エンタプライズ発信〜メールマガジン【№101】 2019. 9

夏の強い日差しを多く浴びて眼精疲労を起こしている人もいると思いますが、現代はそれ以上に身近に潜む眼の障害があります。『スマホ老眼』です。老眼は年配者だけに起こるものではありません。老若を問わないというスマホ老眼の主な原因は、小さな画面の中の小さな文字や画像を長時間見つめることで、毛様体筋が凝り固まった状態になり、日常生活の遠近のピントが合わなくなってくるためです。このピント調節機能の低下を「VDT〜visual display terminals〜症候群」と言います。またスマホ自体が強い光を放っているので眼に負担をかけていることも原因の一つです。スマホはついつい顔に近づけて見てしまうので、画面の照明を明るくしすぎない、長時間は見続けないなどの工夫が必要です。スマホ老眼は若者のみならず、30-40代の中年層でも、通常は10年先に起こるようなシビアな老眼の症状が現れる人が増えているそうです。それを年齢のせいだと思っていたら、実はスマホ老眼であったり、加齢による老眼と併発して過度に症状が進んでいたということもあると聞きます。スマホ操作にかかわらず、パソコンを使ったデスクワークが多い人は10分に1回は3-4メートル先の遠方を見た方が眼の癒しになると専門医は言います。また予防にはほうれん草やブルーベリーなど、ルテインやアントシアニンなど眼に良い成分を含んだ食品を摂取するなど、バランスの良い食生活が大切だと指摘しています。余談ですが、開封して1カ月以上経った目薬は、菌が繁殖しているので使用しない方が良いそうです。安い目薬でもいいので頻繁に買い替えましょうと伝聞で知らされました。

★☆★━━━━━━━━━━■ CONTENTS ■━━━━━━━━━━━★☆★

【1】老いない人の健康術 〜免疫と水素〜
【2】エネルギー医学の将来〜点と点からの発展性
【3】“こころ” と “からだ”……臨床にモノ思う
【4】円熟したプロフェッショナルになるための
  バウンダリー・マネジメント・スキル
【5】『ひとりあんま気功』 〜自分で押すのが一番効く
【6】根拠に基づく腰痛の原因と治療 《腰痛治療の新常識》
【7】N・E・W・S

Information 1

直立歯科医学研究大会の案内 9/28-29 (最終報)

咬合バランスとヒト直立バランスの因果関係に着目し、上部頭蓋や下顎骨などの動きを歯科とヒト構造を統合し病理および検査・治療法を啓発しつづける日本直立歯科医学研究会の年次学術大会が東京で開催される。概要は以下のとおり。

  • 日時:9月28日(土)13:00〜17:40 ・29日(日) 9:30〜15:00
  • 会場:東京工業大学 大岡山キャンパス
    (東京都目黒区大岡山2丁目12-1)
  • 主催:日本直立歯科医学研究会
  • テーマ:バランスよくまっすぐ立つために下顎平衡機能の理解を深めていくこと、それが未来の歯科医療への扉
  • 詳細は、http://douken.kenkyuukai.jp/about/

BOOK review

  • 安達和俊DC著

スポーツ外傷および障害に対する非観血療法のアプローチが詳細に記された大作。関節にはカイロプラクティックテクニックで、筋腱にはオステオパシーテクニックで予防・整復を行うのが大きな特徴。また物理療法についても概説、テーピングの変遷および手法、そして小児の骨端線骨折と骨端症へのアプローチにも触れてある。著者30年超の臨床の集大成となる1冊。

  • A4、400頁超、図・写真720点余
  • 定価:27,000円+税
  • 発行:科学新聞社 03-3434-3741
★★★★★★ 連載対談 ★★★★★★

老いない人の健康術 〜免疫と水素〜

* 安保 徹(元新潟大学名誉教授)
* 太田成男(日本医科大学教授)

免疫も「己を知る」ことから

[安保] たしかに高度化した機能のみしか見えなくなるのは問題だと思います。なぜそのような機能が生まれたのかを理解していないと、それこそ壊れた機械の部品を交換するぐらいの発想しか生まれてこないでしょう。
白血球の世界では大元となるマクロファージが今でも残っているし、リンパ球に目を移してみても、NK細胞や胸腺外分化T細胞などの古いリンパ球は、数を減らしても決してなくならずに残っています。これらの細胞がなぜ残っているかを考えることが大切で、一つひとつの臓器や細胞の存在には深い意味が隠されているのです。
[太田] 古いリンパ球で言えば、先ほど話に出た「古い免疫」系ですね。若いころは活動的だから外来抗原に対する備えが必要で、顆粒球とリンパ球による防御を強化することが合理的であるのに対し、歳をとってからはある程度免疫がつき、外来抗原よりも内部の異物に対する防御が大切になってくるから自己免疫が大事になってくるというお話でしたね。これはよくできた仕組みですよね。
[安保] もともと免疫は、自己同士を確認することから始まっているんです。異物を認識することが始まりではなくて、まず自己同士を認識しあい、そこに異物が侵入してきたら違和感を持つことで攻撃します。だからウイルスに感染した自己細胞やがん細胞を攻撃することも可能なわけです。
[太田] 免疫も「己を知ること」から始まっているわけですね。生物の進化過程で外来抗原を意識しはじめるのは、わりと後になってからですものね。

白血球の数値はどう読むか

[安保] 白血球というとちょっと専門的な響きがあるせいか、一般の人にとってはとっつきにくい世界かもしれませんね。
[太田] たしかにそうでしょうね。血液検査で白血球の数値を教えてもらったとしても、基準値の幅も広いから。その数値が何を示しているか理解しにくいでしょう。極端に低かったり高かったりする場合を除けば、それをきちんと説明できる医師も少ないのではないでしょうか。
[安保] 白血球数は1マイクロリットルあたり3500-9500が正常数値で、個人差が非常に大きい。この差は何なのかと言うと、活動量の個人差ということです。白血球の数は1日に使用するエネルギー量に比例しています。小柄であまり動かない人ならば、エネルギー消費量は少なくて済みます。活動が少なければ細菌感染などの機会は減るから、体を守る白血球は少なくても大丈夫、という生体反応でしょうね。逆に活動的で毎日10時間以上バリバリ働く人は、感染症にかかっていなくても白血球数が正常値を超えてしまうものです。


連載vol.59

エネルギー医学の将来 〜点と点からの発展性

<小社編集部編>

創発的現象

人間の最も優れた機能でありながらいまだによくわかっていないのが、論理的に説明しにくい創発的な現象である。その代表が意識である。意識を神経生理学的に説明すると、複雑に絡みあった神経細胞のネットワークがもたらす現象と言えるだろう。一方、細胞生理学ではニューロンやほかの細胞の中にびっしりと詰まった微小管などの細胞骨格に、種々のパターンで蛋白質が沈着することによって意識が生じると考えられている。また、神経化学的解釈では神経伝達物質や神経ホルモンのパターンが意識をもたらし、量子物理学や量子心理学的に解釈すると、空間と物質と波によって意識のような創発的現象が生じるのである。

これらの解釈は、いずれも意識の性質と仕組みの一面をたしかに捉えているのだが、意識の全体像を示すものではない。意識という現象は、幾重にも重なるサブシステム(異なる性質をもった複数の要素)から「創発的に」出現するシステムの相乗効果などによって生まれると理解するのが妥当だろう。
例えば、1個の分子中に含まれるすべての原子の動態を波動方程式によって完全に表現することができたとしても、「場合の数は無数にあるためその中から求めるものを選び出すのは到底無理だろう」とH.フローリッヒは指摘している。

意識などの創発的現象を論理的に分析しているのは、論理を支配している神経学的意識である。しかしそれよりもはるかに高度な、別の種類の意識があると仮定してみよう。高度というのは、私たちが認知できるよりはるかに多くの情報を取り込み、保存・処理できるという意味である。一般的な意味での「知る」は、神経生理学的に「知る」ことを意味している。ここで仮定した別の種類の意識についての知識や考察も、神経生理学的意識によってもたらされているため、私たちには知り得ない部分が残っているのだ。しかし2種類の意識はどこかでつながっているはずである。そのつながりは今に始まったものではなく、私たちがようやくつながりに気づいただけのことなのだろう。

一つの仮説ではあるが、病気も障害も治療も、生体マトリックスという複雑な集合体の相転移であると見なすことができるだろう。ある疾患に対してかなりの確率で効果を発揮する治療法があっても、1つの手法であらゆる疾患を治癒することは無理である。またきわめて治療がむずかしい疾患もある。意識は、本質が明らかになっていない創発的現象だが、「病気」や「障害」と呼ばれる状態に何らかの影響を及ぼしていることは確実だ。つまり複数の創発的現象が共存すると、別の創発的現象が生まれるということである。
(出典『エネルギー療法と潜在能力』小社刊)


連載エッセイ 68☆

“こころ” と “からだ” …… 臨床にモノ思う。

・保井志之(ファミリーカイロプラクティック院長、DC)


関節痛の施術の本質は何か?(後編)

関節痛を軽減するための施術法はたくさんあります。各種理学療法、鍼灸、カイロプラクティックなど様々な療法がありますが、本質的には何をしているのでしょうか? 関節を調節する、循環を良くする、筋肉をほぐす、気の流れを良くするなど様々な目的で痛みのある関節に施術を施すかもしれません。もしかすると、施術目的など考えずにハウツウ的に施術を行なっているかもしれません。

例えば「関節のズレを治すために矯正する」という目的をもっている治療者がいる場合、構造的な関節のズレは治せるのですか? もしも、機能的に関節のズレが生じているのであれば、何がそのズレを引き起こしているのでしょうか? と私は質問するかもしれません。
もしも「筋肉の緊張や機能異常から生じています」という答えが返ってきたり、筋肉をほぐす目的で施術をしている治療者がいる場合、「筋肉の機能異常はどこから生じているのでしょうか」と私は質問をするかもしれません。
もしも「筋肉の機能異常は神経系の機能異常から生じています」という答えが返ってきたら、その神経系の機能異常はどこから生じていますか? とさらに質問するでしょう。多くの治療者はここから先の答えを持ち合わせていないか、分かっていてもそのための直接的な施術法には及ばないかもしれません。

私は長年の臨床を通じて、筋肉の機能異常は単に神経系の機能異常だけでなく、東洋医学で言われている経絡のエネルギーブロック、さらには神経系や経絡などに関係する生体エネルギーブロックを繰り返し継続させる脳の誤作動記憶(プログラム化)だと確信しています。生体エネルギーブロックや記憶は電気信号のように目には見えない「エネルギー情報伝達」のブロックです。私たちはそのような目には見えない、電気信号のようなエネルギー情報伝達のブロックを調整して症状の改善を促しているのです。

また、その「エネルギー情報伝達」の信号は、生体の働きだけでなく、心の動きも含まれます。意識的にも無意識的にも心が動けば脳や神経系や経絡に電気信号、すなわち「エネルギー情報伝達」が生じます。最近ではストレスが腰痛や関節痛などを生じさせるということは、テレビ番組や雑誌などでも取り上げられています。明らかなストレスが症状に関連することもありますが、多くの場合、症状に関係するような心の問題の多くは無意識的で、ふだん認識していない心の動きであり、その記憶です。

私は身体に影響を及ぼすような記憶を「誤作動記憶」と呼んでいます。生体エネルギーブロックを消去することで多くの関節痛は改善されますが、慢性的に症状がぶり返す場合は、脳の誤作動記憶の調整が必要です。脳の誤作動記憶の調整に伴って慢性症状も改善されます。対症療法的な施術で改善されない場合は、さらに原因を追求することが必要だと私は常々考えています。そのことが施術の本質を追求することにつながり、ひいては患者さんへの貢献につながると信じています。

連載…8

円熟したプロフェッショナルになるための
バウンダリー・マネジメント・スキル

Nina McIntosh /廣瀬寛治・訳

性的バウンダリー:クライアントを守る

私たちの多くは崇高な理由のもとに、この職業を選んだと思います。ですからほとんどの人は、クライアントにより楽な思いをさせたいと思っています。またある人は、この職業を、心を癒し精神を高めることができる神聖なものと自認しています。しかし良い意図をもってセッションに臨んでいるにもかかわらず、私たちは生身の身体に対して間近でワークしているため、性的な問題や混乱などを避けることができません。

時にクライアントは施術者に性的な魅力を感じてしまいます。そしてまた他の職業と同じように、施術者もクライアントに対して性的な魅力を感じることがあるのです。これは双方に混乱を生じさせます。私たちは通常、自分の家族や恋人に向けるような優しさと思いやりの気持ちをもって人々にタッチします。もしプロとしてのバウンダリーが明確であるならば、それはクライアントにとって素晴らしい癒しとなります。もしそうでない場合は、クライアントを傷つけたり、もしくは彼らに不幸をもたらすかもしれないのです。
官能的な喜びが得られるというのも正直、この仕事から得られるものの一つですが、その裏には誘惑や搾取が起きるという危険性も潜んでいるのです。私たちはどのようにすればセッションをクライアントにとって安全なものにし、また性的なバウンダリーについてほんのわずかでも違反や誤解を犯さないで済むようにできるのでしょうか。

まずはじめに、この問題について他の人たちとも正直に話せるようになる必要があります。もし十分な意見交換ができないならば、お互いに学ぶものがありません。私はかつてクライアントや施術者から聞かされる話の複雑さやモラルに非常に驚かされました。良心的で十分なトレーニングを受けている自覚ある施術者であれば、危険な予兆に気づいて手段を講じていれば避けることができたと思われるケースが、いまや複雑かつ壊滅的な状況に陥っているという話を聞きました。
・男性のマッサージセラピストは、セッションが終わるときに女性クライアントの額にキスをしてしまいました。それはごく当たり前の挨拶のように思われましたが、いやらしくて攻撃的なものとして見られることがあります。
・女性の施術者は、クライアントの性器の近くをワークしたことでセクシャルハラスメントとして訴えられました。
・クライアントと性的な関係をもったボディワーカーは、あとになってようやくその関係がクライアントにとってどんな有害なものかわかりました。

これらの状況において、クライアントと施術者の感情が深く関わってきます。たとえクライアントを侵害したという訴えが無実になったとしても、施術者の悩みはずっと続くでしょう。そしてクライアントと施術者の間に力の不均衡があるため、意図的である/ないにかかわらず、性的なバウンダリーが破られたとき、クライアントに大きなダメージを及ぼします。(つづく)
(出所:『エデュケーティド・ハート』The Educated Heart Professional Boundaries for the Massage Therapists,Bodyworkers,and Movement Teachers. 2nd ed. 2006)

◆連載22◆

『ひとりあんま気功』〜自分で押すのが一番効く

孫 維良(東京中医学研究所所長)

「自信を取り戻すひとりあんま気功」

・頭の働きを活発にする
40歳を過ぎると気になりだすことの一つが記憶力の低下です。昔好きだった俳優や歌手の名前がなかなか思い出せないとか、新しい外来語を覚えるのに苦労したなどなど。ひょっとして認知症の前兆かと思ったりして不安がる人もいます。またパソコンの操作にてこずったり、仕事のアイデアが思い浮かばなかったり、記憶力だけでなく、全体に知力が衰えたように感じて自信をなくす人もいます。
そこで、頭の働きを良くする簡単なあんま気功法を紹介しましょう。この方法は脳の血流を良くし、大脳の酸素供給量を増やして、脳の働きを活発化します。特に記憶力の促進に効果が大きい手法です。

まず楽な姿勢で椅子に座り、体の力を抜いて全身をリラックスさせます。
①首の後ろの髪の生え際に、左右に2か所、風池(ふうち)と呼ばれるツボがあります。このツボに両手の中指の先を当て、はじめは軽く、徐々に力を入れて押します。ツボの周辺に鈍い痛み、またはだるい感覚を覚えたら、今度は「の」の字を書くように押し揉み、最後に首の後ろ側を1分間ほどゆっくりと揉みます。
②頬杖をつくように、肘を曲げて机の上につけ、親指を除く4本の指で軽く拳をつくり、左右の親指を眉毛の内側の端にある攅竹(さんちく)というツボに当て、徐々に力を入れて押します。目の周辺に鈍い痛みか、だるい感覚が生じても30秒くらい押し続けます。ツボの上方に向かって押してください。
③次に左右の親指で、ゆっくりとこめかみを押し揉みます。約30秒押し揉んでください。
④両手の中指の先を、頭のてっぺんにある百会(ひゃくえ)というツボの両脇に当て、約30秒押します。
⑤両手指を熊手のように曲げ、髪の生え際から下に向かって押していきます。眉毛の上まで押したら、手を横にずらして、額をまんべんなく押し、それを3-4回繰り返します。
⑥洗顔するような要領で、両手の平で顔を軽く上下にこすります。10-15回続けてください。力を込める必要はありません。
⑦最後に、側頭部を数回軽くこすります。耳も一緒にこすって構いません。
……以上ざっと5-6分間で終了です。オフィスの机の前でも簡単にできますので、ぜひ試してください。なお、ツボを押すときは指先に軽く意識を集中しましょう。


根拠に基づく腰痛の原因と治療 – 腰痛治療の新常識(75)

長谷川淳史(TMSジャパン代表)
***** ***** ***** ***** ***** ***** ***** *****

腰痛に関する正確な情報には想像を絶するほどの治癒力があります。どうか情報の拡散にお力をお貸しください。

■ 荷役作業従事者の腰痛予防をテーマにしたRCT(ランダム化比較試験)とコホート研究を分析した体系的レビューによると、重量物の持ち上げ方に関するアドバイスやサポートベルトに腰痛予防効果はなく腰痛による活動障害も欠勤も減少しないと結論。http://1.usa.gov/sDGpce
……腰痛を予防する正しい物の持ち上げ方もサポートベルトもないことが第一級のエビデンスが証明しています。ただし梃子の原理を利用した楽な持ち上げ方はあります。腰のことは気にせず楽な持ち上げ方をしてください。

■ 腰痛予防に関する体系的レビューの結果、柔軟体操、ウイリアム体操、マッケンジー法などの運動療法には筋力・持久力・柔軟性向上以上の利点があり、動作や活動に対する自信、損傷に対する恐怖心、疼痛の捉え方を変化させる可能性あり。http://1.usa.gov/vi52lt
……実に見事な考察です。運動を認知行動療法のひとつと考えればすべて辻褄が合います。

■ 椎間板変性疾患というレッテルは科学的根拠のある診断名ではない。椎間板に異常があってもほとんどの患者は手術をしなくても回復するため、手術は優先順位の低い選択肢と考えて、保存療法で症状が改善しないごく一部の患者に限定すべき。http://1.usa.gov/sJxrHg
……腰椎の手術は腰痛診療ガイドラインの勧告に従った保存療法を2年間行なっても改善しないか、耐え難い下肢痛が持続している患者に限定すべきです。

■ 一般住民3,529名を対象にマルチスライスCTで腰部の椎間関節症(OA)と腰痛との関連を調査した結果、椎間関節症の検出率は年齢とともに上昇したものの、いずれの椎間レベルにおいても腰痛との間に関連は見出せなかった。http://1.usa.gov/ucUd13
……変形性脊椎症や椎間関節症候群というレッテルはただの幻想です。幻想を相手に闘いを挑んでも勝ち目はありません。というより無意味な闘いです。

■ 慢性筋骨格系疼痛・うつ病・不安障害の間には強い関連がある。精神疾患の併存は過去3ヶ月の活動障害日数と関連し、疼痛のみでは18.1日、疼痛+不安障害は32.2日、疼痛+うつ病は38.0日、疼痛+うつ病+不安障害は42.6日であった。http://1.usa.gov/vndBSW
……これが慢性疼痛の正体です。痛みの治療だけでは完治しない理由がここにあります。東日本大震災後に疼痛疾患が増える恐れがあるというのも理解できると思います。

■ 慢性筋骨格系疼痛にうつ病と不安障害が併存する患者は疼痛の重症度が最も高い。一部の医師は疼痛の治療によってうつ病や不安障害も改善すると信じているが、もし医師が疼痛の治療だけに集中すれば誤診と過少治療に繋がる可能性がある。http://1.usa.gov/vndBSW
……筋骨格系疾患を生物心理社会的疼痛症候群として治療しなければ、東日本大震災後に増加する恐れのある患者を救うことが難しくなります。医療関係者は1日も早く従来の考え方を改める必要があります。

 N  E  W  S

NEWS ■ 65歳以上、最多3588万人=全体の28%、世界最高

敬老の日に合わせ総務省は9月15日、65歳以上の推計人口を発表した。同日時点で前年比32万人増の3588万人と過去最多となり、総人口に占める割合も28.4%で最高を更新した。この割合は世界201の国・地域で最も高い。超高齢社会を見据え、医療、介護、年金といった社会保障制度改革や労働力不足などの課題に早急に取り組む必要性が改めて浮き彫りになった。
65歳以上の人口のうち、男性は15万人増の1560万人、女性は17万人増の2028万人。国立社会保障・人口問題研究所によると、総人口に占める割合は2025年に30.0%に達し、第2次ベビーブーム世代(1971〜74年生まれ)が65歳以上となる40年には35.3%まで高まる見通しだ。
70歳以上の人口は過去最多となる2715万人。47〜49年生まれの団塊の世代が70歳を迎えていることが背景にある。また、18年の65歳以上の就業者数は前年から55万人増えて最多の862万人。内訳は男性が512万人、女性が350万人で、15年連続で増加した。就業者総数に占める高齢者の割合も12.9%と過去最高を更新した。
(9/15 時事通信)

NEWS ■ 運転中止で要介護リスク倍……外出減、健康に悪影響か

車の運転をやめて自由に移動する手段を失った高齢者は、運転を続けている人と比べ、要介護状態になるリスクが2.2倍になるとの研究結果を、筑波大学の市川政雄教授(社会医学)らのチームが9月5日までに日本疫学会誌に発表した。運転をやめたが公共交通機関や自転車を使って外出している人は、リスクが1.7倍だった。
高齢者の事故が問題になり、免許返納を勧めるなど運転をやめるよう促す機運が高まっている。だが市川教授は「運転をやめると閉じこもりがちになり、健康に悪いのではないか。事故の危険だけを考えるのではなく、バス路線を維持・充実させるなど、活動的な生活を送る支援も必要だ」と話す。
チームは2006〜07年、愛知県内の健康な65歳以上の人に外出の手段を尋ね、車と答えた約2800人を追跡開始。2010年までに車を使わなくなったグループと使い続けたグループで、その後6年間にどれだけの人が要介護認定を受けたかを比べた。
海外の研究でも、高齢者が運転をやめると、うつ状態になるリスクが約2倍になるなど心身の健康を損ない、社会参加も減るといった悪影響があることが示されているという。
(9/7 共同通信)

NEWS ■ 「健康寿命」理想は81歳……現実と大きなギャップ

元気に長生きしたいけれど、現実とは大きなギャップ…。明治安田生命保険が9月5日発表した健康に関するアンケートによると、介護を受けたり、寝たきりになったりせずに生活できる「健康寿命」の理想は平均81.50歳だった。2016年の実際の健康寿命は世界保健機関(WHO)によると74.81歳にとどまり、理想の方が6.69歳も高かった。明治安田の担当者は「仕事や家事に追われ、健康を意識した運動や睡眠の時間がうまく確保できていないジレンマがある」と指摘している。
健康寿命の理想は男性が81.90歳、女性が81.10歳。厚生労働省によると、16年の実際の健康寿命は男性が72.14歳、女性が74.79歳で、理想と現実の開きがより大きいのは男性だった。3人のうち2人が運動やスポーツを日常的に行っていないと回答。理想の睡眠時間は平均7時間半だが、現実は6時間20分程度だった。運動や睡眠が足りない理由は「忙しい」が上位に入った。調査は7月上旬〜中旬に全国20〜79歳の既婚男女を対象にインターネットで実施し、5640人が答えた。
(9/6 共同通信)

NEWS ■ 不眠症とがんリスク〜メタ解析結果

近年、最も一般的な睡眠障害の1つである不眠症と、がんとの関連について新たな研究が発表されているが、それらの結果は一貫していない。社会の発展や生活スピードの加速により、不眠症を経験する人は増加している。中国・Anhui Medical UniversityのTingting Shi氏らは、不眠症とがんとの関連を明らかにするため、メタ解析を実施した。Journal of Sleep Research誌オンライン版の報告。
関連文献は、7つのデータベースおよび補足検索により収集した。厳密なスクリーニング後、対象者57万8809例と、がんイベント7451件を含む8つのコホート研究(プロスペクティブ研究:7件、レトロスペクティブ研究:1件)が抽出され、分析に組み込まれた。主な結果は以下のとおり。
・不眠症患者は、非不眠症者と比較し、全体的ながんリスクが24%増加していた。
・感度分析では、安定した相関関係が認められた。
・サブグループ解析では、女性を対象とした研究においてがん発症リスクが有意に高かったが(HR:1.24、95%CI:1.01〜1.53)、男性では認められなかった(HR:1.28、95%CI:0.90〜1.80)。
・特定のがん種については、甲状腺がんのみで、プールされたHRが有意に高く(HR:1.36、95%CI:1.12〜1.65)、他のがん種では認められなかった(p>0.05)。著者らは「本調査の結果により不眠症はがん発症の早期警告として機能する可能性と、早期発見と早期介入の機会を提供する可能性が示唆された。限定的な研究数と潜在的なバイアスのため本調査結果は慎重に扱う必要があり、さらなる追加研究が必要性である」としている。
(9/5 TMS-net)

NEWS ■ 歩くのが遅い人は運動障害を起こしやすい!?

歩行速度が遅いことは、将来の運動障害の予兆である可能性がある、という米国ピッツバーグ大学からの研究報告。屋外で数ブロックをゆったりと歩くことは、活気ある健康的な生活に重要な役割を持っている。身体活動の一環として、あるいは独立した生活を営む上で、買い物、医者に行く、社交生活に参加するために必要なことである。だが、歩く速度があまりにも遅くなった場合には、それは将来の可動性の問題を予兆させるものとなる。
研究チームは、健康的な加齢と身体組成(Health ABC)研究の参加者で1997年から1998年に参加したピッツバーグとメンフィス在住の黒人と白人337名(参加時70-79歳)のデータを解析した。参加者は開始時に種々の条件下で歩行速度を測定されていた。
平均8年間の追跡期間中に204名(60.5%)の参加者に運動障害が起こり4分の1マイルを歩くことができなくなっていたという。歩行速度が全ての条件でより速かった者は、運動障害の起こるリスクが低かった。研究チームは、通常の歩行速度と種々の条件下での歩行速度が遅いことは、その後8年間で運動障害を起こすリスクが高いことに関連する、と結論付けた。
(9/1 TMS-net)

NEWS ■ アスリートの「筋肉の硬さ」と「競技パフォーマンス」に関連性

順天堂大学は、アスリートの「筋肉の硬さ」と「競技パフォーマンス」の関連性を明らかにしたと発表した研究成果はアメリカスポーツ医学会雑誌「Medicine & Science in Sports & Exercise」オンライン版で公開されている。
スポーツの現場では、従来よりアスリートの筋肉に関して「軟らかくて良い筋肉」などと表現することがある。「筋肉の硬さ・軟らかさ」というと、一般的には「触った時に感じる硬さ(=へこみにくさ)」が想起されるが、スポーツの場面で必要とされる筋肉の「硬さ・軟らかさ」は、触った時に感じる硬さではなく、「伸び縮みしやすさ」としての「軟らかさ」を指す。しかし、実際にアスリートが高いパフォーマンスを発揮するうえで、バネとなる筋肉が、軟らかく伸び縮みしやすい方が良いのか、硬く伸び縮みしにくい方が良いのかについては、これまでわかっていなかった。
そこで研究グループは、筋肉のバネを用いる動きとして走運動に着目し、陸上短距離走選手や長距離走選手の筋肉の硬さ(伸び縮みしにくさ)・軟らかさ(伸び縮みしやすさ)と、競技パフォーマンスとの関係について調査した。
今回の研究では、走運動の接地時に伸び縮みし、また短距離選手22名と長距離選手22名で速筋線維(白筋)と遅筋線維(赤筋)の割合(筋線維組成)が大きく異なることがわかっている外側広筋に着目し計測した結果、長距離走選手の筋肉は短距離走選手の筋肉よりも硬いことがわかった。
そこで、短距離走選手において、筋肉の硬さと100m走のタイムとの関連を検証したところ、硬く伸び縮みしにくい筋肉を持つ選手の方がパフォーマンスが高い(タイムが良い)ことが判明。一方、長距離走選手においては、軟らかく伸び縮みしやすい筋肉を持つ選手の方がパフォーマンスが高いことがわかった。これにより、アスリートが高いパフォーマンスを発揮する上で、筋肉が軟らかく伸び縮みしやすい方が適しているのか、硬く伸び縮みしにくい方が適しているのかは、競技種目特性によって異なることが明らかになった。
(8/29 TMS-net=部分)

NEWS ■ 中高年の早期死亡リスクに座位時間が影響

若年死亡のリスクは、強度を問わず身体活動度が高いほど低く、また座位時間が短いほど低いことが、Norwegian School of Sport SciencesのUlf Ekelund氏らによるシステマティック・ レビューとメタ解析で明らかにされた。いずれも、中高年成人では、非線形の用量反応の関連パターンが認められたという。BMJ誌8月号掲載の報告。
研究グループは複数のデータベースを基に、2018年7月までに発表された試験について、システマティック・レビューとメタ解析を行った。対象は、身体活動度や座位時間について加速度測定法で評価し、全死因死亡率との関連を評価した前向きコホート試験で、ハザード比やオッズ比、相対リスクを95%信頼区間(CI)とともに求めたものとした。解析はランダム効果メタ解析により試験に特異的な結果を要約した。
全文レビューとなった39試験のうち、包含基準を満たしたのは10試験だった。被験者総数は3万6383例、平均年齢62.6歳、女性は72.8%だった。追跡期間の中央値は5.8年(範囲:3.0〜14.5)で、死亡は2149例(5.9%)だった。
身体活動はその強度にかかわらず死亡率の低下に関連しており、非線形用量反応が認められた。死亡に関するハザード比は、身体活動度の最も低い第1四分位群(参照群、1.00)に比べ、第2四分位群0.48(95%CI:0.43〜0.54)、第3四分位群0.34(0.26〜0.45)、身体活動度が最も高い第4四分位群は0.27(0.23〜0.32)だった。
同様に軽強度身体活動では、第1四分位群に比べ、第2四分位群0.60(95%CI:0.54〜0.68)、第3四分位群0.44(0.38〜0.51)、第4四分位群0.38(0.28〜0.51)だった。中強度〜高強度身体活動では、それぞれ0.64(0.55〜0.74)、0.55(0.40〜0.74)、0.52(0.43〜0.61)だった。
座位時間と死亡に関するハザード比についてみると、第1四分位群(参照群、1.00)に比べ、第2四分位群1.28(95%CI:1.09〜1.51)、第3四分位群1.71(1.36〜2.15)、第4四分位群2.63(1.94〜3.56)だった。
(8/29 TMS-net)


■次号のメールマガジンは10月15日ごろの発行です。
(編集人:北島憲二)


[発行]産学社エンタプライズ