エンタプライズ発信〜メールマガジン【№58】 2016. 2

頭痛やめまい、耳鳴りなど原因不明の愁訴に悩みをもつ患者さんは、脳脊髄液減少症(髄液漏れ)という病気も疑ったほうがいいかもしれません。とくに交通事故(むち打ち症)、酔っぱらって昏倒した、コンタクトスポーツで腰背部を強く打ちつけたといった既往がある場合などは傾注すべきです。患者は10万人や20万人は確実にいるだろうとみられています。スポーツを指向する子どもにも多いことを付け加えておきます。先日、この脳脊髄液減少症の治療法「ブラッド・パッチ」に健康保険が適用される見通しになりました。ブラッド・パッチは、患者さん自身の静脈血を硬膜外に注射する方法。注入された血液が穴をふさぎ、髄液の漏れを防ぎます。注入した血液は1週間ほどで溶けますが、血液の繊維部分が残り、それをベースに組織が再生され穴はふさがれるというものです。1回で終わる人もいれば、数年がかりで行われることもあるようです。多くの患者さんが、診療や治療を行っている医療機関を探すことに大変苦労していると言われています。欧米では一般的な治療法として確立されていますが、日本では診断が難しいこともあり、入院費用など一部のみに保険が使える先進医療として行われてきました。しかしこの4月からは保険適用となります。また、むち打ち後に生じることが多いので、交通傷害とも考えられるのですが、保険会社との絡みもあり今後の鑑別評価の動向が注目されます。

★☆★━━━━━━━■CONTENTS ■━━━━━━━━━━━★☆★

【1】エネルギー医学の将来〜期待される今後の研究
【2】“こころ” と “からだ”……臨床にモノ思う。
【3】伝統医学をシルクロードに求めて
【4】根拠に基づく腰痛の原因と治療 《腰痛治療の新常識》
【5】“連動操体法”について、ちょっとばかり…
【6】N・E・W・S

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◎連載vol.16

エネルギー医学の将来 〜期待される今後の研究

<小社編集部編>


内的コヒーレンスの生物物理学

心拍数の変動がなくなる心臓コヒーレンス現象は、細胞の核に含まれるDNAと関係があるという仮説が、G・ラインとR・マクラティによって報告されている。DNAの共鳴アンテナとしての役割はすでに詳しく研究されているが、その役割がこの仮説の根拠となっている。つまり全身に存在するDNAが、心臓の電気的リズムやDNA分子そのものの振動に込められた情報を発信し、受信しているというのである。
しかしラインとマクラティの仮説では、心臓のリズムがDNAとどのように相互に作用するのかという、詳しいメカニズムが説明されていない。DNA分子が共鳴を起こすことや、磁気パルスに反応することはよく知られている。またDNA分子には、密集して結晶構造を形成する性質があることも近年の研究によってわかってきた。結晶構造をもつ物質は、ラジオをはじめ正確なチューニングが要求される電子機器に広く使用されていることから、DNAの結晶構造が分子の共鳴に関係していることがわかる。

一方、心臓の拍動を生み出している心室は、二重螺旋状に巻いた一条の筋で形成されていることが発見された。したがってラインらの仮説における共鳴とは、心臓という大きな二重螺旋構造のゆっくりとした振動(1秒間に何回という単位)とDNAの超高速振動(1秒間に1億から10億回という単位)との共鳴であると推察される。

この分子レベルでの仮説は、生体マトリックスの概念から生まれた。マクラティらが報告した生体リズムのコヒーレンスは、圧電気に代表される生体マトリックスの半導体的性質によって生まれ、拡がると考えられている。圧電効果は可逆的で、力学的振動が電気を生み出す場合もあれば、電気が力学的振動をもたらす場合もある。このように圧電性のある物質に生じる電気力学的振動のことを「音響量子(フォノン)」と言う。
すなわち、交感神経系の活動や、心臓の拍動、呼吸、筋音などによって生じる音波、つまり力学的振動は、圧電効果によって音響量子をつくりだし、この音響量子が生体マトリックス全体に波及するのである。本章のはじめに述べた二元性をもつ器官の「周囲」組織は生体マトリックスを構成する要素であるから、音響量子は周囲組織を介して全身の隅々にまで伝えられる。またD・E・イングバールらが見い出したように、生体マトリックスにはテンセグリティー構造があるので、化学的振動も共鳴を起こす。こうして多種多様な振動が調和すれば、コヒーレントなソリトン波が生じることもあるだろう。(つづく)
(出典:『エネルギー医学の原理』 小社刊)


★連載エッセイ ㉖☆

“こころ” と “からだ” …… 臨床にモノ思う。

・保井志之(ファミリーカイロプラクティック院長、DC)


原因不明の胸部痛—-内分泌系の機能障害が絡んでいた

4日ほど前から思い当たる原因がなく胸部痛が強くなり、いくつかの病院を回り、最終的に大学病院でCTの検査をしたけれども異常が見つからなかった。とりあえず症状がある部位にステロイド注射を2日間打ってもらったが、症状が改善することはなく当院にいらした患者さんのケース。
大学病院の先生によると、尿酸値が高いので、痛風のような痛みが胸部にきたのではないか? でもその様な症例は見たことがないといわれたらしい。胸部痛以外にも、20日
ほど前から左膝関節と左肩関節の痛みがあったという。
来院時には呼吸も荒く、胸部痛のために寝返りにも時間がかかり、胸部を軽く押さえただけで痛みが増強する。特に左肩関節を上に挙げるのが困難で、左側の頸部痛が伴う状態。かなり痛みが強い状況なので、胸椎付近の触診もあまりできない。

アクティベータ・メソッドの施術を最初に行い、次にPCRTにてエネルギーブロック(EB)の検査を行う。主に胸腺と甲状腺の内分泌系のEBが示された。EBの原因に関係する感情を調べてみると、意欲、連帯感、義務感、劣等感の感情が絡んでいた。
施術後、呼吸も正常に戻り、寝返りも楽にできるようになった。肩関節や頸部の運動時痛も消失して、とてもつらそうな顔から安心感が現れた。治療前に比べるとかなり症状が改善されたが、時間の経過に伴ってぶり返すこともあるので、継続治療が必要だろう。

内分泌系の機能障害による痛みのメカニズムは定かではないが、内分泌系のEBの陽性反応が消失することで痛みが改善される患者さんも少なくない。他には、甲状腺に絡んだ代謝障害や疲れ感、婦人科系の内分泌障害、副腎皮質などのEBを解消させることで多くの症状が改善される。


《連載40》

伝統医学をシルクロードに求めて

池上正治(作家・翻訳家)


5. インド編 〜古代医学の最高峰〜

インドvsギリシャの終幕(つづき)

「もっともです、尊者ナーガセーナ。尊者ナーガセーナよ、あなたは『象の五支分を把握すべきである』と言われたが、その把握すべき五支分とは何ですか?」
「大王よ、たとえば象は、行くとき、実際、地を砕くごとく、大王よ、それと同様にヨーガ者・ヨーガ行者は、身体を思惟して、すべての煩悩を砕くべきです。大王よ、これが把握すべき象の第一の支分です。……大王よ、さらにまた、象は一定の寝所がなく、餌を探しに行くにあたって同じ場所を有利な住所とせず、また固定し確定した住所を持たないが如く、大王よ、それと同様、ヨーガ者・ヨーガ行者は、一定の寝所があるべきではなく、住所なくして乞食に行くべきです。もしも正観者が、快適な場所に存在する心楽しく修行に適した仮小屋、樹下、洞窟、あるいは山腹を見れば、そこだけを住所とすべきであり、固定し確定した住所となすべきではありません。大王よ、これが把握すべき象の第三の支分です。
大王よ、さらにまた、象は水中に潜って、すなわち清浄・無垢・清冽な水の満ち、かつ黄蓮華・青蓮華・紅蓮華・白蓮華におおわれた広大な蓮池に飛び込んで、優れた象のなす水中の遊びをするが如く、大王よ、それと同様にヨーガ者・ヨーガ行者は、清浄・無垢・澄明・無濁の優れた真理の水に満ち、解脱のクスマ華におおわれた、四つの専注の大蓮池に飛び込んで、智慧をもって形成されたもろもろの存在を振り払い、振り除き、ヨーガ行者の真理の遊びをすべきです。大王よ、これが把握すべき象の第四の支分です……」——-

王と長老の対論が終わったとき、雷光は閃き、大地は6回揺れ、天の華が雨のように降り、王とその侍臣たちはナーガセーナに合掌し、礼拝した。メナンドロスは、王位を王子に譲り、仏教に帰依した—-と仏教徒側では記録している。やがてメナンドロスの死(紀元前130年ごろ)とともに、ギリシャ諸王のたそがれが訪れることになる。(この項了)


根拠に基づく腰痛の原因と治療 – 腰痛治療の新常識(33)

長谷川淳史(TMSジャパン代表)
***** ***** ***** ***** ***** ***** ***** *****

腰痛に関する正確な情報には想像を絶するほどの治癒力があります。どうか情報の拡散にお力をお貸しください。

■腰痛疾患に対するオピオイド(麻薬系鎮痛剤)投与は増加傾向にあるが、オピオイドに関連する死亡者数は5年間で160%増加し、ヘロインとコカインによる総死亡者数を上回っている。http://1.usa.gov/tWT5d4 http://1.usa.gov/ahierm
………日本のオピオイド使用量はアメリカほどではないにしろ、慢性腰痛がどれだけ深刻な問題かを伺わせるデータです。断じて腰痛疾患を慢性化させてはなりません。

■この10年で慢性腰痛の画像検査と治療の実施率が急上昇。硬膜外ブロックが629%、オピオイド投与が423%、MRIが307%、脊椎固定術が220%増加したものの、治療成績に改善は認められない。不適切な過剰診療は控えるべき。http://1.usa.gov/uvRl1n
………腰痛診療ガイドラインが完全無欠とはいいませんけど、もしガイドラインに従えばこんな効果のない不適切な過剰診療は行なわれません。そろそろ費用対効果の高い安全な診断と治療に切り替えましょう。お金と時間の無駄です。

■腰痛の予防法に関する20件のRCT(ランダム化比較試験)を分析した結果、腰痛ベルト・靴の中敷き・人間工学的介入・重量物挙上軽減教育に効果はなく、運動療法のみが腰痛とそれによる欠勤を予防できるという強力かつ一貫性のある証拠を発見。http://1.usa.gov/vi52lt
………巷では腰痛を予防する方法が溢れかえっていますが、残念ながら本当に効果があるものは運動以外にないことが判明しました。とりわけ正しい物の持ち上げ方の指導は腰痛発症率を上昇させる恐れがあるため、腰痛予防ガイドラインでは禁じています。

■職場における腰痛予防に関する31件の比較試験を分析した体系的レビューによると、運動は腰痛による欠勤、医療費、発症率を減少させ、従業員の腰痛予防に有効であることが判明すると同時に、集学的介入には疼痛軽減効果が確認された。http://1.usa.gov/savytC
………運動が腰痛予防に有効だという第一級のエビデンスが(科学的根拠)示されたわけですが、それと同時に腰痛の治療には単独ではなく複数のアプローチが必要だということも明らかになりました。

■荷役作業従事者の腰痛予防をテーマにしたRCT(ランダム化比較試験)とコホート研究を分析した体系的レビューによると、重量物の持ち上げ方に関するアドバイスやサポートベルトに腰痛予防効果はなく腰痛による活動障害も欠勤も減少しないと結論。http://1.usa.gov/sDGpce
………腰痛を予防する正しい物の持ち上げ方もサポートベルトもないことが第一級のエビデンスが証明しています。ただし梃子の原理を利用した楽な持ち上げ方はあります。腰のことは気にせず楽な持ち上げ方をしてください。

■腰痛予防に関する体系的レビューの結果、柔軟体操、ウイリアム体操、マッケンジー法などの運動療法には筋力・持久力・柔軟性向上以上の利点があり、動作や活動に対する自信、損傷に対する恐怖心、疼痛の捉え方を変化させる可能性あり。http://1.usa.gov/vi52lt
………実に見事な考察です。運動を認知行動療法のひとつと考えればすべて辻褄が合います。


【連載コラム】

“連動操体法”について、ちょっとばかり… (58)

根本 良一(療動研究所主宰)


4. 胸背部の異常

姿勢が悪い、冷房で背中が冷える、寒いときに薄着をしていて身体が冷え切ったなどというように、背部が緊張すると胸椎から胸骨に沿って胸郭を走る肋間神経が昂進して周囲の筋を緊張させるため、胸が痛い(肋間神経痛)、息苦しい、動悸が激しい、息切れが甚だしいなどの症状が現われる。
胸部に湿布を貼ったり、心電図をとっても原因がわからないことがある。このようなときはまず背部の緊張を取るため温める。そして両腕の動きから肋椎関節運動軸を拡げる操作を行う。肋間神経系の胸部および腹部の異常は、肋椎関節からの最適な角度を選んで操作すると容易に解消できる。
なおこの部分の異常の場合、内科疾患によるものは連動操体法では解消しないので、速やかに内科機関で受診することを勧める。

1)動悸、息切れ、肋間神経痛
胸部の筋が緊張すると、胸郭が十分に拡がらず呼吸深度が不十分で、吸気量が不足し、少し動いても酸素の薄い血液が循環するため血液が多量に必要となる。そのため心拍数が増し、呼吸が速くなる。また血圧が上がり、動悸を感じ、息切れを生じる。
このようなときは、胸が痛んだり(特に脇下から側部に圧痛がある肋間神経痛)、背中が重苦しい、腰が痛いなどの主訴が起きる。
肋間神経系の操作は、痛い局所にとらわれず、腕の動きを利用し、肋椎関節運動軸を拡張して、肋間神経の昂進を抑制する操作を行う。部位により腕の角度を若干調整する。胸が苦しくて自力でできないときは、等位の肋間関節部を他力で、両手で背部から拡げてみると鎮痛する。
肋間神経に関係深いのは、深胸筋(内・外肋骨筋)、浅胸筋(上肢を動かす筋群)などであるが、連動操体法では浅胸筋を利用して肋椎関節運動軸を拡張すると効果的な処置ができる。
肋間神経の支配を受ける腹部の縦の筋(腹直筋、外腹斜筋など)は肘の動きから操作できるが、内腹斜筋は腰背筋膜、腸骨稜から出て上方へ走行する腰髄神経の領域であるから、腰部の操作などの類似操作となる。


*** N *** E *** W *** S ***


NEWS ■朝食抜きで脳出血リスク3割増……空腹ストレスで血圧上昇

朝食を抜くことが多い人は、毎日食べる人に比べて脳出血のリスクが3割以上高まるとの調査結果を、国立がん研究センターなどの研究チームが発表した。
8県の男女約8万人(45〜74歳)を平均で約13年間追跡した。その間、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)を発症した3772人と、虚血性心疾患(心筋梗塞、急性心臓死)を発症した870人について、朝食との関連を調べた。
朝食を「毎日食べる」から「週に0〜2回」まで4段階に分類。「毎日」を基準とした場合、「週に0〜2回」は脳出血を起こすリスクが1.36倍、脳卒中全体では1.18倍高かった。心疾患では有意差は見られなかったという。
チームによると、朝食を抜くと空腹によるストレスなどで血圧が上がることが知られている。高血圧は脳出血の大きな要因で、中でも早朝の血圧上昇がリスクを高めるという。解析をした磯博康・大阪大教授(公衆衛生学)は「そうした背景が脳卒中を引き起こす原因につながっている可能性がある」と指摘する。
(2/4 朝日新聞)


NEWS ■1日の平均歩数…理想8千歩、負荷も重要

2014年の国民健康・栄養調査によると、1日の平均歩数は、65歳以上の男性で5779歩、女性は4736歩だった。「理想は8千歩」というのは東京都健康長寿医療センター研究所の青柳幸利副部長。ただ、歩数だけでなく「中強度」の歩行を組み合わせることが重要だという。普段より速めに、大股で、背筋を伸ばし、腕を大きく振って力強く歩く。少し息がはずみ、「会話はできるが、歌えない」というのが中強度の目安だ。
青柳さんらが群馬県中之条町で、65歳以上の運動と病気との関連を調べると、歩数と中強度の歩行時間が増えるほど、病気になるリスクが下がる傾向がみられた。歩数と中強度の歩行時間の目標は、高血圧や糖尿病の予防のためには「8千歩20分」、骨粗鬆症の予防のためには「7千歩15分」になるという。
年をとると歩幅は狭くなり、速さも遅くなりがちだ。青柳さんの調査では、65〜69歳だと1分間で120歩程度。8千歩程度歩くには1時間以上かかるが、小分けにしてもよいという。
(2/2 朝日新聞)


NEWS ■排便時の姿勢、理想は「考える人」

排便の際、通常の座位姿勢よりも、彫刻「考える人」の姿勢がより効率的になりうることを、米国・クリーブランドクリニックフロリダ大腸外科のS.Takano氏らが報告した。Techniques in Coloproctology誌2016年2月号に掲載。
著者らは、上体を曲げて「考える人」の姿勢をとると排便が容易になるという仮説のもと、排便時の「考える人」の姿勢による影響を評価した。本研究は、単一グループの前向き研究であり、2013年1月〜6月の期間、シネデフェコグラフィー中に、通常の座位姿勢でペーストを排泄できなかった患者が登録された。シネデフェコグラフィーは、初めに座った姿勢で行われたが、もし患者が、ペーストを排泄できなかった場合には、「考える人」を模擬した姿勢をとらせた。通常の座位姿勢でペーストを排泄することができた患者は本研究から除外し、両方の姿勢(通常の座位および「考える人」)で、いきんでいる間の肛門直腸角、会陰面の距離、恥骨直腸筋の長さをX線写真から測定した。
主な結果は以下のとおり。
・22人の患者が、通常の座位姿勢ではバリウムペーストを排泄できず、「考える人」の姿勢でシネデフェコグラフィーを受けた。
・22人中、17人の患者は、平均56歳(22〜76歳)の女性であった。
・「考える人」の姿勢は、通常の座位姿勢よりも、いきんでいる間のARAが有意に広く(113° vs. 134°、それぞれp=0.03)、PPDが有意に長く(7.1cm vs. 9.3cm、それ
ぞれp=0.02)、PRLが有意に長かった(12.9cm vs. 15.2cm、それぞれp=0.005)。
・22人中、11人の患者は、「考える人」の姿勢を取ることで、完全に排泄することができた。
(1/28 ケアネット)


NEWS ■歩数など日々送信…社員の健康、スマホで指導

健康向上のための助言を社員が持つスマートフォン(スマホ)などに自動的に届けるシステムを政府と企業などが協力して開発する。歩数計などから送信される日々の運動や食事量などのデータと健康診断の結果を合わせてコンピューターが分析し、病気予防のための「指導」を行う。来年度から実証試験を行う予定。健保組合や医療機器メーカーなどの関係者からなる政府内の検討会がシステム構築について話し合っており、3月末までに概要をまとめる。
現在、データを送信する歩数計、体重計、血圧計などは販売されており、メーカーなどがスマホやパソコンで毎日の記録を一覧できるサービスを提供している。システムでは、歩数など日々の送信データと、健保組合などが持つ健診データを合わせ、利用者の健康に応じたきめ細かい助言ができるようにする。健診結果から糖尿病の心配があるとわかる利用者で、運動量が少ない人には「本日は多めに歩きましょう」などのメッセージを送る。
(1/25 読売新聞)


NEWS ■1日の歩行時間30分未満、糖尿病のリスク2割増

1日の歩行時間が30分未満だと糖尿病を発症するリスクが2割高まるとの調査結果を、国立がん研究センターなどの研究チームが発表した。
1998〜2000年度に実施した糖尿病の大規模調査から、すでに糖尿病の自覚がある人を除いた全国の男女2万6488人(平均62歳)を対象に、1日の歩行時間と糖尿病の関係を分析した。この中には血糖値から糖尿病を発症していると判断された人が1058人いた。
1日の歩行時間が最も少ない「30分未満」(4005人)は、最も多い「2時間以上」(1万807人)に比べ、糖尿病のリスクが1.23倍高かった。「30分〜1時間未満」と「1〜2時間未満」でも「2時間以上」とあまり変わらなかったが、どのくらい歩けばリスクが下がるかは明確にはわからなかったという。
成人の一般的な歩数だと2時間は1万2千歩、30分は3千歩に相当する。解析した東海大付属八王子病院総合内科の壁谷悠介講師は「普段から活動度の多い生活習慣を心がけることが望ましい」と話す。
(1/21 朝日新聞)


NEWS ■がん10年生存率、全部位・病期58.2%……国立がん研

国立がん研究センター(国がん)は1月20日、全国がん(成人病)センター協議会(全がん協)の協力を得て初めて集計したすべてのがんの全臨床病期の10年相対生存率が58.2%だったと発表した。生存率が90%以上だったのは、甲状腺で90.9%だった一方、30%未満だったのは食道(29.7%)、胆のう胆道(19.7%)、肝(15.3%)、膵(4.9%)などだった。
この10年相対生存率は、全がん協に加盟する16施設で1999年から2002年にかけて診断治療した3万5287症例が対象。データ精度を高めるために良性腫瘍や上皮内がんなどを除き、自施設診断・自施設治療と他施設診断・自施設治療を解析し、診断のみの症例を外した。今回の10年相対生存率は、データ提出施設が限られているため、施設別の生存率は公表していない。
内訳は、10年相対生存率が90%以上の甲状腺の症例数は505。全臨床病期の生存率は90.9%。病期ごとの生存率はI・II期が100%で、III期が94.2%、IV期が52.8%だった。一方、生存率が30%未満の膵の症例数は895。全臨床病期の生存率は4.9%。病期ごとでは、I期が29.6%でII期が11.2%、III期が3.1%、IV期が0.9%だった。
(1/20 医療介護CBニュース )


NEWS ■自殺者18年ぶり低水準……2万3千人、6年連続減少

昨年1年間の全国の自殺者は前年比1456人(5.7%)減の2万3971人で、18年ぶりに2万5千人を下回ったことが1月15日、警察庁の集計(速報値)で分かった。6年連続の減少。男性は745人減の1万6641人、女性は711人減の7330人。
警察庁は1978年に自殺者の統計を取り始めた。98年から14年連続で3万人を上回り、最多は2003年の3万4427人。最少は81年の2万434人。昨年1〜11月の集計を分析した内閣府自殺対策推進室によると、19歳以下が15人増えた以外、60代の401人減を筆頭に各世代で減少。動機別では健康問題や経済・生活問題の減少が目立った。
担当者は「うつ病について正しい理解を広げるとともに精神科の受診を促したり、多重債務者の相談窓口を整備したりするなど、自殺防止対策の成果が表れつつある」と話している。年間の集計は3月に発表する。
都道府県別で自殺者の増加率が高かったのは岡山の19.0%、石川の17.1%、熊本の10.3%。減少率が高かったのは高知の36.2%、徳島の23.1%、山梨の20.2%だった。東日本大震災の被災3県では、岩手が16.3%減の313人、宮城が12.3%減の455人、福島が8.6%減の436人だった。
(1/15 共同通信)


NEWS ■<髄液漏れ> ブラッドパッチ、保険適用と結論…厚労省

高度な医療技術の効果を検討する「先進医療会議」が1月14日、厚生労働省であり、脳脊髄液減少症(髄液漏れ)の治療法・ブラッドパッチを保険適用すべきだと結論づけた。近く開かれる厚労相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)で承認されて決定する。国の標準的な治療法と認められることでさまざまな社会保障制度でも患者救済が大きく進むことになる。
脳と脊髄を包んでいる硬膜から髄液が漏れると、激しい頭痛や吐き気、手足のしびれなどさまざまな神経症状が起きる。交通事故やスポーツなどでの衝撃がきっかけとなるほか、これといったきっかけがなくても発症することがある。ブラッドパッチは、髄液が漏れている付近に患者の血液を数十ミリリットル注入して漏れを止める治療法だ。
2000年ごろから、一部の医師が「見逃されてきた患者が大勢いる」と主張して治療に乗りだすようになった。05年以降、交通事故などで髄液漏れと診断された患者と加害者側とで補償を巡って訴訟が起きていることや、髄液漏れを被害と認める司法判断が出始めていることが明らかになり、関心が高まった。12年にブラッドパッチが先進医療となった。先進医療会議は、国の研究班の診断基準に基づく治療実績からブラッドパッチの有効性と安全性を検討した。
(1/14 毎日新聞)


NEWS ■炭水化物は長距離走のエネルギー源

長距離ランナーの主なエネルギー源は、脂肪ではなく、炭水化物であることがわかった。オーストラリアカトリック大学(オーストラリア、メルボルン)のJill Leckey氏らの研究。
本研究は、競争心旺盛な男性のハーフマラソン選手を対象に行われた。被験者はハーフマラソンの自己ベストタイムの95%の速度で、トレッドミルを疲れきるまで走行した。被験者は走る前に食事をし、走行中は体内の脂肪分を使用できないようにニコチン酸を投与された。その結果、体内の脂肪を使用できないように制限しても、被験者のトレッドミル走行距離には影響せず、体内の炭水化物の使用にも影響しなかった。炭水化物はランナーが用いる全エネルギーの最大91%に寄与していた。
この結果は、高強度・長時間のマラソン時のエネルギー源として、筋肉は炭水化物を好むことを示している。Leckey氏らは、今回の結果がアマチュアのランナーにも当てはまると考えている。Leckey氏は「競争心旺盛なランナーは、競技時間が90分にも達するハーフマラソンで良い結果を残すために、体内で利用できる炭水化物量を増やす食事法に注目する必要がある。ただし、運動時に筋肉が用いる炭水化物と脂肪の比率は、走る速度だけでなく、個人の最大酸素摂取量や最大心拍との比率に基づいた相対的運動強度によって決定される」と述べている。(Journal of Applied Physiology)


■次号のメールマガジンは2016年3月10日ごろの発行です。
(編集人:北島憲二)


[発行]産学社エンタプライズ