エンタプライズ発信〜メールマガジン【№6】2011.7

今年も昨年に続いて空梅雨になりました。昨年同様のあの炎暑に再び見舞われることになるのでしょうか。九州育ちの編集子ですが昨年はさすがに根を上げました。あまりに蒸し暑くエアコンなしでは眠れない状態に陥り、それが慣れないために寝ていて寒くなったり暑くなったりでリモコンをいじり、結局は質のよい睡眠はとれませんでした。今年は例年のように静かに扇風機で眠りにつけるかなと思いきや、またエアコン頼みになりそうなこの頃です。
電力不足が声高に言われ、編集子も節電を実践していますが、はたして本当に電力の供給が危ないのか、単に需要抑制のためのこけおどしなのか、はたまた業界と政官による遠謀なのか、どうも釈然としないのは多くの人の共通した懐疑心にあるのではないかと思います。ドイツでは原子力発電所の全廃を発表し、先進各国も早晩追随する方向へむかうと思われます。FUKUSHIMAが与えた原発に対する地球人の畏怖は、いよいよ原子力政策の終焉へと舵を切っていくことになりそうです。他方、文明の叡智を傾け、代替電力の開発を急がれますが、私たち電力消費者も、電気は有限であることを心して明知する必要があると思います。

★☆★━━━━━━━━━■ CONTENTS ■━━━━━━━━━★☆★

【1】統合医療の一翼を担う …あれこれシリーズ 「ホメオパシー」
【2】“推拿(すいな)”ってご存知ですか?
【3】カイロプラクティック・エネルギー治療へのパラダイムシフト
【4】補完・代替医療の真贋を斬る!
【5】“連動操体法”について、ちょっとばかり…
【6】NEWS
【7】刊行のご案内『アクティベータ・メソッド 第2版』重刷完成。
『タオ性科学・女性編』および『タオ人間医学』の報告。
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## 統合医療の一翼を担う ……あれこれシリーズ② ##

“ホメオパシー” あれこれ。<第3話>

解説:板村論子(帯津三敬塾クリニック院長・日本ホメオパシー医学会専務理事)


「花粉症とホメオパシー」

花粉症を訴える患者さんにホメオパシーで治療すると、1/3くらいの人たちにスギ花粉から作られたレメディが効果的です。これは「アイソパシー(isopathy)」と言って、病気を起こす原因物質そのものを用いた治療法です。残りのうちの1/3は、その人の花粉症の症状を診て処方します。これは健康な人が服用すると、その症状と似たような症状を起こさせる物質を用いて作ったレメディで治療します。たとえば、鼻がかゆく鼻水がたくさん出るのなら、アリウム・セパというタマネギのレメディを使います。さらに残った1/3は、その人の体質全体を診て処方します。8割方の患者さんが良くなっていくようです。

「うつ病とホメオパシー」

うつ病でホメオパシーを希望される患者さんのほぼ全員が、すでに抗うつ薬を服用しているかたです。うつ病になったきっかけや取り巻く環境などその人一人ずつ違います。うつ病という疾患ではなく、うつ病の人一人ひとりにオーダーメードで治療が行えるのがホメオパシーです。ホメオパシーはその人自身の持つ治る力に働くため、何年もうつ病の人が3カ月で回復することはありません。
まず治療の第1段階はうつ病の薬はそのままの状態で、日常生活がホメオパシーを受ける前よりよりよくすごせるようになることです。
そして第2段階では抗うつ薬の種類や量を減らすことができるようになることです。
薬も必要なくなりレメディのみで改善していく経過を見ていきます。
第3段階ではレメディも必要なくなり、うつ病からの回復と言えます。

ホメオパシーでは、うつ病の人の語る物語を一人一人違った意味合いの中で理解し、それに合わせてレメディを選択していきます。治療者はまるで患者さんと一緒にダンスを踊っているように、この人の回復の場面に立ち会うことができるのです。ホメオパシーの治療の過程は多彩で多様です。

※一般社団法人日本ホメオパシー医学会では、毎年医療従事者(医師、歯科医師、獣医師、薬剤師)向けの研修コースを設けています。興味をお持ちの方は次のウェブサイトをご覧ください。http://www.jpsh.jp/entry.html


<<連載 ④>>

“推拿(すいな)”ってご存知ですか?

—-古えの『黄帝内経』に基づく手技療法
◆   孫 維 良 (東京中医学研究所所長、臨床中医推拿塾塾長)


「円の動き」が浸透と連続性を生み出す

(前号の流れより続く)  そのままの状態で患部に手掌または指腹あるいは指先をあてるのですが、さまざまな手法において、その浸透と浸透を維持しながらの移動で「円の動き」が必要となります。この「円の動き」が推拿療法の大きな特長といえるでしょう。

円の運動は、移動、浸透において直線運動にない持続性、連続性を持っています。患部にさらに力を浸透させ、また浸透力を与えたまま移動してゆくには円の動きが必要なのです。定点においては、細かい螺旋(らせん)を描きながらより深層の患部に力を到達させ作用させます。範囲の広い部位では、力を浸透させたまま水平方向に細かい螺旋を描きながら移動します。こうすることによって患者に得気(ひびき)、あるいは刺激を持続して与えたまま広範囲に手技を施すことができるというわけです。

これらの円運動を利用した動作は、前述したとおり、「心・意・気」を用いて、柔らかくゆっくりとした動きで行わなければなりませんが、一朝一夕にできるものではありません。まずは手首を柔らかく使えるようになること、それを目標に地道な修練が必要となります。(了)

臨床中医推拿塾では、この推拿独特の円を描きながらの手技を徹底的に身に付ける基礎コースを設けています。基礎コースは未経験の方も参加できますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。また、柔整師やあはき師などのプロを対象にした臨床コースもございます。詳しくはホームページをご覧ください。URL=http://www.tuina.jp/juku

※東京中医学研究所ホームページ  http://www.tuina.jp


<<連載>>

カイロプラクティック・エネルギー治療へのパラダイムシフト<第6話>

保井志之(ファミリーカイロプラクティック院長、DC)


臨床現場における矛盾を解く

正常とされる脊柱のカーブや椎骨の並びと、障害部のそれとの比較は、レントゲン写真上の線引きの計測で可能であり、治療前・治療後の変化を機械論的に立証することができる。いわゆる科学的証明、客観的証明である。これは近代科学にも受け入れやすい証明の仕方である。しかし、結果が重要課題である臨床現場では矛盾が生じる。
かつてD.D.パーマーは、「なぜ同じベンチに座り、同じ家で暮らしていながら、病気になる人とならない人がいるのだろう。同じ食事をし、同じ空気を吸っていながら、病気がちな人と健康な人がいるのはなぜか」という疑問をもったそうだ。たしかにレントゲン写真上の線引きで、脊椎の左右対称な並びをもち、正常な脊柱カーブを保っている人でも病気になる人と健康な人がいる。逆に、不整列な脊椎の人で何も症状がない健康な人もいる。その違いは何だろうかという疑問がある。

1990年に発表されたジョージワシントン大学メディカルセンター整形外科部門での研究では、腰痛の経験のない人たちを対象にしたMRI検査に基づく調査において、半数以上の人たちに椎間板の膨隆が認められ、60歳以上では3分の1の人たちに椎間板ヘルニアが認められたと報告されている。また、ニューイングランド医学誌においても、腰痛のない98人を対象にしたMRI検査では、68%の人に椎間板の膨隆、隆起、あるいは突出が認められたと報告されている。
これらは機械的構造異常が腰痛の原因にはなっていないという証明である。機械的構造異常による変形が、直接的に神経に刺激して痛みを引き起こすという証明はない。このような機械論的サブラクセイションに照らし合わせて症状の原因を追求すると、研究データに限らず、臨床現場でも矛盾が生じてくるのである。

一方、リーダーマン(Ledermann)は、「分子間のエネルギー交換におけるエネルギー妨害物が病であり、この妨害を除去するのが治療である」と述べている。カイロプラクティックではその妨害物を「サブラクセイション」と呼び、エネルギーを「先天的知能」と考えている(『Philosophy and Medicine. Philadelphia』)。このサブラクセイションの定義は、生命論的、エネルギー論的思考の表現であり、エネルギーの存在を計測できないため、非科学的で観念論的であると批判を受けそうであるが、筆者はこの定義がサブラクセイションの核心に迫る表現であり、臨床上矛盾なく説明できると確信している。(次号へつづく)


補完・代替医療の真贋を斬る!【連載⑥】

長谷川淳史(TMSジャパン代表)
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■クワッカリーの安全性(続き)

第2は、治るチャンスを失うという間接的問題である。
クワッカリーの被害者は、自分の健康に漠然と不安を感じていたり、人一倍健康に気をつけている割には、現代医学に不信感を抱いていることが多い。そこにクワッカリーの付け入る隙が生まれる。
ところが、自己限定性疾患(self-limited disease:ある一定の過程を経て自然に終息する傾向を持つ予後良好の疾患)ならまだしも、命に関わるような危険な疾患が潜んでいる場合、クワッカリーの虚偽誇大広告を鵜呑みにして手を出すと、適切な医療を受ける機会をみすみす逃してしまうことになる。そうなってからではもはや取り返しがつかない。
また、命に関わるような疾患は、少しでも治療が遅れただけで手遅れになることがあるため、瞑眩反応や好転反応が出現した際にも十分な注意が必要である。

買い手危険負担(caveat emptor:悪い商品を買ってもその責任は売り手ではなく買い手にある)という言葉を念頭に置き、必要な医療を受ける機会を失うことだけは断じて避けてもらいたい。わが国には「健康のためなら命はいらぬ」という笑えない風潮があるようだが、そろそろ目覚めてもよい時期ではないだろうか。

そして第3は、クワッカリーによる心理社会的問題である。
絶対に効かないという治療法は存在しないし、信念だけで治ることもある。したがって、いくらクワッカリーといえども、それを信じ込むことで何らかの効果が得られる可能性は大きい。そしてその効果を実感した者は、『三た論法』を用いて周囲の人々にも勧めるかもしれない。
ところが、効果が得られない者やクワッカリーであることを見破る者、あるいは体調を崩す者も出てくる。そうなると、たとえ善意の気持ちからだったとはいえ、周囲の信頼と友人を同時に失ってしまい、心に深い傷跡を残す危険性がある。とりわけ勧めた相手が肉親で、不幸にも健康を損なった場合の心理的ダメージは計り知れないものとなるだろう。(つづく)


【連載コラム】

“連動操体法”について、ちょっとばかり… (6)

根本 良一(療動研究所主宰)


それでは連動操体法を実施するうえでの要訣を以下に述べていきます。

■     身体を治す動き

操体法は自分の動きで自身を治すのが原則ですが、どう動いたらよいのかが分からない人が多いのは事実です。身体の動きには運動の法則があり、それを正しく捉えて行えばすばらしい効果が現れます。理解が進めば決してむずかしいことはないので、ここで紹介する大別して2つの治す動きを参考にしてください。

<快い動きをする>
操体法で選ぶのは、心身に快い動きであり、1)動いて快い…動作の質、2)大きく動けるか…動作の量、3)連動する動き…開指角が拡大し愁訴が解消する、以上の要素が包括されてそれを実現します。

<連動の起点から有効な処理>
どう動いても良いのではなく、どこ(連動の起点)から動いて、どんな補助動作を加味すると障害が解消されるか、これが連動操体法では大切なことです。以下に3つ例を挙げます。

1)  肩こり…主として僧帽筋の緊張
こっている肩を上げさせ、肩に自分の手で抵抗をかけ、十分に動いたらフッと脱力させます(橋本敬三師・談)。こっている肩は上げにくいです。操体法は気持ちよい動きをするというのになぜかというと、肩に抵抗をかけ肩を上げさせると、同側の腰背部起立筋が弛緩します。この腰背部の緊張がゆるむと関連部である僧帽筋も弛緩するのです。
脇下後部に分布する広背筋も関係が深く、肩こりと腰痛は伴って惹起するとか、水泳(特にクロール)をしていると肩はこらないと言われるのは腰背部と深く連関するからなのです。(次号へつづく)


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NEWS ■熱中症搬送が前年比3倍に <6月> ■


6月に全国で熱中症で救急搬送された人は、6877人で前年同月(2276人)の約3倍に上り、うち15人が搬送後に死亡していたことが5日、総務省消防庁の速報値で分かった。6月下旬の東日本と西日本の平均気温が、上中下旬ごとの統計を気象庁が取り始めた1961年以来、それぞれ最高となるなど列島の猛暑が原因とみられる。
福島第1原発事故に伴う電力不足の懸念から節電ムードが広がっているが、エアコンの使用を我慢しすぎると室内で熱中症になる恐れがある。消防庁は「室温が28度を超えないようエアコンや扇風機を上手に使い、水分補給は小まめに行ってほしい」と注意を呼び掛けている。

消防庁は、月曜から日曜までの1週間ごとに熱中症搬送者を集計しており、5日発表した6月27日〜7月3日の搬送者数は、前年同期の3.8倍に当たる4463人だった。中でも東京都心が真夏日となった6月29日は1154人が搬送され、6人が死亡した。
6月27日〜7月3日の都道府県別搬送者数は、愛知の512人がトップで東京398人、埼玉331人、千葉283人、神奈川280人の順で、最少は青森の8人。年齢別では65歳以上の高齢者が52%に達した。搬送時点の症状は、重症3%、中等症37%、軽症58%などだった。(7月6日、共同通信社)


NEWS ■喫煙で前立腺がん死増加■


喫煙者は非喫煙者に比べて、前立腺がんで死亡する危険性が61%高いとの研究結果を、米ハーバード大などのチームが米医師会誌に発表した。10年以上の禁煙で、危険性は非喫煙者と同程度に下がるという。
チームは、1986〜2006年に前立腺がんと診断された約5400人を追跡、死因と喫煙との関係を分析した。その結果、診断時にたばこを吸っていた人は、吸ったことのない人に比べ、前立腺がんによる死亡のリスクと、治療後の再発リスクが、ともに61%高かった。
喫煙によって、より悪性のがんが発生したか、免疫が低下したことなどが考えられるという。(7月5日、共同通信社)


NEWS ■5月の自殺者19.7%増■


政府の「自殺対策タスクフォース」が4日午前、内閣府で開かれた。5月の自殺者数が前年同月比で19.7%増の3329人になったと報告され、菅直人首相は「自殺問題は大きな社会的課題だ。政治的に多少の変化があったからといって、取り組みを緩めていい問題ではない」と強調した。
内閣府は増加の理由に関し、5月中旬に有名女性タレントの自殺が報道されたことが影響した可能性を指摘した。
東日本大震災の影響に関しては、被災県でも増減双方あるとし今後詳しく調べると説明。被災した各自治体に対する聞き取り調査では「今後、自殺者数が跳ね上がる可能性がある」などと危機感が示されたという。(7月4日、共同通信社)


NEWS ■タバコを吸わない女性にとって肥満は大敵■


BMJ(British Medical Journal)に発表された28年コホート研究。一度もタバコを吸ったことのない女性の早逝には肥満が大きな寄与因子である、特に低所得相では。1972-1976年に45-64歳だったスコットランドの女性1万5000人を死亡するまで追跡した研究のうち、喫煙経験のない3613人のデータを解析した。28年の追跡期間中約半分の女性が死亡し、心循環器系疾患が51%、がんが27%だった。職業レベルが低いと心循環器系疾患での死亡が増えるががんは関係ない。職業レベルが低い集団は、死亡率の高い重度肥満と肥満が多い。研究全体の喫煙者と比べると、タバコを吸ったことのない女性では過体重や肥満が多い。社会的地位にかかわらず、タバコを吸わず肥満でもない女性の死亡率は低い。(28-Jun-2011)

http://www.eurekalert.org/pub_releases/2011-06/bmj-oia062711.php


NEWS ■子どもの寝不足、脳に影響■


愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所(同県春日井市)は21日、乳幼児期の不規則な睡眠が原因で脳内の脳由来神経栄養因子(BDNF)というタンパク質の分泌リズムが崩れ、脳の発達に支障が出ることをラットの実験で証明したと発表した。仙波りつ子共同研究員は「ヒトでも乳幼児期に早寝早起きの規則正しい生活をしないと、脳に障害を起こす危険性がある」と指摘している。
実験では、ヒトの乳幼児期にあたる生後6日のラットを9日間、眠っている時にかごを揺らすなどして睡眠不足にした場合、大脳皮質内のBDNFの分泌リズムが乱れることが判明。
BDNFは、脳の神経細胞同士をつなげ、脳の発達を促進するタンパク質シナプトフィジンを形成する。睡眠環境の悪いラットではシナプトフィジンの量が減少しており、BDNFの量が一定しないと形成が阻害されることが分かった。
また、自閉症の人にみられる遺伝子の異常を人工的に再現したマウス(ラットより小型)でも同様の現象を確認。自閉症は脳の発達障害の一種のため、自閉症の子どもの睡眠バランスを薬物で改善することなどで、症状を緩和できる可能性もあるという。(6月22日、共同通信社)※5月28日付の米専門誌「ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー」に掲載


NEWS ■頚性頭痛に対するマニピュレーションの効果■


頚部痛を起因とする頭痛、cervicogenic headache(頚性頭痛)に対する9つのトライアルのうち6つで他の治療より疼痛軽減したというもので、3つの報告ではspiral manipulationは、運動、マッサージ、薬品、無治療といった代替治療に比べ優越性認めない。spinal manipulationが頭痛治療に優越性があるという報告が多い一方、頭痛治療に有効であるというエビデンスは十分でないと著者らの結論がでた。
sham 治療を対照とした報告では優越性が示せず、spinal manipulationの合併症に関わる懸念を報告している。1996 RAND研究では、卒中を含む重大合併症率が2万回に3件という報告で、他では700例以上の無報告が認められており、より危険性が危惧されている。(The Journal of Head and Face Pain: 7 JUN 2011)


NEWS ■アミノ酸の一つ「グリシン」が眠りを促進?■


この夏、冷房を控えた夜、寝苦しさにうんざりという人も多いはず。暑さに負けないためにも快眠対策を心がけたい。
体に不可欠な栄養素とされるアミノ酸の一つ「グリシン」に、眠りと関係のある働きがあることをご存じだろうか。アミノ酸技術を得意とする味の素が、この働きを世界で初めて明らかにした。
グリシンは筋肉や皮膚を作っているタンパク質を構成する栄養成分。20〜57歳の男女を対象にグリシン摂取後の変化を調べたところ、末梢血管の血流が増えて体の熱の放散を促し、眠りの質を左右する「深部体温」(体の中心部の体温=直腸温)が、摂取しない場合に比べて0.4度ほど下がることを確認した。

深部体温を下げると、寝付きが良くなって翌日の昼間の眠気も軽くなるとされる。一般に運動をしたり風呂に入るとよく寝られるというのも、いったん上昇した深部体温が反動で急激に下がるため。忙しい人にとって乱れがちな眠りのリズムを整えることも期待できそうだ。
味の素では、グリシンを主成分とする栄養補助食品「グリナ」を平成17年に商品化。同社ダイレクトマーケティング部の森島千佳部長は「もともと別のアミノ酸の働きを調べていた研究員が比較用のプラセボにグリシンを使ったところ、グリシンを飲んだときだけに日中のだるさが減ったなどの反応がみられた。このため、約2年半かけて各種データの入念な収集・分析などに取り組んだ」という。


◆◆ 刊行のご案内 ◆◆
◎『アクティベータ・メソッド第2版』
<体裁と価格> B5、並製、580頁、定価:13,860円


■次号のメールマガジンは8月5日ごろです。お楽しみに。【編集人:北島憲二】


[発行]産学社エンタプライズ