エンタプライズ発信〜メールマガジン【№7】2011.8
暑い暑い、日本全国、炎暑・燃暑で話題はもちきり、挨拶はまず「暑いですねえ」から始まる真夏真っ只中。節電ムードが落ちつたとはいえ、電気代節約のねらいもあってエアコンは控え気味の家庭も…。しかしそんな夜、寝ようにも蒸し暑くて眠れない人も多いのではないでしょうか。そこで咽喉も渇いたし、ビールか焼酎ロックで寝酒といくかという向きも。。。さてさてところで、よい睡眠を得るのに、寝酒は有効なのでしょうか。8/1読売新聞によると、たしかにアルコールは寝つきを良くする効果があるそうです。脳の神経の緊張をほぐす作用があるため。しかし人は睡眠時、眠りの浅いレム睡眠と、眠りの深いノンレム睡眠を約90分周期で繰り返します。寝酒(アルコール)はそのリズムを狂わせしまい、「深い眠りが少なくなり、浅い眠りが増えるという非効率な睡眠となる」らしいです。その結果、小さな物音で夜中に目が覚めるなど、快眠が妨げられてしまう。左党には都合のいい言い訳で1杯飲めるのですが、他方寝酒が習慣化すると「アルコール依存性睡眠障害」になることもあると記してありますのでそこそこの注意が必要かと。
★☆★━━━━━━━━━■ CONTENTS ■━━━━━━━━━★☆★
【1】統合医療の一翼を担う …あれこれシリーズ 「ホメオパシー」
【2】カイロプラクティック・エネルギー治療へのパラダイムシフト
【3】補完・代替医療の真贋を斬る!
【4】“連動操体法”について、ちょっとばかり…
【5】NEWS
【6】ご案内『タオ性科学・女性編』と『タオ人間医学』が契約へ。『エネルギー医学の原理』が再販売へ
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## 統合医療の一翼を担う ……あれこれシリーズ② ##
“ホメオパシー” あれこれ。<第4話>
解説:板村論子(帯津三敬塾クリニック院長・日本ホメオパシー医学会専務理事)
「ホメオパシーの現状と今後」
現在、世界の80か国以上でホメオパシ―は用いられています。特に欧州では約30%の人がヘルスケアとして利用し、日本における漢方のような位置づけにあります。世界保健機関(WHO)でもホメオパシーは最も多くの人に利用されている補完・代替医療の一つであるとみなしています。
フランス、イタリア、オーストリア、ロシアなど17か国では、ホメオパシーの実践は医師(および獣医師、歯科医師)のみであり、現代医療と統合的に用いられています。一方、英国、ドイツ、スイスなど医師以外の治療者がホメオパシーを行っている国では、現代医療を遠ざけるケースもあり色々な問題が起きています。日本と違って、これらの国々でもレメディは医薬品であり、法的認可のもと健康保険制度の適用になっています。
日本では、レメディは厚生労働省に医薬品として認可は受けていませんので、治療者への規制はまったくない状況です。そのため医学教育を受けていない人たちもホメオパシーを行っているのが現状です。医学的な知識と臨床経験がないことから病気の悪化を見過ごし、アグラベーション(悪化)を“好転反応”と間違った呼び名で称したり、現代医療を突然中止したりすることで生命の危険が生じる事態も起きています。
実際、昨年の8月には医師免許を持たない助産師が、投与すべき薬剤を自己判断で中止したことにより、不幸にも乳児が死亡したこと、さらにホメオパシーのみを信じて必要な現代医療を拒み死亡した悪性リンパ腫の患者さん、母親が適切な治療をうけなかったアトピー性皮膚炎の乳児が死亡したことなどがマスメディアにとり上げられました。
学術会議会長の談話をうけ、医師会、獣医師会、歯科医師会など、ホメオパシーへの正しい理解のないままにホメオパシーを否定する方向に向いています。危険なのはホメオパシーではなく、治療する側の問題です。生命を預かることへの責任のもと西洋医学の基礎と現代医療の臨床経験を生かし、安全にホメオパシーが提供できる医師・歯科医師・獣医師が行うべきできです。
日本ホメオパシー医学会(Japanese Physicians Society for Homeopathy(JPSH;医師・歯科医師・獣医師・薬剤師からなる460名の会員)では、ホメオパシー認定医・専門医の育成を行っています。現実には、昨年のホメオパシーへの否定的動向もあり、まだまだ医療現場ではホメオパシーは知られていない状況です。ホメオパシーがどのような医学であるのか、医療の中にどう普及していけるのか、日本ホメオパシー医学会は日々努力と活動をつづけていきます。
ヒポクラテスの誓いにある「患者さんのために尽くすこと」、それはホメオパシーそのものです。ホメオパシーは患者さんを中心にレメディ、治療者との関係性の中ですすめられ、現代医療では経験できないような、病気の人とともに、あきらめない・希望を持つという可能性を治療者にも示してくれます。
今後一人でも多くの医師・歯科医師・獣医師がホメオパシーを行うことで日本の医療がより良い方向に向かうことを期待します。(了)
【ご案内】来る8月21日(日)午後に、ホメオパシーの基礎をひととおりご説明する一般向けセミナーを東京の新宿で開催します。どなたでもご参加いただけますので、お気軽にお越し下さい。詳細はこちら
※一般社団法人日本ホメオパシー医学会では、毎年医療従事者(医師、歯科医師、獣医師、薬剤師)向けの研修コースを設けています。興味をお持ちの方は次のウェブサイトをご覧ください。http://www.jpsh.jp/entry.html
<<連載>>
カイロプラクティック・エネルギー治療へのパラダイムシフト<第7話>
保井志之(ファミリーカイロプラクティック院長、DC)
Innate Intelligence & Universal Intelligence
次に、D.D.パーマーの語るカイロプラクティック哲学の概念で、サブラクセイションのほかに語らなくてはならない大切な概念がある。それは、先天的知力(Innate Intelligence)と万物的、あるいは宇宙的知力(Universal Intelligence)である。これらの概念を分かりやすく説明している文献を調べたわけではないが、臨床現場での経験と併せてD.D.パーマーのカイロプラクティック哲学を生命論的、エネルギー論的、有機的思考に基づいて、筆者なりに解説してみたい。
ここで説明するサブラクセイションは、リーダーマンが定義する生命論、エネルギー論的思考による説明であり、機械論的思考による背骨のズレおよび動きの異常は、生命エネルギー、神経エネルギーブロック、すなわち妨害物のサブラクセイションによる結果であると捉える。基本的にいわゆる構造上のズレも結果であり、神経系機能障害、サブラクセイションが存在するからズレるのである。さらにサブラクセイションは背骨のズレ、動きの異常を引き起こす原因になるが、サブラクセイションを引き起こすその上の原因もまた存在するということに触れてみたい。
まずは、人間自体が本来持ち備えている先天的知力と、人間が受け入れるべき宇宙的知力をコンピュータ用語で分かりやすく解説する。先天的知力は、ハード面で閉鎖系として捉える。一方、宇宙的知力は、ソフト面で開放系として捉える。われわれが矯正治療を行なっているサブラクセイション、すなわち神経エネルギーの妨害物は、ハード面である先天的知力の中に存在し、通常のカイロプラクティックの概念では、閉鎖系で人体を捉え、外の関係性を問題とするソフト面との整合性、つまり宇宙的知力との整合性、調和までは治療の対象として考慮しない。しかし、サブラクセイションを引き起こす本質的原因は、外との環境、宇宙的知力との整合性、調和にあり、人間はこの宇宙的知力から生命エネルギーを供給され、生かされているという実体を認識する必要がある。
われわれが矯正治療を施しているサブラクセイションは、いわゆる肉体のハード面の調整であり、構造的機能異常を介して、サブラクセイションを特定し、神経エネルギーの妨害物を解放する目的でアジャストメントを施す。これはハード面の閉鎖系内での治療に相当する。
しかし、人間の健康を語る上で、心と身体との関係、環境との関係、食品、化学との関係まで踏み込まなければ、デカルト的心身二元論的思考、人間の身体を機械のように捉えるという偏りも出てくる。
D.D.パーマーは、「病気を決定する原因は外傷、毒、自己暗示である」(D.D.パーマー 原書359頁)と述べている。これは、ソフト面の開放系との問題であり、ハード面である閉鎖系の内なる身体が、開放系である外との整合性、統合性があるかどうかまで踏み込んだ考え方である。
(次号へつづく)
補完・代替医療の真贋を斬る!【連載⑦】
長谷川淳史(TMSジャパン代表)
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■クワッカリーの安全性(続き)
また、マルチ商法(multi-level marketing:連鎖販売取引)という形態をとるクワッカリーも大きな社会問題となっている。ディストリビューターと呼ばれる販売員が知人を勧誘して顧客とし、その販売網をピラミッド型に形成していくマルチ商法自体は違法ではない。しかし、虚偽説明や脅迫などの違法行為を含む勧誘、購入実績を維持するための過剰な買い込み、その購入資金捻出のための借金(クレジット契約)といった被害が後を絶たない。
そこで国民生活センターや消費者センターでは、マルチ商法を悪質商法として注意喚起を促している。「健康になると同時に高収入が得られる」という甘い言葉に踊らされ、金銭や友人を失うことのないように十分注意しなければならない。
ちなみに、国民生活センターが注意を呼びかけている販売手口・商法と、2002年〜2006年までに寄せられた過去5年間の相談件数を列挙するので、ぜひ参考にしていただきたい。
【1位】アポイントメントセールス(72,346件)
「当選した」等販売目的を隠して、あるいは販売目的を告げてはいるものの特に選ばれたとして有利な条件を強調して電話等で喫茶店や営業所に呼び出して販売する商法。
【2位】アンケート商法(21,806件)
「アンケートに答えてほしい」「アンケートをとるだけです」と言って近づき消費者の警戒心を解かせ、商品・サービスを売りつける商法。
【3位】SF商法(38,726件)
閉め切った会場に人を集め、日用品などをただ同然で配って雰囲気を盛り上げた後、最終的に目的の高額な商品を売りつける商法。
【4位】お礼商法(1,088件)
アンケートを依頼する等、販売目的以外の行為をした後、そのお礼にと販売目的物を使って掃除や裁縫等をして、巧みに販売目的物を売りつける商法。
【5位】開運商法(10,834件)
「購入しなければ不幸になる。購入すれば不幸から免れる」という虚偽説明、「運勢が開ける」「幸福になる」というセールストークだけでなく「家系図をみて・・」「姓名判断をして・・」「手相をみて・・」といった商法。商品だけでなく、占いや祈とうサービス等を提供する商法も含む。
【6位】かたり商法(67,002件)
あたかも公的機関や有名企業の職員か、その関係者であるかのように思わせるそぶりやトークで商品やサービスを販売する商法。
【7位】キャッチセールス(39,439件)
街頭で消費者を呼び止め、喫茶店や営業所・店舗に連れ込み、商品やサービスを契約させる商法。
(以下、次号へつづく)
【連載コラム】
“連動操体法”について、ちょっとばかり… (7)
根本 良一(療動研究所主宰)
2)腹部(外腹斜筋)の緊張
外腹斜筋の操体法に、仰臥位で両腕を組んで、肘を押し出し逆方へ向け、目的の肋椎関節運動軸を広げるという肋間神経系の外腹斜筋の操法があります。
肩を逆方へねじるということは、同側では外腹斜筋が緊張します。単にねじるだけならこの外腹斜筋が緊張するから動くにくい動作です。しかし背部を広げて前腕に抵抗をかけると快い動作になり、緊張していた外腹斜筋が弛緩してきます。
3)内腿部の操作と外腹斜筋
椅子にかけて上体を左右にまわしてみます。動作分析でよくやる方法です。このとき上体が向く側の内腹斜筋と、始動側の外腹斜筋が緊張し、それぞれの対側の内腹斜筋と外腹斜筋が弛緩します。左内腿部下方に緊張があると、この操作としては上体を右にひねることになります。
この動きは動作分析に従えばダメな操作ですが、足を支えて行なえばラクな動作になり、左内腿部下方→左肩甲間部→外腹斜筋という連動関係が成立します。これは主動作筋(外腹斜筋)が調整されている結果だと思われます。
筋の状態からの動きにくい動作と、歪因部位を解放する動作とで両者が一致しないときは、歪因部を解放する動きが優先される場合が多いようです。(以下、つづく)
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NEWS ■2カ月の搬送者2万4千人。 熱中症、7月は過去最多■
6月に全国で熱中症で救急搬送された人は、6877人で前年同月(2276人)の約3倍に上り、うち15人が搬送後に死亡していたことが5日、総務省消防庁の速報値で分かった。6月下旬の東日本と西日本の平均気温が、上中下旬ごとの統計を気象庁が取り始めた1961年以来、それぞれ最高となるなど列島の猛暑が原因とみられる。
福島第1原発事故に伴う電力不足の懸念から節電ムードが広がっているが、エアコンの使用を我慢しすぎると室内で熱中症になる恐れがある。消防庁は「室温が28度を超えないようエアコンや扇風機を上手に使い、水分補給は小まめに行ってほしい」と注意を呼び掛けている。
消防庁は、月曜から日曜までの1週間ごとに熱中症搬送者を集計しており、5日発表した6月27日〜7月3日の搬送者数は、前年同期の3.8倍に当たる4463人だった。中でも東京都心が真夏日となった6月29日は1154人が搬送され、6人が死亡した。
6月27日〜7月3日の都道府県別搬送者数は、愛知の512人がトップで東京398人、埼玉331人、千葉283人、神奈川280人の順で、最少は青森の8人。年齢別では65歳以上の高齢者が52%に達した。搬送時点の症状は、重症3%、中等症37%、軽症58%などだった。(7月6日、共同通信社)
NEWS ■高血糖、高まるがんリスク…有害な活性酸素が過剰に■
糖尿病ではなくても血糖値が高い人は、がんで死亡する確率が高まることが、九州大グループの研究でわかった。研究をまとめた同大大学院医学研究院医師、平川洋一郎さんは「糖尿病だと、がんの危険が高まることは知られていたが、血糖値が高めの人も早くから生活習慣に気を配り、適切な食事や運動の心がけが重要」としている。
調査は、福岡県久山町に住む男女約2400人を対象に行われた。1988年に、40-49歳でがんでない人を選び、空腹時と食後2時間の血糖値の検査結果により、4グループに分けた。2007年までの19年間に229人が、がんで死亡した。
空腹時血糖が100(単位はミリ・グラム/デシ・リットル)未満の人が、がんで死亡する危険度を1とした場合、糖尿病が強く疑われる126以上では2.1倍、糖尿病ではないが高め(110-125)では、1.9倍高かった。
食後血糖についても、120未満の人の危険度を1とすると、糖尿病が強く疑われる200以上では2倍、高め(140-199)の人は、1.4倍だった。
がんの種類別では、空腹時血糖が100以上の人は、それ未満の人より胃がんで死亡する危険度が2.1倍、食後血糖が140以上の人は、それ未満の人に比べ、肺がんが2倍、肝臓がんが2.7倍高かった。その他のがんは明確な差はみられなかった。
血糖値が高いと、がんの発症が増えるのはなぜなのか。順天堂大病院糖尿病・内分泌内科教授の綿田裕孝さんによると、血液中に余分なブドウ糖が増えると、細胞内でそれを代謝しようとする働きが強くなる。この際、有害な活性酸素という物質が過剰に増えることなどにより、細胞の遺伝子を傷つけ、がん化させるという。
また、血糖値を下げるホルモンのインスリンは、細胞を増殖させる働きがあるが、綿田さんは「正常な細胞とともにがん細胞も増やし、がんの進行が早まる危険性も否定できない」としている。(8/6読売新聞)
NEWS ■がんの発見経路は「偶然」が1位。検診や人間ドックの約3倍■
がん治療の第一歩は「早期発見」に尽きる。部位にもよるが、大腸がんや胃がんなどは発見が早ければ予後も良好で、難治性のがんでも早く治療を始めるほうが進行を遅らせることはできる。ところが、7月26日に国立がん研究センターが発表した「がん診療連携拠点病院 院内がん登録2008年全国集計 報告書」には意外な事実が記されている。
がんの「発見経路」のデータを見ると、「がん検診」が全体の7.7%、がんの発見を目的としない「健診・ドック」が8.0%、他の疾患を治療中・経過観察で偶然発見された「経過観察」が25.0%となっている。
「がん検診」の占める割合が低く、他の疾患治療などで偶然発見されることがもっとも多いのである。医療ジャーナリストで現役医師でもある森田豊医師は現状の問題点をこう指摘する。「諸外国と比較して、日本はがん検診率が低いことが問題になっています」。
経済協力開発機構(OECD)の2009年調査によると、日本の検診率はわずか20〜30%前後。サラリーマンの場合、毎年、人間ドックに行く人は多いが、基本的な診断メニューでは、見つからないがんも多い。
「がんが進行して症状が出てから治療をするよりも、症状がない段階で、がん検診で見つかったがんの方が小さい病巣でとどまり、転移もないことが多い。検診率を上げていくことも重要な課題です」(森田医師)
がん検診はがんに特化した検査なので、早期発見に至りやすく、結果、生存率も高くなるということだ。(8/15号・週刊ポスト)
NEWS ■イルカの治癒力がヒトでの恩恵をもたらす可能性■
イルカの感染に対する抵抗力やサメによる咬傷(こうしょう)からの迅速な治癒力が、ヒトの創傷治療に新たな洞察をもたらす可能性が新しい研究で示唆された。
医学誌「Journal of Investigative Dermatology(研究皮膚科学)」7月21日号に掲載された論文(レター)で、米ジョージタウン大学メディカルセンター(ワシントンD.C.)非常勤教授のMichael Zasloff氏は、「イルカの治癒過程に関する報告はまだほとんどなく確認されていない。イルカはなぜ、サメによる咬傷で出血死に至らないのか。なぜ激痛に苦しまないのか。重度の損傷による感染が生じないのはなぜか。ヒトならば同様の損傷は致命的になる」と述べている。
これらの疑問を解決するため、同氏は世界各地のイルカ調教師および海洋生物学者にインタビューを行い、入手可能な研究をレビューした。その結果、同氏は、イルカの感染に対する耐性がその脂肪層と関係する可能性があると結論付けた。イルカの脂肪層には天然の有機ハロゲン化合物(organohalogen compound)が含まれ、抗生物質のように作用し、抗菌特性を持つという。同氏は以前に、カエルと小型のサメの皮膚から抗菌化合物を同定している。
Zasloff氏は「イルカは自身の抗菌化合物を蓄え、損傷発生時にそれを放出する可能性が最も高い。また、身体の元の形状を回復させる方法で治癒する。大きな裂傷を正常に近い外観に修復するには、新たに形成された組織を既存の脂肪細胞、コラーゲン、弾性線維に結合させる能力を必要とする。イルカの治癒は、哺乳類の胎児の子宮内での治癒方法と似ている」という。
同氏はさらに、「独自の潜水メカニズムが血流を抑え、治癒を促進する可能性ある。また、無痛覚は確実に生存するための順応である。今回の研究がヒトに恩恵をもたらす研究を促すことを願っている。動物の創傷治癒に新規の抗菌薬や有望な鎮痛化合物が見つかると考えている」と述べている。
NEWS ■座りがちの女性は肺塞栓になりやすい■
座りがちの生活をしている女性は、そうでない女性に比べて、肺に血栓が詰まる「肺塞栓」を発症する危険性が2倍以上も高いとの調査結果を、米マサチューセッツ総合病院の研究チームが英医師会誌に発表した。
チームは、平均年齢56歳の約7万人の女性看護師を18年間にわたって追跡、このうち約270人が肺塞栓を発症した。分析の結果、自宅で週に41時間以上座るグループは、10時間未満しか座らないグループに比べて、肺塞栓になるリスクが2.34倍高かった。一方、運動量とは関係がなかった。男性や若い女性で同様の傾向があるかどうかは不明としている。(共同通信社)
NEWS ■親が受けたストレス、子に遺伝……理研グループ■
外からのストレスで遺伝子の働きが変化する仕組みを、理化学研究所の石井俊輔主任研究員らのグループが明らかにした。こうした遺伝子の「働き」の変化は、子に遺伝することもわかった。米科学論文誌「セル」に発表した。
遺伝情報は「塩基」とよばれる物質の並びとしてDNAに刻まれている。たとえばトウモロコシの実の色は、基本的にはこの塩基の並び方で決まる。気温や日照時間の異常といったストレスが加わると遺伝子の働きが変化し、ストレスが取り去られても、その影響が子に伝わることが知られている。だが、その変化の仕組みがわかっていなかった。
DNAは、ヒストンというたんぱく質の塊に巻き付いている。石井さんらは、塩基の並びに変化がなくても、その巻き付き方の違いで、遺伝子が働いたり働かなかったりする仕組みに着目した。白い目のショウジョウバエの卵をお湯につけてストレスを与えると、「ATF2」というたんぱく質が活性化してDNAの巻き付きが緩むことを発見。緩んだ結果、赤い色素を作る遺伝子が働くようになり、生まれてくるハエは目が赤くなった。
そして、この巻き付きの緩さは子に遺伝した。目が赤くなったショウジョウバエの子も目が少し赤くなったが、孫の世代では白い目に戻った。一方、親と子に続けてストレスを与えると、目の赤さは孫、ひ孫、やしゃ孫まで残った。
石井さんは「ストレスが生活習慣病や精神疾患を引き起こすメカニズムを明らかにして、病気の予防などにつなげたい」と話している。(読売新聞)
◆◆ ご案内 ◆◆
◎謝明徳・原著『タオ性科学・女性編』と『タオ人間医学』が契約へと進み始めました。現在、両書とも改訂が入っていることがあり、その改訂度合いを調査中です。大部分改訂の場合は初動(翻訳)からの再編集になりますので、だいぶ時間を要することになります。訳者の鎌崎氏と打ち合わせが今後控えており、時間調整を図ってまいります。
大変お待たせしておりますが、再発行へと歩みを始めました。
◎オシュマン原著 『エネルギー医学の原理』の再販売ができるようになりました。現在、契約の詰めに入っており、順当に行けば10月には刊行の見込みとなっています。再発行のリクエストが多かったタイトルですので、編集者として歓迎しています。旧価格で販売予定です。
■次号のメールマガジンは9月10日ごろです。お楽しみに。【編集人:北島憲二】
[発行]産学社エンタプライズ