失業がもたらす心理的影響と経済的問題、とりわけ借金に影響されている。
健康に対する影響は、失業問題を意識し解雇されることに恐怖を感じた時から起こり、実際に解雇される前にも起こりうる。これは、不安定な状況に対する不安感が健康に悪影響をもたらすことを示している。仕事が不安定であることが、精神衛生の悪化(特に不安感・憂鬱感)、主観的な不健康感や心臓疾患それ自体とその危険性の増大と関係することが明らかになっている。
満足感の得られない仕事や不安定な仕事は、失業状態と同様の影響があり、それゆえ仕事を持っていることだけで、常に精神的・身体的健康を保持していけるとは限らないのである。また仕事の質も重要である。
1990年代、多くの先進工業国における経済と労働市場の変化は、仕事に対する不安感を増大させる結果となった。そして、そのことが慢性ストレスの要因となり、その状態にさらされている期間が長いと影響も増し、健康上の危険を引き起こし病気による欠勤の原因になり、医療機関に頼る現状を生み出している。

【提 言】
政策として、次の3つの目的が必要である。失業や仕事への不安感を防ぐ。失業による苦痛を軽減する。人々を安定した仕事へ復帰させる。
・政府が経済の好不況の差を縮めるよう政策管理をしていくことで、仕事の安定と失業対策に大きく貢献することができる。
・労働時間の制限は、仕事の安定と満足感を追求する上で有益である。
・人々の就労を促進するためには高等教育や職業訓練が不可欠である。
・失業者に対しては、より高額の失業手当の支給などの保護政策が必要である。
・融資機関による負債の軽減と、社会的ネットワークの強化も有効である。
(次号につづく)


◆◆◆⑦ ◆◆◆

『意識に基づくエネルギー療法 “ BodyTalk ” 』

…… 今 田  泰 (IJBA東日本支部 支部長)……


前回はエネルギーシステムとしての身体を扱う「生体力学」(旧称モジュール4/7)について述べた。今回は心身複合体の機能について大宇宙的に捉える「心身の大宇宙」(旧称モジュール6)について解説していく。

<< 心身の大宇宙 >>

人間は大きい視点でみれば大宇宙の中の一部であり、真の調和を実現するためには大宇宙のあらゆる要素と同調していかなければならない。したがって、そのために非常に幅広い多彩な内容を取り扱う。

・21副チャクラ
「ボディートークの基礎」(旧称モジュール1&2)で学ぶ7つのチャクラは、近代になって確立した神智学的チャクラシステムであるが、21副チャクラは中国において発展した道教チャクラである。
ここでは身体の各部位に存在する副チャクラの機能とそれが表わす意識、そしてそれらのバランスをとる方法を学ぶ。

・第8チャクラ
人間は白紙の状態で生まれてくるのではなく、様々な特性をプログラムされた状態で生まれてくる。DNAコードはもちろんであるが、それ以外にも両親や先祖の習慣、文化的特性、信念、または先祖とは無関係にも受け継ぐ情報が組み込まれており、これらが肉体的、感情的、心理的、精神的レベルでその人に影響を及ぼしていると考えている。
ボディートークのバランステクニックによってこれらとの関わりを減らし、つながりを切り離す方法を学ぶ。

・惑 星
惑星は古来より人間の意識を反映していると考えられている。心理学者のカール・ユングはこのことを「元型」として解説している。惑星自体が人間に影響を与えているというよりは、すべての人の心に共通して存在している心理的構造が投影されたものが各惑星のもつ「元型」である。
ここでは心身複合体のバランスをとるために、それぞれの惑星の元型エネルギーとの調和を図る方法を学ぶ。

・ハウス
ハウスは西洋占星術の概念で、ものごとのすべてにはそれぞれのテーマを持った12の段階があるという考え方である。人生においても、ある人間関係においても、仕事においてもこの12段階が当てはまる。
ここではこれらのハウスの特性と、それらとの調和を図る方法を学ぶ。

人体は閉鎖的システムではなく、身体の内部を超えて、究極的には大宇宙との関わりの中で存在する開放的なシステムである。したがって上記の概念を包括することにより、さらに深いレベルでの心身の健康が図られるのである。 (次号へつづく)


《連載2 》

伝統医学をシルクロードに求めて

       池上正治(作家・翻訳家)


朝鮮人参とマンドラゴラ(つづき)

人参の寿命は長く、数十年から数百年に達する。深山に野生してきた人参は、生長条件の影響か、変わった性質を持つ。すなわち、湿気は好むが、豪雨や水たまりをきらう。日光は好むが、強い日光にさらされるのをきらう。そればかりではなく、肥沃な土と充分な養分を求めるが、生長は遅く、繁殖力は弱い。
人参の根を水でよく洗い、外皮をむいて乾燥したものを白参(びゃくさん)といい、蒸してから乾燥したものを紅参(こうさん)という。人参が貴重な薬剤であることは古くから知られており、中国最古の薬学書『神農本草経』(紀元前1世紀頃)には、人参は「上品」にランクされている。その味は初めは甘く、後わずかに苦い。
現在、朝鮮や中国だけでなく、ドイツやロシアでも人参の薬効についての研究が進められている。人参の主成分がサポニン配糖体であることが明らかになったが、何千年来「滋養補血」「強壮」剤として用いられてきたメカニズムについてはまだ不明な点が多い。ただ、人参を過度に服用すれば神経系統を興奮させ、強心、心血の調製、食欲の増進、新陳代謝の促進といった作用を持つことは、経験的に広く知られている。

集団で山人参を採取に行く

今日のように朝鮮人参が栽培される以前は、人参といえば野生の山人参を意味した。険しい崖に登り、激流を渡っての人参採取は農民の副業であった。幸運に恵まれて人参を掘りあて、巨利を得ることもあれば、数か月もの入山の苦労が水泡に帰すこともあった。時としては命をかけての職業だったということができる。そこには集団の規律があり、山言葉があった。
日帰りのできるような浅い山では、高価な人参を発見することはできない。立派な人参を探すためには、何日も何十日もかけて、深山密林を探索しなければならない。虎や狼などの出没する山中にキャンプする以上、集団で行動する必要があった。また山中には鬼神がいて、人に危害を与えるとも考えられていた時代のことである。少なくて4-5人、多ければ12-3人でグループをつくる。経験のある者をリーダー(御人という)とし、サブ・リーダー(中御人)、炊事係の役割があり、残りは一般の団員である。リーダーの権限は絶対であった。
李朝中期の習慣によれば、入山は次のように三つの期節に分けられていた。春の終わり、発芽した人参を識別しておく苗節、人参の果実が丹(あか)くなり、一番わかりやすい夏の丹節、人参の葉が黄変した初秋の黄節である。人参の葉の黄色は特別で、熟練した採集者の目にはかなり遠くからでも識別できるという。(次号につづく)


根拠に基づく腰痛の原因と治療 -世界発信より-

   長谷川淳史(TMSジャパン代表)
***** ***** ***** ***** ***** ***** ***** *****

世界の腰痛診療ガイドラインがエビデンスに基づき患者教育を推奨すると発表した論文を中心に、各国の医療情報を日々集約し開発を進めている「TMSメソッド・ジャパン」。代表の長谷川淳史氏の厚意により、時々刻々と遷移する腰痛治療に関する世界の情報をお届けする。ソースの詳細は英文。SNSはもちろんブログやサイトに、引用先のURLごとコピー&ペーストして可。

【最新の腰痛に関する情報一覧 2012.10-11】

★★★=複数の許容できる科学的研究の大半においてほぼ一貫している事実。
★★=1つの許容できる科学的研究による事実、または複数の許容できる科学的研究による限定的な事実。
★=許容できる科学的研究の基準を満たさない事実。

■心理的・社会的・経済的因子は、慢性腰痛および活動障害において重要な意味を持っている(★★★)。心理社会的因子は、治療とリハビリテーションに対する患者の反応に影響をおよぼす(★★★)。
http://1.usa.gov/I23gOD

■臨床的特徴の中には、慢性疼痛および活動障害のリスクファクターとなっているものが数多く存在する(★★)。心理社会的因子は、医学的症状および徴候よりも慢性化にとって重要なリスクファクターである(★★)。

■非特異的腰痛とは、「発症年齢が20〜55歳」「腰仙部・臀部・大腿部の痛み」「メカニカルペイン(動作によって痛みの程度が変化する)」「患者の状態は良好」で、専門医へ紹介する必要はない。

■神経根症状とは、「腰痛よりも片側下肢痛が重篤」「足またはつま先へ放散する痛み・しびれ・感覚異常」「SLR(下肢伸展挙上)テストで下肢痛が再現」「局所における神経徴候」で、発症後4週間以内は専門医へ紹介する必要がない。

■馬尾症候群の症状と徴候、広範な神経症状、重度または進行性の運動麻痺は、重篤な神経系疾患を示す危険信号である(★)。年齢に関連した重大な外傷歴(若年者の高所からの転落や交通事故、骨粗鬆症や高齢者の転倒など)は骨折の可能性を示唆する(★)。

■若年成人の坐骨神経痛においては、SLR(下肢伸展挙上)テストを行ない記録する必要がある。脊柱管狭窄のある高齢者においては、SLRテストに異常が見られないことが多い(★★)。

■神経障害の検査ではアキレス腱反射と膝蓋腱反射、足関節と母趾の背屈力、感覚に関する愁訴の分布に重点を置く必要がある(★★)。
http://1.usa.gov/Ht6ICY http://1.usa.gov/HyhYli http://1.usa.gov/HvJ3Gv

■オーストラリアの疫学研究によると、腰痛発症率は30代が最も高く、全体の有病率は60〜65歳まで増加するがその後徐々に減少する。危険因子として低学歴・ストレス・不安・抑うつ・仕事への不満、職場の社会的支援が乏しいなど。 http://1.usa.gov/HmNaQO

■腰痛のウォーキングに関する4件の研究を分析した結果、最高ランクの研究では効果が認められなかったものの、低〜中ランクの3件の研究では効果が確認された。腰痛に対してウォーキングは有効である可能性を示唆。更なる研究が必要。 http://1.usa.gov/Ho9N7w


<<連載>>

カイロプラクティック・エネルギー治療へのパラダイムシフト<第20話>

       保井志之(ファミリーカイロプラクティック院長、DC)


生体のコントロール中枢である
神経系を評価基準とする(つづき)

筆者も、大学でのクリニックならびに開業当初は、矯正音が鳴ることを矯正完了の目安にしていたが、臨床経験を積み重ね、治療直後の治療効果を徹底的に追求する矯正にこだわっていると、キャビテーションによる矯正音が鳴ることを、カイロプラクティック矯正完了の基準にしてはならないことがよくわかってきた。
関節音を鳴らすような矯正は、筆者自身はさほどむずかしい技術とは思わないが、浅いレベルのカイロプラクティックでは、なぜかその矯正技術に何か特別の意味、効果が隠されているかのように錯覚をして、注目すべき大切なポイントは語られずに、最終的には技術の熟練という言葉で濁されてしまう傾向を感じる。
矯正音に関して、以下の報告が紹介されている。
1)音のでる矯正は、それ自体で筋肉を活性化させることはないし、関節の固有受容器の反射反応ももたらさない。
2)キャビテーションを生じさせる刺激、あるいは強い振幅刺激のどちらも背筋の反射活性化を生じさせなかった。
3)矯正中、単に音の発生だけでは、どこの関節から矯正音が生じたのか確かめることはできない。
4)矯正音は必ずしも適正な神経反射を起こす証拠にはならない。

これらはカイロプラクティック矯正によって生体に神経反射作用が生じなければ、神経系を活性化させたことにはならないのではないかという示唆である。神経系を活性化させなければ、筋・骨格系へも働きかけることができない。よって、生体への神経反射作用による反応をカイロプラクティック矯正の指標にしなければ、たとえ矯正音が鳴るような矯正刺激でも、その刺激はカイロプラクティックの矯正だといえるだろうか、という問いかけである。大切なポイントは、矯正手法よりも、何を基準に矯正し、何を基準にその矯正が完了したと判断するかである。
カイロプラクティック矯正のターゲットはサブラクセイションであるが、そのサブラクセイションの評価基準は何なのかが論点になる。大きく分けて、以下の四つのサブラクセイションの評価基準が存在する。
1.構造で診る。
2.動きで診る。
3.神経反射で診る。
4.生体の温度差や電気的抵抗値などを比較した生体エネルギー変化(検査器具による)で診る。

さて、どの評価基準がカイロプラクティック矯正のターゲットであるサブラクセイションの本質的な評価基準になるだろうか? 複合的に診て判断することも必要だが、カイロプラクターと
して、もっとも重要なポイントは何なのかを考える必要がある。 (次号につづく)


【連載コラム】

“連動操体法”について、ちょっとばかり… (20)

       根本 良一(療動研究所主宰)


2. 腓腹部(ふくらはぎ)〜内腿部 <つづき>

3)-1 内腿部下側からの操作

椅子にかけて、内腿部のピンと張っている筋の下側の操作である。首の動きが良くない、上を向くとき首から背部にかけて痛い、横を向いても痛い、手首やひじの痛みが取れない。このようなときは局所に問題があるのではなく、ほかに誘引があるからで、その一つとして内腿部からの連動処理が大切である。困って、試行の末に探り出し、実証し、さらに多くの患者への追試で確証を得た操作である。

①椅子にかけた操作法
・声かけ操体法
受者は椅子にかける。操者は内腿部の下部がコリコリ硬い方の足元へ、内側から90°の位置で向かい、正座して受者の足を自分の膝へ載せる。次にその受者の足甲へ手を載せて、
a)「この足を、小指の方へいっぱいにまわし、次に足指を反らせてください」と声をかける。このとき、受者の足と操者の足が90°になるくらいがよい。膝の痛い人にやさしくできる。
b)「膝を伸ばし、腰をまわし、肩は腰と逆の方へ軽くまわします」(補助動作)。足を載せた膝は、腰を寄せるようにして腿を転がし、膝の伸展を促す。
c)「充分に足首がまわり、膝が伸び、脚が開き、腰がまわり肩も動いたら、そのまま約3秒連動させて、フーッと息を吐きながら脱力します」。かけた手はそのまま添えておき、
d)「そのままで途中で動かないで……3呼吸、間をおいて姿勢を戻します。この静かな時間は無駄ではないですよ。交感神経の鎮まる癒しの続いている時間です」と声がけする。
以上を2-3度行う。

②内腿部下側からの自療操体法
・椅子にかけて行う:足と足とで
a)椅子にかけて、内腿部上側から1/3くらいの位置で見る。指腹で触れてみて下側が硬い方の足を選ぶ。
b)選んだ足を、別の足の後ろへ交差してかける。その足甲で、前の足の足首へ絡ませるようにかける。後ろの足は主動作、前の足は誘導となる補助する方になる。
c)かけた足は、小指球を支点として踵を上げて前へ出し、腰も出す。足先の向く逆方へ両肩を軽くまわし(補助動作)、
d)足が充分に動いたら、そのままで約3秒間おいて、フーッと息を吐きながら脱力させる(足の動き=主動作、肩の動き=補助動作)。
e)そのままで2呼吸の間をおいて戻る。この“間”のとり方は、前の「声かけ」に準じて行う。(次号につづく)


*** N *** E *** W *** S ***


NEWS ■医療・福祉の仕事が1割に…国勢調査


総務省が11月16日公表した2010年国勢調査の職業集計によると、医療・福祉関係の仕事に就いている人は612万8千人で、15歳以上の就業者に占める割合が10.3%となり、データが比較できる1995年以降初めて1割を超えた。高齢化の進行で介護サービスなどの需要が拡大しているためとみられる。
集計によると、産業別で最も就業者が多いのは卸売業・小売業の980万4千人(16.4%)で、次いで製造業の962万6千人(16.1%)。ともに前回の05年調査から約1ポイント減少した。建設業やサービス業も減ったが、3位の医療・福祉は前回から1.6ポイント増えた。
医療・福祉関係の労働者のうち、女性は469万人と76.5%に達した。女性全体の就業者の18.4%を占め、卸売業・小売業に次いで多かった。(共同通信11/18)


NEWS ■中国社会の大問題は「男が多すぎること」…米メディア報道


米CNNがこのほど、中国では長期にわたり、特に漢族の間で男の子が大事にされ、女の子は赤ちゃんの段階で殺されたり、差別されたりしている状況だと報じた。また「ここ数十年間、低価格の超音波検査によって胎児の性別を調べ、女の子であれば堕胎するという行為が横行している。その結果、2020年までに、中国の結婚適齢期の成人男性は女性より3000万人多くなり、大きな問題となる」と指摘している。環球時報が伝えた
中国も独身男性が多すぎるという問題の影響に気づいている。エコノミストの推計では、男性の割合が1ポイント増えるごとに暴力などの犯罪が6ポイント増加する。男女比のアンバランスが最も深刻な地域では、賭博やアルコール依存、薬物使用、誘拐、女性の人身売買といった多くの問題がみられ、これらはいずれも「若い男性が多すぎる」という問題に起因しているという。独身男性の増加は收入格差の拡大にもつながる。中国の所得分配の不平等さを測るジニ係数は現在、25年前の0.3未満から約0.5に上昇した。
中国は韓国に倣い、女性差別やこれに起因する堕胎の根絶を図らなければならない。今後20年間で空前規模の独身男性の問題を根本的に解決することが急務だ。不満のたまった独身男性たちが自身を危険な状況に置くだけでなく、周りの人々にとっても「脅威的な存在」となりうるためだ。(新華網11/14】


NEWS ■高齢初産は「産後うつ」に注意…35歳以上の母親


高齢出産が増えているが、35歳以上で初産の母親は産後うつ病になりやすいことがわかった。浜松医科大学子どものこころの発達研究センターの松本かおり特任助教が11月10日、東京で開かれたヘルスリサーチフォーラム (ファイザーヘルスリサーチ振興財団主催) で発表した。
産後うつ病は出産3か月以内に発病し、欧米では10〜15%といわれている。女性の苦しみや不安の多くは1年以内に自然に軽快するが、重いうつ病に進むケースもあり、子どもの情緒不安定などにもつながりうる。松本さんらは大学病院産科と産院の妊婦検診に訪れた妊婦に産後2、4、8週の3回、国際的なうつ状態のスクリーニングテストに記入してもらった。2010年10月時点で産後3か月をすぎた726人のうち、2回以上記入した678 人について分析した。
1回でもうつ状態だったと見られる母親は102 人で、3か月累積の産後うつ病発生率は15.0%。初産は19.1%、2人目以降は11.1%と差があったが、平均年齢、子どもの父親の年齢、世帯収入、早産や子どもの低体重などと産後うつ病の有無は関係がなかった。あったのは年齢。母親の年齢が25歳以下は20.5%、35歳以上では18.9%に対し、25〜29歳は14.2%、30〜34歳11.5%で、真ん中が凹むグラフになった。初産、子どもの父親の年齢などを加味すると「25歳以下」が多いことの説明がつくのに対し、「35歳以上」は明らかに産後うつ病が多い、と結論づけた。(JCASTニュース11/14)


NEWS ■女性の骨粗鬆症…日光に当たる時間も要因


ファイザー(東京都渋谷区)が、30歳以上の女性を対象に骨粗鬆症に対する意識・実態調査を実施したところ、予防に必要とされる1日30分以上の運動を約8割が行っていなかった。日光に当たる時間が1日30分に満たない女性も6割いた。
調査は9月末、インターネットで、30歳以上の閉経前の女性500人と閉経後の女性500人に行った。それによると、骨を丈夫にするためには1日30分以上の運動が有効だが、25.7%が「30分未満」、53.8%が「ほぼ行っていない」と回答。特に閉経前女性の運動不足が目立ち、83.4%に上った。
日光浴が骨の形成を促すことを「知っている」「聞いたことはある」割合は計79.3%だが、日光に当たる時間が30分に満たない人が58.3%に達した。
骨粗鬆症の治療はしていない、閉経後の女性250人のうち、骨密度測定などの検査を受けたことがない人は48%。その理由(複数回答)は「必要性を感じなかった」(47.5%)、「気になる症状がなかった」(39.2%)、「どこで検査ができるか分からなかった、機会がなかった」(34.2%)などだった。
閉経後は女性ホルモン(エストロゲン)の減少で、骨粗鬆症のリスクが高まる。しかし初期には自覚症状がないため、背が縮んだり、骨折したりしてから気づくことも多いという。(産経新聞11/14)


NEWS ■<ヒトの温度感覚> 視覚からの情報に影響


視覚からの情報がヒトの温度感覚にも影響するとの実験結果を、東京大の横澤一彦教授=心理学=のグループが、7日付の米科学誌「プロスワン」のオンライン版に掲載した。
実験は21〜23歳の男女計20人に実施。被験者の目の前に置いた作り物の手と、被験者の手に同じ刺激を10分間与えて、作り物を自分の手と錯覚させた。そのうえで、作り物の上に室温のプラスチックを置いて取り除いた後、今度は氷を置き、温度の変化をどう感じたかを調査した。
本物の手には温度変化がなかったにもかかわらず、20人中15人が「自分の手が冷たく感じた」と回答した。さらに、氷の後にプラスチックを置くと、18人が「温度が上がった」と答えた。
横澤教授は「これまでは、視覚は皮膚の温度感覚に影響を与えないと考えられてきたが、視覚情報は処理が早く正確で、あいまいな皮膚の温度感覚を補っているようだ」と説明した。(毎日新聞11/9)


NEWS ■褒められると伸びる…生理学研、実験で証明


「褒められると伸びる」は本当―。運動トレーニングをした際に他人から褒められると、上手に運動技能を取得できることを、自然科学研究機構生理学研究所(愛知県岡崎市)の定藤規弘教授(神経科学)らの研究グループが実験で明らかにし、米オンライン科学誌「プロスワン」11月7日号に発表した。グループの田中悟志名古屋工業大准教授(神経工学)は「褒めて伸ばすという言葉が科学的に証明された。教育やリハビリテーションの現場で応用できる」としている。
研究グループは右利きの成人男女48人に、キーボードの1から4のキーを使った5桁の数字を、左手で決められた順番でできるだけ早くたたく運動を覚えてもらい、運動直後に(1)自分が褒められる、(2)他人が褒められるのを見る、(3)自分の成績をグラフだけで見る、の3グループに分けた。
翌日、覚えた順番どおりにキーボードを何回たたけるかを実験すると、運動直後に自分が褒められたグループは前日の練習から成績が20%伸びた一方、ほかの2グループは13〜14%の伸びにとどまった。
これまでの研究で、うれしいことがあると、脳内で記憶の定着に重要な役割を果たすドーパミンが分泌されると判明しており、田中准教授は「褒められた分、記憶が残って動きが良くなったのではないか」と話している。(共同通信11/8)


NEWS ■ぜんそく患者が世界で2億人超…WHOが地球温暖化を指摘


世界保健機関(WHO)と世界気象機関(WMO)が共同で、公衆衛生気象に関する報告書を発表した。この中で、ぜんそく患者が世界で2億人を超え、増加の背景に地球温暖化の影響を示唆している。日本でも近年、特に子どものぜんそく患者が増えている一方、国内の平均気温も上昇を続けており、関連性が懸念される。
文部科学省が実施している「学校保健統計調査」を見ると、2011年度のぜんそくの被患率は小学生が4.34%、中学生2.83%、幼稚園児2.79%となっている。1986年のデータでは小学生0.9%、中学生と幼稚園児は0.7%となっていた。この25年間でぜんそくの割合が飛躍的に拡大したことが分かる。
世界でも同じ傾向がみられるようだ。WHOとWMOが10月29日に発表した英文の報告書によると、今日ぜんそくを患っている人は全世界で2億3500万人に上る。欧州では成人の24%にあたる8000万人がアレルギー性疾患に苦しむが、子どもはさらに割合が大きく全体の3〜4割に達し、今も増えているという。そのうえでぜんそく患者の増加には、気候変動が関連しているとみている。
報告書によると、近年では化石燃料の使用が主な原因とされる温暖化ガスの堆積で気温が上昇するのに加え、フロンガスほか化学物質が大気中に放出されることで環境や人体に与える負荷が増しているとする。ひとつの例が、紫外線レベルの上昇が皮膚に与える危険性で、もうひとつ示されたのが、ぜんそくだ。花粉が引き起こすぜんそくや呼吸器系の疾病が急増しているという。ただ、そのメカニズムはまだ十分解明されていない。(JCASTニュース11/4=一部)


NEWS ■中年の脳を蝕む高血圧


高血圧は40歳という若さでも脳の構造を損傷させる可能性がある━━こんな研究結果が「The Lancet Neurology」オンライン版に10月31日掲載された(印刷版は12月号に掲載)。米カリフォルニア大学デービス校神経学教授/アルツハイマー病センター所長のCharles DeCarli氏らの研究で明らかになった。脳の構造の損傷は、高血圧症には至っていない高血圧前症の中年早期の成人の脳にもみられたという。
DeCarli氏らは、2009年の研究開始時に平均年齢39歳だった600人近くを対象に血圧を調べ、MRIで脳スキャンを行った。その結果、白質の構造的完全性の損傷や灰白質の容積減少など、高血圧症および高血圧前症の患者では脳の老化が進んでいた。
血圧上昇が中年早期の成人の脳に損傷を与え、血圧関連の脳損傷が生涯にわたり発生することが示唆されたのは今回が初めて。以前の研究では、高齢者で血圧関連の脳白質の損傷と精神機能低下が関連付けられている。「今回の結果は明らかに、若いときに自分の血圧を知って治療することがその後の人生の脳の健康に影響を及ぼす可能性があることを示している」とDeCarli氏は述べている。
血圧上昇は、脳卒中や心血管リスクの増大に関連する。米国人の約5,000万人にみられ、死亡の最大の危険因子となっている。(The Lancet Neurologyオンライン版10/31)


NEWS ■風邪じゃなくてCOPD? …慢性肺疾患


喫煙などがきっかけで風邪のようなせきやたんが長引き、息切れがする「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」について、日本医師会や日本呼吸器学会などは10月30日、製薬会社と協力して認知度を高めるプロジェクトを始めると発表した。高齢者の地域医療を担う医師への周知や、来月から放映するテレビコマーシャルなどを通じ、現在25%程度の認知度を5年後に50%に引き上げる。
記者会見した東京女子医科大の永井厚志・統括病院長によると、COPD患者は500万人以上、死者は年間1万6000人以上とみられ、増加傾向にあるが、COPDと気付いていない患者が多い。日本呼吸器学会の西村正治理事長によると、日本人の死因第3位の肺炎にはCOPDが悪化したケースが含まれていると考えられ、COPD患者は肺がんの発症危険性も高い。西村理事長は「COPDは診断されず、診断されても十分治療されていない病気」と説明し、啓発活動を推進すると述べた。(時事通信10/30)


NEWS ■判断力不安は3割、どんな人も被害=振り込め詐欺


振り込め詐欺被害に遭った高齢者のうち、加齢による判断力や記憶力の低下がみられる人は3割にとどまることが29日、警視庁が公表した調査結果で分かった。同庁は「どんな人でも被害に遭う」として、事前に詐欺を見分ける合言葉を決めるなどの対策を呼び掛けている。
同庁は今年5〜7月に振り込め詐欺の被害届を出した高齢者318人から聞き取り調査。この結果、調査した捜査員が判断力や記憶力に不安があると感じた人は3割の96人にとどまった。親族との親密度や危機意識についても調べたが、被害との関係性はみられなかったという。
同庁によると、東京都内の振り込め詐欺は9月末時点で前年同期比23.5%増の1490件発生。半数以上が「会社の書類をなくした」といった手口のおれおれ詐欺で、被害額は2割以上増加。また、医療費などの還付名目で金を振り込ませる詐欺が昨年の50倍以上に急増しているという。(時事通信10/29)


NEWS ■がん5年後生存率公表…症例24万件データベース化


国立がん研究センターなど全国のがん専門診療施設が加盟する「全国がん(成人病)センター協議会」(全がん協)は10月23日、胃、肺、大腸、乳、子宮頸の5部位のがんについて、28の病院別に治療開始から5年後の生存率を公表した。がん患者への情報公開の一環で、公表は平成20年以来。各病院で生存率に差があるが、状態の悪い患者の比率が高いほど生存率は低くなるため、全がん協では「生存率の数字だけで病院を選ぶべきではない」としている。
全がん協に加盟する31病院のうち、症例数などで基準に達した28病院が、13〜15年に初めて治療を受けた患者のデータを公表した。それによると、胃がんで生存率が最も高かったのは大阪府立成人病センター(80.2%)。最も低いのは茨城県立中央病院で56.2%だが、府立成人病センターは初期がん(1期)の患者数が多いため、生存率が高かったとみられる。
同様に、肺がんは58.11〜24.8%、大腸がんは81.4〜64.0%、乳がんは95.4〜84.1%、子宮頸がんは84.4〜65.8%、と、病院ごとにばらつきがあった。
全がん協はさらに、9〜16年の全がん協施設24万件の症例をデータベース化。このデータを基に、30種類以上の部位のがんについて年齢や性別、進行度を入力すると、5年後までの平均的な生存率がわかる新システム「KapWeb」も開始した。全がん協では「今後は化学療法や放射線療法などによる生存率のデータもそろえていきたい」としている。「KapWeb」は、全がん協ホームページから閲覧できる。(産経新聞10/23)


NEWS ■「猫背」現代人の9割超…丸まるクセを体操で矯正


早稲田大学で「姿勢と健康」の講座を担当する「虎ノ門カイロプラクティック院」(東京都港区)の碓田拓磨院長によると、猫背になると呼吸が浅くなり代謝機能が低下する。背骨に負担をかけることで、背骨の中を通る自律神経、知覚神経、運動神経にも悪影響を及ぼす。肩こりや腰痛は言うに及ばず、神経痛や自律神経失調症などの一因となるという。
そこで正しい姿勢が楽にできるようになるための体操「キャットレッチ」を行うと改善するという。
(1)背すじを伸ばし、お尻の後ろで手のひらを上にして指を組む。
(2)胸を開く感じで、左右の肩甲骨を背中で合わせるように肩を引き、息を吸う。
(3)口から細く息を吐きながら頭を後ろに倒し、3つ数えて元に戻す。

頭を後ろに倒した際、アゴを上に引き、組んだ手を斜め下に引き、アゴと手で引っ張り合うようにすると効果大。座っても立ってもできるが腰で反らないよう注意する。キャットレッチ後は最低3分間、伸びた背中を意識する。
「丸めたポスターの丸まりを取るには、裏返しに丸めます。キャットレッチはこれと同じ効果があり、丸まろうとするくせが取れます。1日20回、正しく行うことで、早い人なら1週間で猫背のくせが取れていきます」(碓田院長)
家では、バスタオルを直径5〜10センチに丸めた「キャットレ棒」を、背中の丸まりの頂点辺りに置いてあおむけになることで、猫背改善に効果があるという。(産経新聞10/23)


■次号のメールマガジンは2012年12月15日ごろです。お楽しみに。


[発行]産学社エンタプライズ