エンタプライズ発信〜メールマガジン【№109】 2020. 5
医療破綻の危機と言われながらもここまで持ちこたえてきたわが国の医療・保健ですが、国内経済はほとんどの産業・業界が売上不振に喘いでいます。私たち手技療法の世界もリハビリ、カイロプラクティック、整骨・整体および鍼灸など、濃密接触とも言える業態だけに手酷くお客の解離がみられます。同様に日本の漢方薬の売上が大きく落ち込んでいると聞きます。日本の漢方薬は品質への信頼度が高く、本家本元の中国を大きく引き離し、世界シェアは8割〜9割と言われています。その背景には、訪日中国人が処方箋なしで買える市販漢方薬を爆買いしていたことに大きな要因がありそうです。厚生労働省が毎年公表している薬事工業生産動態統計では、(2019年度分の発表は今年夏なので)2018年度の漢方製剤の生産金額をみると約1927億円です。過去5年間での伸び率は66%であり、医薬品全体がおおむね横ばいであるのに対し、漢方製剤は驚異的な伸び率を示していました。先の2月からのCOVID-19に係わる、訪日規制による中国人・韓国人の需要喪失の影響が生産金額に本格的に表れるのはこれからになりますが、目を覆う数字であることは想像に難くありません。中国では、感染初期に国営メディアが「漢方薬が抑制する作用がある」と報道したことで、国内の薬局で双黄連口服液(清熱解毒作用がある)が売り切れ、入手困難になるといったパニック現象が起きたそうです(現在では新型ウイルスを予防、治療できる薬はまだない」としています)。対症療法もさることながら、感染予防は中医学で言う「未病の治療」です。『黄帝内経』の説く「気を増す」、すなわち生体防御能を増すことが感染症に対する最大の要訣であり、次に密閉・密集・密接の三密を忌避し、手洗いを励行することで「感染源を避ける」ように人智を巡らすことを諭しているかと思います。
★☆★━━━━━━━━━━■ CONTENTS ■━━━━━━━━━━━━━━━━━★☆★
【1】老いない人の健康術 〜免疫と水素〜
【2】エネルギー医学の将来〜点と点からの発展性
【3】“こころ” と “からだ”……臨床にモノ思う
【4】円熟したプロフェッショナルになるための
バウンダリー・マネジメント・スキル
【5】根拠に基づく腰痛の原因と治療 《腰痛治療の新常識》
【6】N・E・W・S
Information
西洋医学による医療と代替医療の2つの両方を統合することにより、両者の特性を最大限に活かし、患者一人ひとりにとって最も適切な手法をとることを目指す統合治療。一般社団法人 日本統合医療学会(IMJ)では用語の厳密性を統一する目的で「統合医療用語集」を昨年12月に編纂し、学会HP内において一般公開している。その領域は、アロマセラピー、アーユルヴェーダ、カイロプラクティック、ホメオパシー、ハーブ、東洋医学、鍼灸、サプリメントなど。巻末には領域ごとに索引が列してあり用途は利便性に富む。同HPよりダウンロードし、ファイルしておくことをお勧めします。http://imj.or.jp/
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老いない人の健康術 〜免疫と水素〜老いない人の健康術 〜免疫と水素〜
* 安保 徹(元新潟大学名誉教授)
* 太田成男(日本医科大学教授)
【 総 括 編 】好奇心がミトコンドリアを増やす
〔太田〕 いま自分で心の余裕をもってゆっくりやることが大事と言いましたが、ゆっくりやることで活性酸素が生まれないことはいいんだけど、あまりゆっくりすぎると今度はミトコンドリアが増えにくいということになってしまいます。どうしましょうね…(笑い)
〔安保〕 なんだか禅問答みたいですね(笑い)。基本的には余裕をもってゆっくりがいいんだけど、頑張るときには頑張るメリハリも必要だということですね。私が長生きしたいのは、もっと研究を続けて人の役に立ちたいと思うからです。そのためには今でもけっこう無理しちゃっていることありますよ。やっぱりその辺の匙加減は自分にしかわからないし、自分の判断でやるしかないですね。
〔太田〕 安保先生の場合は、研究で人の役に立ちたいという気持ちがある。僕も研究者だから同じ気持ちですが、それは生きていくうえでのある種の欲望ですよね。この欲望が好奇心を育てて元気のもとになっている。脳の血流が多いとミトコンドリアは増えるし、元気になる。つまり楽しいことや目標があって元気だから、エネルギーが必要になってミトコンドリアが活性化するのだと思います。
〔安保〕 それ大事だなあ。さっき長寿の人はわがままという話が出ましたが、わがままな人は自分の欲求に素直なわけで、そういった気持ちが好奇心や生きがいを生むんでしょうね。といってもあんまりわがまますぎると周りに迷惑をかけるから、ほどほどじゃないといけないけど…(笑い)。
〔太田〕 そう考えると、ふだん、どんな気持ちで過ごしているかでずいぶん変わってきます。いつも何か楽しみがあって、ワクワクしているほうがエネルギーも必要となり、ミトコンドリアも増えて活性化するわけですから。
〔安保〕 急がず焦らず、だけどのんびりしすぎずに頑張るときにはほどほど頑張る、これが健康長寿の秘訣ですね。
〔太田〕 そうですね。そしてそれは自分の限界を知ること、まず己を知ることから始まるのでしょうね。
【対談終了。次号と次々号では結語として安保先生と太田先生の個人コメントを収載いたします。】
連載vol.67
エネルギー医学の将来 〜点と点からの発展性
<小社編集部編>
連続体の振動(つづき)
生体マトリックスには記憶やトラウマが刻み込まれる。トラウマは神経系にも影響を及ぼすが、影響を受けるのは神経系だけではない。意識というものの本質をエネルギー論的に解釈すると、トラウマやその記憶は、脳と体の協業的現象ということができる。生体マトリックスの性質を考えるときには、必ずトラウマからの解放を考慮しなければならない。
生命は、あらゆる組織の構造を維持している水分子の枠組みなしには成立しない。水と生体マトリックスの成分との特殊な関係に鑑みると、コラーゲン分子上の帯電部分の間隔は、水分子が枠を組み立てるのに最適な環境をつくり出しているのである。生体マトリックス全体が、水と緊密で適切な関係を築き上げているのだ。
コリンズは、水と生命の相互依存性をさらに追究するために、天然化合物の形状を水がどのように支配しているかを視覚的に示すコンピュータグラフィックソフトを開発した。たとえばホメオパシーでは、溶解した化合物の周囲に構築される水の枠組みが重要な意味を持つと考えられ、その作用について研究する場合にはコリンズのグラフィック法が貴重な手段となることだろう。
水素結合:
自然を理解して、自然と調和し、共生しながら私たちの内なる能力を開拓するには、生体組織の振動を研究解明する方法を知る必要がある。そこで私たちが踏まえておかなければならないのは、緻密な結晶構造や液晶構造の周囲には、やはり綿密で振動性のある水分子の構造が常に存在しているということである。この水分子は「水素結合」という非常に弱い力で系全体を支えている。個々の水素結合は弱くても、たくさんの結合が集まることによって、生体全体の構造を支持できるほどの強さが生まれるのだ。
この水分子がどのような機能を果たしているかについては後述するが、水分子がつくり出す独自の情報システムは、生体のほかのすべての情報伝達システムと深い連携を保ちながら、それらと同等の役割を果たしているのである。
励起する媒体
生体マトリックスは励起(もとのエネルギーの低い安定した状態からエネルギーの高い状態へと移ること)が可能な媒体である。つまり生体マトリックスの成分は、いつでもどこでも体内に入ってきたエネルギーを吸収し、シグナルとして伝えることができるのだ。このような媒体の中では、局所で起きた状態の変化がソリトン波として伝わる。励起可能な媒体を伝わる波は、海の波のような波とは異なる性質をもつ。最も大きな違いは、励起可能な媒体中では、浸食波などの刺激によって個々の成分が励起状態に達するので、媒体そのものがエネルギーの供給源となり、伝播するエネルギーが減衰しないことである。したがってその中を伝わる波は、途中で弱まることがない。分散も消失もしないのである。(つづく)
(出典『エネルギー療法と潜在能力』 )
連載エッセイ 75☆
“こころ” と “からだ” …… 臨床にモノ思う。
・保井志之(ファミリーカイロプラクティック院長、DC)
「無意識の脳の信号」と「健康」
「意識」と「無意識」を理解することは、心と身体の健康を維持するためにとても大切です。
私たちの脳は、意識的な脳と、無意識的な脳に分けられます。私たちの身体の働きは、脳の信号によってコントロールされ、その90%以上が「無意識の脳の信号」によるとされています。私たちは、ふだんの生活の中で「無意識の心」を意識することはほとんどないと思います。例えば、ある目的地まで歩く場合、その目的地のことは意識しますが、歩く際に「右足から踏み込んで…」とか、「次は左足を前にだして…」などのように身体の各部位をどのように動かすかなどは意識せずに無意識的に身体を動かして歩いています。
また胃腸や心臓などの内臓の動きは、無意識の脳に関係する自律神経系にコントロールされ、ほとんど意識ではコントロールできません。その自律神経系に誤作動が生じると、筋肉、内臓などの働きが悪くなり、体調不良が生じます。昔から「心身一如」という言葉があります。心と身体が一体となって調和していることの大切さを示した言葉です。ここで言う心身一如の「心」とは頭で考える意識ではなく、心の奥にある無意識のことを言っています。「頭ではなく身体で感じることが大切である」というように言われていますが、それはすなわち無意識の脳から発する心の信号のことを言っているのです。
「身体の働き」をコントロールしているのは脳ですが、私たちの健康の多くは「無意識の脳の信号」によってコントロールされていると言っても過言ではありません。「無意識の脳の信号」を理解することは大切ですし、健康への「カギ」になります。当院での「身体を使った検査」(生体反応検査法)は、「無意識」の脳の反応です。例えば、チャートを使った検査を行い、「警戒心」の反応が示された場合、ふだんほとんど意識していないことなので、そのようなキーワードが示された場合は、「???」となる傾向にあります。「無意識」の心の奥にある事柄なので、すぐにはピンとこないことが多いのですが、様々な角度から質問をさせていただくと、「もしかすると、〇〇に考えている自分がいるかもしれない」「いや、たしかにそのようなことを感じている自分がいる」などのように、自分の心の奥を内観し、意識と無意識をつなぎます。
そしてその無意識の心の内容が腑に落ちると、脳に新たな神経回路が構築され、症状も改善されやすくなります。症状に関係する誤作動記憶の反応は、明らかに意識できる“ストレス”よりも、何かモヤモヤした心の奥にある無意識的な内容がほとんどです。逆説的にいうと、「無意識の心の信号」が明確化されていないから誤作動が生じ、症状がパターン的に繰り返されると言ってもいいかもしれません。無意識の心の信号が意識化され、しっかりと認識できて意識と無意識が調和されると様々な症状が改善され、心のモヤモヤも晴れていく傾向があります。
氷山の一角である「無意識の脳の信号」を理解することは、心と身体を健康に保つためにとても大切です。原因不明の症状が生じたり、心の奥にモヤモヤ感が生じたりするときには「無意識の脳の信号」が関係しています。自分の心の奥を内観し探索してみてください。たとえそれが否定的な心であっても、それを認めて受け入れることが、症状を改善することのみならず、豊かな心を育むことにつながるようです。まずは、自分の「無意識の心」を理解することを意識してみましょう。
円熟したプロフェッショナルになるための
バウンダリー・マネジメント・スキル
コンサルテーションとスーパービジョン
多くの施術者がクライアントとうまくやっていけない方法を学ぶために、ほかの専門家からコンサルテーションを受けています。これは複雑な状況を乗り越えるという目的で1回きりで行われることもあるし、サポートや見識を求めて継続的なスーパービジョンという形で行われる場合があります。
コンサルテーションでは、もしかしたらそのコンサルタントは心理療法家かカウンセラーになるかもしれませんが、目的は仕事の問題について対処することです。あなたは自分の逆転移に気づくかもしれませんが、個人的な話題は心理療法のときほど綿密にやりとりするわけではありません。以下にコンサルタントがどのように助けてくれるかの例を挙げてみます。
—-ボディワーカーであるマリーは、いつも自分の人生について愚痴ばかり言っているクライアントのフレッドが、自分のところにワークを受けに来る日を恐れています。マリーがどんなに頑張って我慢しても、いつも彼の人生に対するネガティブな展望にイライラさせられてしまうのでした。—-
このケースの場合、例えばコンサルタントはマリーに対して、実はフレッドがいつも人生に対する絶望的な展望で彼女をがっかりさせていたのは、彼女自身の父親を思い起こさせていたのだということに気づかせさせたのです。単に彼女が、父親に対する感情を彼女のクライアントにどのように転移させていたかを意識させるだけでも、マリーがそのクライアントに対してもっと客観的な視点と思いやりをもってワークできるようになります。またマリーにとってもそういった見識を見につけることによって、たとえほかのクライアントが常に愚痴を言うようになったとしても、より肯定的に対応できるようになるのです。
類例として、ではクライアントが泣いたときになぜ不快な気持ちになるかを考えてみましょう。泣くことは一般的に気分を解放するうえで健全な方法であり、ときおり涙を見せたからと言って気にしなくてもいいし、クライアントを元気づけないといけないと思う必要はないことを新たに学びます。コンサルタントは、このようなネガティブな状況をどう見抜くかということを教えてくれるのです。(つづく)
(出所:『エデュケーティド・ハート』The EducatedHeart Professional Boundaries for the Massage Therapists,2nd ed. )
根拠に基づく腰痛の原因と治療 – 腰痛治療の新常識(83)
長谷川淳史(TMSジャパン代表)
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腰痛に関する正確な情報には想像を絶するほどの治癒力があります。どうか情報の拡散にお力をお貸しください。
■牽引は腰痛や神経根症状に対して効果はない。TENS(経皮的神経電気刺激:低周波治療器)が急性腰痛患者に有効だというエビデンスはない。http://amzn.to/Hk8veA
……牽引には効果がないというこれだけ強い勧告が出されているのですから、そろそろやめませんか? 国によっては訴えられるかもしれませんし、医療費も支払われないでしょ
うから治療者が自腹を切ることになります。無駄な治療に時間とお金をかけるのはいかがなものでしょう。
■限定的なエビデンスながら、インソールは軽度の腰痛患者において症状を緩和させる可能性はあるが、長期成績に関するエビデンスはない。2cm未満の下肢長差は腰痛における臨床的意義はない。http://amzn.to/Hk8veA
……人の身体は左右対称ではないので足の長さに違いがあっても問題になりません。腰痛の原因になるというエビデンス(科学的根拠)はないのです。
■硬膜外ブロック注射は侵襲的的であり、稀に重篤な合併症を引き起こす危険性がある。椎間関節ブロック注射は侵襲的的ではあるものの、重篤な合併症を引き起こす危険性はきわめて低い。http://amzn.to/Hk8veA
……硬膜外ブロックは合併症のリスクがあるにもかかわらず、有効性に関するエビデンスは乏しいということを覚えておきましょう。
■椎間関節ブック注射は慢性腰痛の疼痛にも活動障害にも有効でないというエビデンスがあり、注射薬剤の種類だけでなく注射部位も臨床転帰を改善させない。急性腰痛に対する椎間関節ブロック注射の有効性に関するエビデンスはない。http://amzn.to/Hk8veA
……そもそも椎間関節症候群というレッテル自体に明確なエビデンスがありません。病名が増えると患者も増えますから安易なラベリングは回避すべきです。
■椎間関節ブック注射は侵襲的的だが重篤な合併症は稀である。バイオフィードバックの急性腰痛に対する有効性に関するエビデンスはなく、慢性腰痛に対する有効性に関するエビデンスには矛盾がある。http://amzn.to/Hk8veA
……腰痛疾患にはイエローフラッグ(心理社会的因子)が関与している事実が判明しているにもかかわらず、不思議なことにバイオフィードバックの効果は現在でも確認されていません。
■経口ステロイドは急性腰痛に有効ではないという限られたエビデンスがある。経口ステロイドによる重篤な副作用は長期使用によって生じる危険性があるものの、短期使用によって副作用が生じる危険性はきわめて低い。http://amzn.to/Hk8veA
……リウマチなどの膠原病の治療に使われる最も強力な抗炎症剤であるステロイド(副腎皮質ホルモン)は急性腰痛(ぎっくり腰)に効かないというのです。すなわち、急性腰痛は炎症性疾患ではないということです。
N E W S
暑くなる季節に向けて、新型コロナウイルス対応の夏用マスクの需要が高まってきている。熱中症予防も念頭に「冷感」「ひんやり」などをPRした商品が続々と登場している。合成繊維織物大手「丸井織物」(石川県)は、感染拡大に伴いマスクの生産を開始。自社技術を生かした「ひんやり夏用マスク」を発売し、全国から注文が殺到している。特殊加工を施した糸で織ったポリエステル製のマスクで、接触冷感や通気性、速乾性も高く、何度も洗えるのが特徴だ。
4月中旬頃から売れ行きが伸び、当初予想していた約5倍に上る。同社担当者は「熱中症になりにくいマスクだが、温度が高くなると呼吸困難になりかねない。無理はしないでほしい」と話した。
ニット製造会社「ニットワイズ」(山形県)が3月に発売した「冷やしマスク」は、飲料用自動販売機で缶ジュースなどと一緒に布マスクを販売。自販機は2カ所に設置し、冷えたマスクでひとときの涼しさを味わうことができる。感染拡大の影響で仕事量が激減し、同社が町内の小規模の同業者らと共同でマスクを作成。1日計500個以上売れるという。今月中に夏向けの新商品を通販サイトなどで先行販売する予定。(5/12 産経新聞)
5月5日に総務省が日本における子供の数を発表し、日本全体で1512万人に減少したと発表しました。2020年4月1日までの統計調査で日本の子供の数は前年に比べ20万人少ない1512万人となり、1982年から39年連続の減少を記録。この数は過去最少で、15歳未満の子供が日本全体の人口に占める割合は12%まで低下していました。
子供の割合は1950年の35.4%がピークとなっており、そこから約3分の1まで減った形です。都道府県別だと沖縄県が16.9%と最も高く、次いで滋賀県が13.8%、佐賀県が13.5%となっています。子供の数では東京都だけが唯一の増加で、その他の46道府県はいずれも減少でした。
少子高齢化が全く止まらない現状が示されたと言え、このままだと日本は遠くない未来に子供の数が10%を下回るような超高齢化社会となるかもしれません。(5/9 情報速報ドットコム)
5月8日に財務省が国の借金を発表し、3月の時点で1114兆円に拡大していることが分かりました。それによると、国債と借入金、政府短期証券の残高を合計した金額は1114兆5400億円となり、去年の同じ月と比べて3兆7593億円の増加を記録したとのことです。国民1人辺りだと約901万円を国に貸している計算で、4月も新型コロナウイルス対策関連で大幅に債務残高が増えることになると予想されています。
いわゆる国の借金の大半は国民がお金を預けている銀行などから借りているもので、間接的に国民が提供しているものです。メディアは国民の借金として報道していますが、実際には真逆のお金だと言え、国民が国に貸しているお金となっています。(5/8 情報速報ドットコム)
典型的なゴロゴロ生活、ダラダラ生活も、そのやり方によっては、健康にも不健康にもなり得る。秋津医院院長の秋津壽男医師がこう指摘する。「健康的なだらけ方と悪影響なだらけ方があります。同じように見えても、体に大きな負担がかかるものと、そうでないものがあることを知っておきましょう」。
巣ごもり生活ではどうしても座った状態が多くなる。清水整形外科クリニックの清水伸一医師は、「ソファに座るか椅子に座るかの違いだけでも健康への影響はまるで違う」と指摘する。「堅めの素材の座椅子やリクライニングチェアのほうが、背骨をまっすぐに伸ばして重心を保った良い姿勢をキープできます。ソファは椅子に比べ柔らかい素材のものが多いため、長時間座っていると“猫背”の状態が長く続く。そうすると体の前方の筋肉が緩んで後方の筋肉が伸び、体の重心が後ろにずれることで、筋肉が柔軟性を失ったり、腰痛や肩凝り、慢性疲労につながるリスクが増えてしまいます」。座り続けないことも重要だという。「30分〜1時間に一度立ち上がることを心がけると、固まった体をリセットすることができます」(同)
また、寝転がって過ごす時間が増えた人も、その姿勢次第で、体への負担が変わる。「仰向けの姿勢で眠れば、首から腰にかけてのS字カーブに負担がかかりにくくなり、腰痛や肩こり、慢性疲労の予防になります。平均的な姿勢の人はうつ伏せで寝ると腰が反るので、S字カーブに負担がかかりやすくなる」(清水医師)(週刊ポスト5月8・15日号)
「あごを引いて胸を張る」だけでは、人には個性があるので万人に共通な修正は難しいと思います。それでも実は、姿勢を正す際に意識すべき、万人に共通する“体の一点”があるのです。それは「頭頂」です。
頭頂を知るのに簡単な方法があります。それは、遠くを見ることなのです。この時には少しあごが上がります。この状態だと、上下の歯は接触することはありません。2〜3mm隙間ができます。これが顎関節としての正常な位置です。顎関節の正常な位置は、頭部の正しい位置とも言えます。関節にとって楽な位置は、正しい姿勢の基準になるのです。ここを意識すると、あごや胸という部位を意識しなくても、勝手に体はいい姿勢になります。
胸を張るというと、みぞおちを「開く」というイメージが強いかと思います。そのために、多くの方は肩甲骨を背骨方向に寄せるでしょう。確かに胸は張りますが、背中も反ってしまうので、胸椎の自然な湾曲が減少してしまいます。これでは腰への負担が増加してしまいます。また、お腹も伸びてしまい、これも腰への負担を高めます。先ほどの頭頂を持ち上げた感覚にすると、胸は開かずに持ち上がります。「開く」と「持ち上がる」は大きな違いです。
持ち上がる時には、みぞおちが「引き上がる」イメージになります。重力に負けない動きです。そのさい肩甲骨は寄せず、胸の前に呼吸が入るような感じになります。また、同時にお腹が引き上がっていると、正しい引き上がりと判断できます。お腹は引き上がると薄くなり引き締まります。
頭頂を伸ばすと、自然と胸が持ち上がります。これによって肺は楽に広がりやすくなり、自然と胸式呼吸になります。胸式と腹式は循環しています。いい姿勢をとるときには交感神経が優位になり、胸式呼吸になります。リラックスすると副交感神経が優位になり、腹式呼吸になります。つまり、いい姿勢とは基本的には交感神経の影響があるのですね。だらだらした生活をしていると、いい姿勢にもならないということが分かります。そして生活に張りがあると、いい姿勢になるとも言えます。皆さんの生活はいかがでしょうか?(5/6 All About=一部改変)
「ただの突き指と思って放置していたが、数カ月たっても関節の腫れが治らない」。変形性指関節症は加齢とともに増え、40代以降に多い。パソコンのキーボードを強くたたくなど指先の酷使が要因の一つとなり、突き指などのケガの放置がきっかけになることもある。昭和大学医学部整形外科学講座の久保和俊講師は「日ごろの予防で発症させないことと、早めの治療で症状の悪化を抑えることが大切」と指摘する。
「指の関節は、握ったり開いたりする方向の力には比較的強いが、左右の横方向やひねりの力に弱い」(久保講師)。そうした力を軽減するため、痛みなどの症状がある場合は、テーピングで関節を固定する方法が有効になる。
「薄めのテープを症状のある関節の両側に貼り、その上から関節部分にテープを2周ほど巻く」(久保講師)。親指の付け根の関節は手の奥まったところにあってテーピングが難しいため、サポーターで固定する。また「もともと関節が硬い人は関節への負担が大きくなりやすいので、指関節のストレッチをするのも一手」と助言する。ハンドクリームなどで保湿しながら、マッサージするのも効果的だという。
そのほか、変形性指関節症は女性ホルモンが減る授乳期や更年期以降に症状を訴える人が多い。手外科専門医で四谷メディカルキューブの平瀬雄一医師は、「個人差があるものの女性ホルモンと似た働きをするエクオールという成分のサプリメントが発症や症状、進行を抑える例がある」と語る。
変形性指関節症の一般的な治療では、消炎鎮痛剤の貼り薬や塗り薬、飲み薬で痛みを抑える。それでも痛みがある場合にはステロイド剤を関節に注射する方法もある。ただし「症状が進行した人ほど注射の効きは悪く、痛みが再発する傾向がある」(久保講師)という。日常生活に支障があるような痛みや変形があれば、関節固定術などの手術も選択肢になる。(4/29 NIKKEIプラス1=一部改変)
厚生労働省は4月22日、骨折などで整骨院や接骨院の柔道整復師の施術を公的医療保険で受けた際に支払われる療養費について、6月から0.27%引き上げると決めた。患者が窓口で払う自己負担(原則1〜3割)の金額が施術内容によっては増える。療養費は、医療機関にサービスの対価として支払われる診療報酬に相当する。公的医療保険は骨折や脱臼、打撲、捻挫が対象。単なる肩こりや筋肉痛は全額自己負担となる。
6月からは、初回の施術時に日常生活での注意点を説明した場合の相談支援料が50円増の100円となる。他に脱臼と骨折の施術に関しては、初回にかかる整復料を100円引き上げて2600〜1万1800円にする。2回目以降に必要な後療料も30円増の720〜850円とする。
厚労省は、2020年度の診療報酬改定で医師の技術料を引き上げたことを踏まえ、療養費の上乗せを4月22日の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の専門委員会に提案し、了承された。(4/23 共同通信)
感染症の予防の基本である「うがい」。医師自身も取り組み、おすすめするうがいの方法とは、身近な緑茶でのうがいである。「濃いめの緑茶うがい」と「緑茶つまみ飲み」で20年風邪知らずという栗原クリニック東京・日本橋院長の栗原毅先生にその効果を教えてもらおう。
「当クリニックでは毎年、冬になると患者さんに“緑茶うがい”をすすめています。緑茶に含まれるカテキンに抗ウイルス・抗菌作用があるからです。インフルエンザの場合は、ウイルスが細胞に吸着する・細胞の中に入る・増殖することを阻害し、感染を予防します。また、免疫力を上げることでも人体を守ります。緑茶うがいは、新型コロナウイルスにも効果が期待できます」(栗原先生)
緑茶うがいのやり方は水でのうがいと同じだが、ガラガラしたあとに、そのまま飲み込んでしまってもよいという。「緑茶をそのまま飲むと、うがいでは届かなかった咽頭についたウイルスも流すことができます。ウイルスは胃に送り込まれ、胃酸で死滅します」(同)
うがいのあとにも、こまめに緑茶を飲んでおくと、より効果的とのこと。「緑茶でうがいの後少しずつ緑茶を飲んでいきましょう。緑茶によるウイルス洗浄に加え、のどを定期的に湿らせておくことで、ウイルスの増殖も阻止できます。緑茶を飲む量は、午前中、午後にそれぞれ500mLくらい、湯のみなら2〜3杯ずつが理想です。飲めるならもっと飲んでおくとよいでしょう。私も診察中、机の上などに緑茶を用意して、“つまみ飲み”を心がけています」(同)
緑茶を急須で煎じるのが面倒なら、市販のペットボトル茶でもよい。その際は、カテキンがたくさん入っている「濃いめ」のものを選ぶのがコツだという。(4/20 FASHION BOX=部分)
次号のメールマガジンは2020年6月15日ごろの発行です。
(編集人:北島憲二)
[発行]産学社エンタプライズ