エンタプライズ発信〜メールマガジン【№99】 2019. 7

本格的な夏の訪れです。高温多湿の日本の夏は、他人の匂いもそうですが自分が発する匂いも気になる時節。本コラム№50に書いた内容は「体臭」でした。今回は「髪・頭皮の匂い」についてです。頭上の存在ゆえ体臭ほどは気づきにくい匂いだと思いますが、頭皮も大量に汗をかく箇所。では実際にどんなケアを講じればいいのか。衛生品メーカーによると、重要なことを先に記すと「洗髪後にしっかりとドライヤーで頭皮を乾かす習慣を身につける」ことです。たとえ短髪の男性であっても自然乾燥は頭皮臭を発生させる最も大きな原因になります。次に正しい洗髪のコツです。編集子には意外だったのですが、温かいシャワーによる「予備洗い」を2分程度行うこと。頭皮と髪の汚れは、予備洗いで6割以上が落ちるそうです。そうするとシャンプーがより泡立ち、整髪料などの汚れも1回の洗髪でもきれいに落ちるとか。シャンプーは手のひらで泡立てて、髪ではなく頭皮を軽く指立ててマッサージするように汚れを落とします(これはよくご存じでしょう)。リンスを用いる際は頭皮にはつけないほうがよろしいそうです。油分が多いリンスが残ると、頭皮臭の発生原因になります。そして最後のすすぎ、髪を指でよく掻き分けながら(これが大切)、頭皮に直接シャワーを当てて、ぬめりがなくなるまですすぎましょう。…実は編集子、実際に予備洗いをしてみました。2分は長く感じますが、使うシャンプーの量が2-3割少なくても通常の泡立ちが得られました。湯は使うがコスパは良ろし? 自分では気づきにくい頭皮臭。蒸し暑い夏も爽やかな髪で過ごしましょう!

★☆★━━━━━━━━━━■ CONTENTS ■━━━━━━━━━━━★☆★

【1】老いない人の健康術 〜免疫と水素〜
【2】エネルギー医学の将来〜点と点からの発展性
【3】“こころ” と “からだ”……臨床にモノ思う
【4】円熟したプロフェッショナルになるための
  バウンダリー・マネジメント・スキル
【5】『ひとりあんま気功』 〜自分で押すのが一番効く
【6】根拠に基づく腰痛の原因と治療 《腰痛治療の新常識》
【7】N・E・W・S

NEWS

構造医学特別セミナーが12年ぶりに開催される

1日限りのセミナーとしては12年ぶりとなる構造医学研究財団(主催)による吉田勧持先生の特別セミナーが、7月14日(日)東京・御茶ノ水にて開催された。テーマは医療者が患者と向き合う重病や死に対し臨床家として備えるべき死生観について。患者の病状の過程に接するとき、臨床家は良心・人道・正義という不易の智慧をどう捉え、自らの持つ技術をどう行使していくか。医の原点と死生観の要訣を、科学と宗教および量子論ほかの物理学を視座に構造医学の原理から平易に紐解く有益かつ示唆に富んだセミナーであった。8月18日(日)には名古屋市において「安全」をテーマに構造医学の先端医療を披露する。詳細は、https://kouzouigaku.jp/

NEWS

英国の大学にカイロプラクティック修士課程プログラム。英国で5番目

英国セントラルランカシャー大学(University of Central Lancashire)健康科学部にカイロプラクティック修士課程プログラムが開講します。英国では5番目のカイロプラクティック大学教育になります。健康科学部にはほかに理学療法学科、作業療法学科、スポーツセラピー学科、救急医療学科などが設置されています。またセントラルランカシャー大学には医学部も設置されており、英国では医師とカイロプラクターの共同体制による患者ケアも整備され、カイロプラクティックが医療従事者の一部として受け入れられています。
(JACニュース=日本カイロプラクターズ協会)
https://www.wfc.org/website/index.php

Information

英第15回 直立歯科医学研究大会開催の案内 9/28-29

咬合バランスとヒト直立バランスの因果関係に着目し、上部頭蓋や下顎骨などの動きを歯科とヒト構造を統合し病理および検査・治療法を啓発しつづける日本直立歯科医学研究会の年次学術大会が東京で開催される。概要は以下のとおり。

  • 日時:9月28日(土)13:00〜17:40 ・29日(日) 9:30〜15:00
  • 会場:東京工業大学 大岡山キャンパス
    (東京都目黒区大岡山2丁目12-1)
  • 主催:日本直立歯科医学研究会
  • テーマ:バランスよくまっすぐ立つために下顎平衡機能の理解を深めていくこと、それが未来の歯科医療への扉
  • 詳細は、http://douken.kenkyuukai.jp/about/
★★★★★★ 連載対談 ★★★★★★

老いない人の健康術 〜免疫と水素〜

* 安保 徹(元新潟大学名誉教授)
* 太田成男(日本医科大学教授)

水素水の選び方

[安保] 医療にも美容にも活用されるとなると、水素の取り入れ方もいろんな方法が考えられるね。
[太田]そうですね。水素ガス吸引や点滴、注射といった医療現場での利用から、水素水、水素風呂など日常的な摂取法までさまざまです。体内で水素を発生させるサプリメントなどもあります。
[安保] 日常的に水素を摂取する場合、どれくらいの濃度があればいいのですか。
[太田] 0.8ppm(0.8mg/l)以上というのが一つの目安でしょう。これくらいの濃度があると大抵の人はトイレが近くなります。
[安保] トイレが近くなると水素水としては合格だね(笑)。
[太田] もちろん個人差はあって、もっと微量で効果が出る人もいます。でも一般的には濃度は濃いほうが効果も出やすいでしょうね。
[安保] 0.8ppm程度だったら爆発の危険はまったくないしね(※)。水素を試してみたい人はこの数値を基準にするといいですね。
[太田] 水素水を選ぶときは、濃度と容器に注意したいですね。ペットボトルでは水素が抜けてしまうので、アルミ容器を選ぶことをお勧めします。
(※)水素ガスは空気中で4%以下であれば爆発の危険性はない。

副作用のない医薬品の開発も夢ではない

[安保] 水素研究を今後どんな方向へ進めていきたいですか。
[太田] やはり水素がtoo Goodであること、つまりなぜ水素の効果は良すぎるのか、の解明ですね。これを科学的に解明することです。そうすれば水素は薬品として認可され、医療現場での実用化につながります。
これまで水素の効果については、臨床試験の論文が20くらい発表されています。現在も20の試験が進行中で、実際の効果についての臨床結果は、もはや揺るぎないものになってきました。
[安保] がん、高血圧、パーキンソン病、心筋肥大、骨粗鬆症などと関連している遺伝子の発現が抑制される仕組みが解明されてきたわけだから、水素が医療に取り入れられればその応用範囲は広いでしょうね。
[太田] 実にさまざまな疾患への効果が期待できます。もう一つ、活性酸素により何らかの病態があるときだけ水素が作用することの解明は、副作用のない医薬品の開発につながります。
[安保] 体の悪いところだけに作用する薬が出てきそうだね。
[太田] まだまだ研究の余地が残っていますが、副作用のない医薬品の開発に新しい概念を示すことはできたと思います。水素がtoo Goodである根拠が少しずつ明らかになっています。努力の積み重ねによって水素が現代医療に革新的な変化をもたらすことができるのではないかと期待しています。
アメリカのFDA(食品医薬品局)で水素が認められたのは2014年11月とまだ最近のことなのでが、すでにアメリカで水素水が販売されています。世界中で水素水が飲まれる日も遠くないと思います。


連載vol.57

エネルギー医学の将来 〜点と点からの発展性

<小社編集部編>

液晶の生化学

生体マトリックスは「液晶」によく似ている。つまり液体と固体の中間的物質で両者の性質を併せ持っており、実際に結晶構造が存在する。あらゆる細胞の膜、筋肉を収縮させる分子、骨・腱・靭帯・軟骨の結合組織、知覚細胞の微小管の配列、そしてデオキシリボ核酸(DNA)はすべて結晶ということがわかっている。液晶というのは、規則正しい分子配列をもち、液体と固体の両方の性質を備えた物質を意味すると言える。この液晶に関する研究はセント・ジョージが目指していた研究と同じ路線上にある。

—-生物の特徴である柔軟性、優れた感受性、そして反応性は、組織の液晶に似た特性に由来する。この特性のおかげで生体組織は音を立てることもなく迅速に情報を交換しあい、1個の完全な個体としての機能を維持することができるのである。—-(ホー;1999)

イギリスのメイ・ワン・ホーらの研究グループは、結合組織の液晶的性質を証明するための画期的な手法を考案した。その手法とは、組織中の液晶性物質から放出されるコヒーレント波を測定するというもので、光の性質を応用したこの方法は、生物の体を傷つけることなく組織の特性を観察できる。ホーとナイトの報告によると、結合組織中のコラーゲン分子が鍼療法の経絡として機能するには、水の存在が非常に重要であるという。
1941年にセント・ジョージが考え出した仮説は、当時の常識をはるかに超えていたために学会からほとんど相手にされなかったが、21世紀に入るころからようやく教授の研究を引き継ぐ科学者たちが現れ始めたのである。

固相生化学における水の役割

生体マトリックスを物理学的に研究する分野は「固相生化学」と呼ばれるが、マトリックスそのものは固体とは言いがたい性質をもっている。生体マトリックスには多量の水が含まれており、マトリックスを構成する分子の安定性や力学的特性は、ほとんど水によって支配されていると言える。
セント・ジョージも組織に含まれる水の重要性を認識しており、生命をもたらしているのは水であると考えていた。本書で論じている新しい生命科学はセント・ジョージの見解を基本としているので、繰り返しての引用になるが、次の一節にも教授の考え方がよく現れている。

—-分子は互いに接することなく作用を及ぼしあうことができる。エネルギーは、(中略)電磁場の中を流れるのだ。(中略)生命の基質を作り出しているのは、水の周囲に生じる電磁場である。—-(セント・ジョージ;1957)
(出典『エネルギー療法と潜在能力』小社刊)


連載エッセイ 66☆

“こころ” と “からだ” …… 臨床にモノ思う。

・保井志之(ファミリーカイロプラクティック院長、DC)


吃音(どもり)の原因

吃音の施術で小学4年生(9歳)の女の子が来院。5歳の頃から症状が出始めたとのこと。日常生活では話しづらいことが多いという。当院に来院する2年前からリハビリテーション病院で言語療法を受け、喋り方の訓練をしているとのこと。症状の経過としては波があり、軽くなったり、ひどくなったりしているらしい。
通院して9回目の時から、本人は「もう、つまったりしていない…」というので、以前からあった乗り物酔いの施術を行った。お母さん曰く、「以前は他人から見ても明らかに吃音があることが分かったが、今ではそれが分からなくなっている」とのこと。しかしながら、時折つまっていることがあるらしい。以前は、治療院で話を聞いていると明らかに吃音の症状が現れたが、それはたしかになくなっている。でも、どこかの場面で誤作動記憶のスイッチが入るのだろう。次回からはお母さんの記憶を頼りに検査を進めていく予定である。

「吃音の原因は何か」という問いに対してネットで検索すると、その分野に関係する専門家らしき人たちがそれぞれに見解を述べている。西洋医学的な考えに基づいて原因論を捉えている人が多いようだが、シンプルに分けると、身体の構造面、身体の機能面、そして心理面に分けられる。我々のような治療院に来院する吃音の症状を抱えている患者さんのほとんどは、構造的な問題ではないことが多い。

多くの治療者は、心理的な要因が関係しているだろうということは察していても、どのように治していいのか分からないので、発声法などの機能的な改善に目を向けて喋り方などの指導をする。それは原因療法ではなく対症療法なので、なかなか本質的な改善は望めないと思う。では、本質的な原因は何か。原因メカニズムは「身体の機能と心との関係性」による誤作動記憶であると私は確信している。基本的にはゴルフや他のスポーツ競技で知られているイップスと同様のメカニズムで生じると考えているので、同じようにアプローチすると結果が伴う。
イップスは、「身体の働き」と「無意識」との関係性で生じる誤作動なので、その誤作動記憶をピンポイントで検査をして調整することが必要になる。症状を抱えている期間が長いほど、誤作動記憶が複雑で複数関係していることが多いが、継続的に調整していけば消去法のように少なくなっていき、それに伴って症状も改善していく。

イップスを改善する際に「フォームの矯正」や「前向きな心の持ち方」など小手先のテクニックを指導する治療家もいるようだが、そのような表面的な対症療法でほんとうに効果があるのか疑わしい。治療対象となる相手は「身体機能」と「無意識」の「関係性」である。よって、吃音や発声障害の治し方もイップスやジストニアと同様のアプローチで進めていけば改善される、と私は信じて治療させていただいている。

連載…6

円熟したプロフェッショナルになるための
バウンダリー・マネジメント・スキル

Nina McIntosh /廣瀬寛治・訳

社交的ニーズと個人的ニーズ(つづき)

友達をつくりたい!
施術者の中には、クライアントが友達であるという人もいます。私たちはクライアントと親しい間柄にあるかもしれませんが、彼らは本当に友達みたいなものでしょうか。私たちに会いに来て、すぐに服を脱いでから身体の痛みや疼きについて話しだす友達なんているでしょうか?
クライアントと友達は違います。もし友達がクライアントであるならセッション中はクライアントであってもらうべきです。友達であれば悪ふざけや痛いジョークも我慢してくれるでしょうし、また許してもくれるでしょう。友達はセッション料金を払わないのですから。
もし誰か友達がクライアントになった場合、私たちはセッション中またはセッション外でのセラピューティック・ロール(治癒的役割)を理解する必要があります。もちろん相応の対価も必要です。私生活とプロのバウンダリーを曖昧にすればするほど、私たちはプロとして、またヒーリング・リレーションシップを台無しにするような言動を行う可能性が高まるのです。

《女性のボディワーカーは、男性クライアントへのワークの機会を、自分の離婚と独身であることに関する苦悩を悲嘆する場所/時間にしていました。これはクライアントにとって驚きでした。彼女は自分とロマンティックな関係になりたがっているのかと。しかし彼が彼女をデートに誘ったとき、彼女はその誘いを断りました。彼はひどく傷つき、拒絶感を味わい、彼女からセッションを受けるのをやめてしまいました。》

このクライアントは、本来治癒的関係であるべき関係において、逆に傷つき、裏切られたように感じました。私たちが自分のことしか考えずに話を聞いてもらったり、世話をしてもらうように言っている場合は、クライアントを騙していることになるのです。(つづく)
(出所:『エデュケーティド・ハート』The Educated Heart Professional Boundaries for the Massage Therapists,Bodyworkers,and Movement Teachers. 2nd ed. 2006)

◆連載20◆

『ひとりあんま気功』〜自分で押すのが一番効く

孫 維良(東京中医学研究所所長)

「自信を取り戻すひとりあんま気功」

・眠気を吹き飛ばす
残業が多く、仕事上の付き合いも欠かせないのがビジネスマンの宿命です。寝不足が続いた後は、仕事中につい睡魔に襲われることもしばしば。でもそうやすやすと睡魔に身をゆだねるわけにはいきません。
そんなときに役立つのが、眠気を吹き飛ばし、頭をすっきりさせるあんま気功です。オフィスの机の前でも、電車の中でもできますから眠くてどうしようもないときに活用してください。

①まず楽な姿勢で椅子に座り、体の力を抜いて全身をリラックスさせます。これまでのあんま気功と同じですね。次に軽く親指に意識を集中させながら、もう一方の手の平のほぼ中央にある労宮(ろうきゅう)というツボを押します。最初は軽く押し、徐々に力を入れて押しましょう。
押している最中は、呼吸は鼻でします。鼻からゆっくり吸い鼻からゆっくり吐きます。そして息を吐くときに指を引きます。これを10-15回繰り返します。
②両手の平を両方の耳に当て、周囲の音が聞こえないくらいにぴったりと耳をふさぎます(労宮がちょうど耳の穴の上にくるようにしてください)。つづいて人差し指を中指に載せて、強く弾きます。そうすると人差し指が後頭部を叩くので、耳の中でバチっという音が響くはずです。人差し指で叩いたら素早く耳から手を離すようにしましょう。これを60-70回繰り返してください。
最後に手をこすり合わせて、手が温かくなったら、その手で洗顔をするようなしぐさで顔をこすってください。以上でだいぶ眠気が覚めるはずです。


根拠に基づく腰痛の原因と治療 – 腰痛治療の新常識(73)

長谷川淳史(TMSジャパン代表)
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腰痛に関する正確な情報には想像を絶するほどの治癒力があります。どうか情報の拡散にお力をお貸しください。

■腰痛患者659名をX線撮影群と非撮影群に割り付けて1年間追跡したRCT(ランダム化比較試験)の結果、両群間の身体機能・疼痛・活動障害の改善率に差は認められなかった。ガイドラインは腰痛患者の腰部X線撮影を避けるよう勧告している。http://1.usa.gov/rrG6so
……福島原発事故による放射線被曝に怯えている日本です。今こそルーチンなレントゲン撮影をやめるチャンスかもしれません。

■腰下肢痛患者246名を対象にMRI所見と保存療法の治療成績について2年間追跡した結果、椎間板ヘルニアは腰痛患者の57%、下肢痛患者の65%に検出されたものの、治療成績とヘルニアのタイプ、大きさ、活動障害は無関係だった。http://1.usa.gov/tZmk9p
……画像検査で認められる椎間板ヘルニアのタイプやその大きさは、症状や治療成績とは無関係だという証拠です。

■米国ではCTやMRIによる画像検査は5年間で43%増加し、PETスキャンに至っては4年間で3倍に増加。民間の大手保険会社はこうした医療費の高騰を抑えるために放射線ベネフィットマネージャーを使って医療調査を開始した。http://on.wsj.com/uhkJdN
……アメリカではすでに危機意識を持って取り組んでいます。日本もそろそろ医療放射線の問題に着手するべきではないでしょうか。不必要な放射線被曝は避けた方がいいと思います。

■医療行為の中で必要のない画像検査が行なわれているのは事実。CTによる放射線被曝だけでも米国で発症するがんの2%の原因になっている。リスクとベネフィットを考えると不適切なCTやX線撮影を制限することで生命を救える可能性がある。http://bit.ly/hyDov1
……全がん患者の2%がCTに起因すると大騒ぎしていますけど、日本のCT保有台数は世界一でアメリカの7倍に達しています。

■日本の原爆被爆者データベースから先進15ヶ国の画像検査による放射線被曝量と発がんリスクを推計した結果、検査回数も発がんリスクも日本が世界一であることが判明。全がん患者の4.4%(約1万人)が画像検査に起因している可能性あり。http://1.usa.gov/blSDtG
……世界中が驚愕した有名な論文なのに、なぜか日本ではほとんど報道されませんでした。

■1回の全身CTによる放射線被曝量は、広島・長崎の爆心地から3.2キロの地点で被爆した生存者とほぼ同じで、がんによる死亡リスクが増加するのは明らか。CTの保有台数は日本が世界一でアメリカの7倍、イギリスの16倍にも達している。http://bit.ly/hyDov1
……健康診断やがんドック、医療ツーリズムと称して全身CTが盛んに行なわれているようですけど、放射線被曝のことは考えなくていいのでしょうか。こうしたリスクを伴う画像検査は、ここぞという時のために取っておきたいものです。

 N  E  W  S

NEWS■ 喫煙、糖尿病、骨粗鬆症で「歯の喪失」リスク増

日本人の高齢者では、喫煙習慣と糖尿病、骨粗鬆症が歯を喪失するリスク因子である可能性があると、敦賀市立看護大学の中堀伸枝氏と富山大学教授の関根道和氏らの研究グループが「BMC Public Health」オンライン版に発表した。
歯周病などの口腔衛生と食生活や喫煙などの生活習慣は、高齢者が歯を喪失するリスクを高めることが報告されている。しかし、日本人の高齢者を対象に、社会経済的因子と残存歯の関連を調べた研究は限られていた。そこで、関根氏らは今回、2014年に実施された「富山県認知症高齢者実態調査」のデータを用い、残存歯の有無と教育歴や生活習慣病などとの関連を調べた。
同調査は、同県在住の65歳以上の高齢者1537人を無作為に抽出し、同意が得られた1303人(回答率84.8%)を対象としたもの。今回の研究では、歯を完全に喪失した275人と残存歯がある898人(対照群)の計1173人を対象に分析した。
年齢や性などで調整して解析した結果、喫煙習慣がある人や糖尿病、骨粗鬆症がある人では歯の喪失リスクが高いことが分かった(調整オッズ比はそれぞれ4.05、1.72、1.88)。関根氏らによれば、喫煙習慣や糖尿病があると口腔内の免疫力が低下し、歯周病などの原因になることや、骨粗鬆症になると骨の強度が低下して歯の喪失につながりやすいといった理由が考えられるという。
高齢者の歯の喪失と社会経済的因子との関連について、関根氏らは「歯磨きの回数や虫歯の本数に影響するとの報告があり、口腔衛生習慣の差が影響した可能性がある。歯の喪失は栄養不良の原因となり、高齢者のフレイル(虚弱)やQOLの低下につながりやすい。そのため健康に老いるためには、小児期から高齢期にかけて生涯にわたる総合的な対策が重要になる」と述べている。
(7/19 HealthDayNews)

NEWS■ ポケモンGOによってもたらされた医学的利益とは…

2016年夏、スマートフォン向けの位置情報を利用した拡張現実ゲーム『Pokemon GO(ポケモンGO)」』がリリースされました。ニュースにもなったのでご存じの方も多いと思いますが、そりゃあもうめっちゃ歩くアプリなので、健康的なメリットもあるんじゃないの? と注目を集めました。
紹介するのは、東京大学からの論文です。過去のいくつかの研究では、ゲームのリリース前後の客観的に測定した歩数を比較している報告もありますが、ほとんどが短期間の研究で、なおかつ若者だけを対象にしています。本研究のターゲットは中高年です。
横浜市から無料の歩数計をプレゼントされた市民に、ランダムに送付されたアンケートの回答を用いた研究です。非常にシンプルな試験デザインで、ポケモンGOの発売前後で、中高年のプレイヤーと非プレイヤーの歩数に差があるかどうかを検証したものです(2016.6〜2017.3)。40歳以上の合計46人のプレイヤーと184人の非プレイヤーが、性別、年齢層、身体活動レベルでマッチングされ、比較されました。
プレイヤーと非プレイヤーの平均年齢はそれぞれ56.5±9.9歳、57.3±9.6歳で、リリース前の平均歩数はそれぞれ7641.8±2754.5歩と7903.3±2674.7歩でした。5000歩くらいかと思ったんですけど、ふだんけっこう頑張って皆さん歩いておられるんですね。
さて、リリースしてからですが、夏場はさすがに暑くて皆さん歩けなかったのかもしれませんが、冬の時期にはプレイヤーのほうがたくさん歩いていることがわかりました。ただ、有意なのは11月、12月、2月の3ヵ月(+300歩〜500歩)で、それ以外は何とも言えない結果でした。
ポケモンGOはインストールしてから最初の1週間で、1日約1000歩増える効果があったことが「トップジャーナル」で報告されています。ただ、その効果は一時的で、インストール2週目から漸減し、6週目にはインストール前まで戻ってしまうと考えられてきました。
ポケモンGOを続けることで、中高年にとってトータルの歩数が増える効果があるのならば、類似のアプリをどんどんリリースし続けてほしいと思います。…そういえば、ポケモンGOってまだ皆さんやっているんですか?
(7/19 CareNet:Dr. 倉原の”おどろき”医学論文=一部改変)
(Hino K, et al.:Step Counts of Middle-Aged and Elderly Adults for 10 Months Before and After the Release of Pokemon GO in Yokohama, Japan.J Med Internet Res. 2019;21:e10724.)

NEWS■ 「夏かぜ」ヘルパンギーナ、患者増 …三重県が最多

「夏かぜ」の代表的な疾患で、高熱や口腔内の水疱などを伴うヘルパンギーナの7月1日から7日までの週の患者報告数が37都道府県で前週よりも増えたことが16日、国立感染症研究所がまとめた患者報告で分かった。患者が増加傾向の自治体では、外出後の手洗いなどの感染防止策を行うことに加え、症状が現れた場合、早めに医療機関を受診するよう呼び掛けている。
同研究所によると、この週の患者報告数(定点医療機関約3000カ所)は、前週比約47%増の1医療機関当たり2.12人となった。都道府県別では、三重が4.45人で最も多く、以下は、山口(4.2人)、熊本(4.16人)、福井(3.87人)、香川(3.71人)、石川(3.52人)、福岡(3.23人)、愛媛(3.08人)、富山(3.03人)、茨城(2.96人)、和歌山(2.8人)、東京と高知(ともに2.77人)などの順だった。
流行の拡大に伴い、警報基準値(6.0人)を上回る保健所管内が増えつつある。三重県では、四日市保健所管内(12.86人)で警報基準値の2倍超となっているほか、津保健所管内(6.13人)でも警報基準値を超えている。山口県でも、防府(8.0人)と宇部(6.13人)の両保健所管内で警報基準値を上回っており、同県は「今後の動向に注意が必要」としている。
ヘルパンギーナは、高熱や口腔内の水疱・発赤を主症状とするウイルス性疾患で、乳幼児が罹患するケースが多い。2-7日の潜伏期間後、38度以上の発熱や口腔内に水疱が現れる。2-4日で熱が下がり、7日程度で治癒する。熱や口腔内の痛みで食事や水分を十分に取れず、脱水になるほか、熱性けいれんや髄膜炎、心筋炎といった合併症を生じる可能性がある。患者のせきや、つばなどに含まれるウイルスによって感染する。
(7/16 CBnews)

NEWS■ 身体活動が活発な中高年者ほど、寿命は長い/BMJ

心血管疾患やがんの患者を含む中高年者では、過去の身体活動の程度や確定したリスク因子(食事、体重、血圧、コレステロール値など)の変化にかかわらず、身体活動が活発なほど死亡リスクが低く、実質的に寿命が長くなることが、英国・ケンブリッジ大学のAlexander Mok氏らによる、EPIC-Norfolk試験のデータを用いた研究で示された。研究の成果は、BMJ(British Medical Journal)誌6月26日号に掲載された。
研究グループは、全原因、心血管疾患およびがんによる死亡に及ぼすベースラインの身体活動とその長期的な変化の過程の関連を前向きに評価する目的で、住民ベースのコホート研究を行った。40〜79歳の1万4599例について、ベースライン(1993〜97年)から2004年までに3回の生活様式および他のリスク因子の評価を行った。次いで、これらの参加者の2016年までの死亡状況を調査した(身体活動の最終評価からのフォローアップ期間中央値12.5年)。
妥当性が検証された質問票を用いて、身体活動によるエネルギー消費量を評価した。就業時の身体活動(座位、立位、重い肉体労働などで3つに分類)と余暇時の身体活動(週に0時間、0.1〜3.5時間、3.6〜7時間、>7時間)から、PAEE(kJ/kg/日)を算出した。
参加者のベースラインの平均年齢は58.0歳(SD 8.8)、女性が56.6%で、17万1277人年のフォローアップ期間中に3148例(心血管疾患死950例、がん死1091例)が死亡した。ベースラインの身体活動と、身体活動の変化の過程の統合解析では、一貫して身体不活動の集団と比較して、身体活動が経時的に増加した集団は、全原因死亡のリスクが、ベースラインの身体活動が低い集団で24%(HR:0.76、95%CI:0.65〜0.88)、中等度の集団で38%(0.62、0.53〜0.72)、高い集団では42%(0.58、0.43〜0.78)、それぞれ有意に低下した。
住民集団レベルでは、少なくとも最小限の身体活動の推奨(中強度:150分/週)を達成し、これを維持することで、身体不活動に関連する死亡の46%が予防可能と推定された。
(7/9 CareNet)

NEWS■ 世界一「座りすぎ」日本…糖尿病、認知症リスク上昇

1日11時間以上座る人は4時間未満の人と比べ、死亡リスクが約40%アップする—。豪シドニー大学などが2012年に発表した調査結果は世界に衝撃を与えた。また、明治安田厚生事業団体力医学研究所の調査(平成30年)によると、1日9時間以上座っている成人は、7時間未満と比べて糖尿病をわずらう可能性が2.5倍高くなるとの結果が出た。なぜ「座る」という日常では当たり前の行動が健康へ悪影響を与え、死亡リスクを高めるのか。
座りすぎが健康に及ぼす影響について研究している同研究所の甲斐裕子主任研究員(人間環境学)は、「座りすぎのライフスタイルは筋肉の代謝や血流の悪化を招く」と指摘する。甲斐氏は「人間の体で一番大きい大腿四頭筋などの下半身の筋肉は、座っている状態だとほとんど稼働せず、筋肉への刺激が少ない」と説明、「この状態が続くとブドウ糖の吸収を促すインスリンの効きが悪くなる『インスリン抵抗性』が起こり、血糖値が上昇するため、糖尿病となるリスクがある」と話す。
その上で、こうした生活習慣が長期にわたれば、糖尿病だけではなく、肥満、がん、認知症などの健康リスクを引き起こし、寿命が縮まる可能性にも言及する。メンタルヘルスにも影響するといい、1日12時間以上座っている人は、6時間未満の人と比べて、抑鬱や心理的ストレスなどを抱える人が3倍近く多いという。
対策について、甲斐氏は「30分以上座っていると代謝が落ちてくるため、定期的に筋肉に刺激を与えることが重要。高さを変えて、立った状態でも仕事ができる昇降式デスクの導入などで座っている時間を短くすることが効果的だが、一定時間ごとに業務を中断し、椅子から立ち上がり、数分でも歩いたり体を動かしたりすることも有効」と話す。
企業の取り組みも進む。実験的に「座りすぎ中断プログラム」を導入したのが、企業の事務代行サービスを手がけるMYJ(東京都江東区)。1日に3回、3分間の「健活☆タイム」を設けている。席を立って自由に活動できるもので、健康器具の利用やストレッチなど、従業員にプログラムを提供することで、起立プラスアルファの運動を促している。先行部署での取り組みの結果、「肩こりが改善された」「眠気がとれた」といった好意的な社員の声が多数あり、今年2月から全社的に導入が開始された。
(6/28 産経新聞)

NEWS■ 難治性むち打ちで原因不明の症状…低周波の電気で改善

交通事故による外傷で多い難治性むち打ち症(頸椎捻挫)について、東京脳神経センターなどの研究チームは、首に低周波の電気刺激を与えてこりをほぐすと、吐き気や動悸などの原因不明の体調不良(不定愁訴)に改善がみられたとする研究結果を発表した。英医学誌の電子版に論文が掲載された。
2006年5月〜17年5月に同センターと松井病院(香川県観音寺市)を受診したむち打ち症患者の中で、薬物治療で治らなかった194人を調べた。平均46.1日の入院期間の間、首の筋肉の緊張やこりをほぐすために、1日2回低周波電気刺激療法と遠赤外線照射のみを行った。入退院時に、患者に不定愁訴の22の症状で当てはまるものを選んでもらい分析した。
入院時には不定愁訴の数が平均13.1あったのが、退院時には2.0に減少。患者のうち16.0%は不定愁訴がまったく無くなったという。同センターでは、「首の緊張やこりの緩和が間接的に不定愁訴を改善させることを示唆している」とし、難治性むち打ち症の治療法の開発につなげていきたいとしている。
(6/26 朝日新聞)

NEWS■ 医学生のスマホは院内感染の温床か

スマートフォンなどの携帯電話は、今や医療現場で欠かせないアイテムの一つとなっている。しかし、医療現場で使用される携帯電話は院内感染の原因となり得ることが、ウエスタン・サンパウロ大学(ブラジル)教授のLizziane Kretli Winkelstroter氏らが実施した研究で示された。同大学の医学生が使用する携帯電話から得たサンプルの40%で、院内感染の主な原因となる黄色ブドウ球菌が見つかったという。この研究の詳細は、米国微生物学会(ASM Microbe、米サンフランシスコ)で発表された。
Winkelstroter氏は、日常的に使用する備品や器具には細菌やウイルスなどの病原菌が付着している可能性があるとし、「肉眼で見えないからといって、軽視すべきではない」と話している。この問題を検証するため、同大学の医学生が使用する携帯電話から採取した100サンプルについて調べた。サンプルは、生物医学、薬学、歯学、栄養学、看護学それぞれの課程で学ぶ学生の携帯電話から20サンプルずつ集められた。これらの課程で学ぶ医学生は、感染症の原因となる細菌が付着した物やその表面に直接触る実臨床に近い授業や診療現場に参加していた。
その結果、100サンプルのうち40%で黄色ブドウ球菌が見つかった。また、分離した細菌のうち85%がペニシリン系の抗菌薬に耐性を示し、半数は物質の表面に付着する能力を有していることも分かった。さらに、分離した細菌の大部分は看護課程で学ぶ学生が使用する携帯電話に付着していたものだった。
Winkelstroter氏は「医療従事者が使用する携帯電話が、院内に病原菌を拡散する原因の一つであるとすれば憂慮すべきだ」と述べ、「それが薬剤耐性菌であれば治療は困難で、最悪な場合、患者を死に至らしめる可能性がある」と警鐘を鳴らしている。
この研究には関与していない米ジョンズ・ホプキンズヘルスシステムのLisa Maragakis氏は、米国でも同様に、医療従事者が使用する携帯電話が細菌やウイルスに汚染されていることに「疑う余地はない」と話す。「黄色ブドウ球菌は私たちの皮膚などに常在するありふれた菌だ。スマートフォンを普通に使っているだけでも、さまざまな病原菌に汚染されやすいことは明らかだ」と述べている。
(6/24 HealthDayNews)

NEWS■ 匂いを感じにくい嗅覚障害…認知症などの前兆の可能性も

近年、高齢化に伴い、匂いを感じる機能が低下する「嗅覚障害」の患者数が増加傾向にある。鼻の病気や風邪が直接の原因になる場合が多いが、認知症の前兆として表れることもあり、決して侮れない。
東京大学医学部付属病院耳鼻咽喉科の菊田周特任講師によると、嗅覚障害は人口の1〜3%に見られる。嗅覚は60歳ころから顕著に低下し、加齢とともに衰えていく。男性より女性に多く、風邪が原因となる嗅覚障害は中高年女性が大半を占める。また喫煙者の約2割が嗅覚障害とされ、糖尿病や肥満の人にも多いという。
菊田氏によると、加齢以外の原因で最も多いのが慢性副鼻腔炎。蓄膿症ともいわれ30〜40%を占める。次いで、風邪が20%前後、頭部外傷が10%程度で、これらで全体の6割以上になる。「患者数は少ないものの、パーキンソン病、アルツハイマー型認知症などの前兆として嗅覚障害が表れる場合もあります」と菊田氏。
治療には、ステロイド薬、抗生物質、漢方薬などが用いられるが、菊田氏は「これらの薬物治療にほとんど効果のない人も多数います。原因が慢性副鼻腔炎の場合は、鼻から内視鏡を挿入し、匂いの分子が嗅上皮に届くように手術(内視鏡的副鼻腔手術)を行うことで、嗅覚が元通りに回復する人もいます」と説明する。
さらに「海外の報告によると花や果実などの匂いをかいで嗅覚を刺激するトレーニングは、風邪による嗅覚障害を改善する可能性があるといわれています。日本ではまだ検討段階です」と話す。菊田氏らが研究を進めている糖尿病治療薬のインスリンを鼻に吹き付ける治療法(点鼻薬)は、動物実験で嗅覚機能を回復させるという結果が得られており、今後の臨床応用が期待されている。
(6/23 メディカルトリビューン)


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(編集人:北島憲二)


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