エンタプライズ発信〜メールマガジン【№15】2012.6

湿度の高い梅雨だからといって水分補給はお忘れなく! 高温多湿のこの時節ゆえ、熱中症に注意が必要です。熱中症というと炎天下での作業やスポーツなどを思い浮かべますが、湿度が高く、体表から熱が逃げにくい状況もまた危ないのです。ベタッとした汗をかいたあとはペットボトルに冷やした水をスマートに取り入れると一安心ですね。オーストラリアの健康雑誌によると、ペットボトル入りのミネラルウォーターを持ち歩くことは、いまやファッション化しているそうです。つまりかっこいいと…。ヒトは1日に約2Lの液体を必要としますが、水だけを2Lというわけではありません。お茶やコーヒーからでも水分は摂れるし、食事中も吸い物はだいたい飲みます。たしかに熱中症対策に水分は欠かせませんが、メディアの発する健康喧伝や生産メーカーのセールスプロモーションの“熱い押し売り”には冷めた目線でわが身を守っていきましょう。

★☆★━━━━━━━■ CONTENTS ■━━━━━━━━━★☆★

【1】WHO『健康の社会的決定要因 確かな事実の探求』第2版
【2】意識に基づくエネルギー療法 “ BodyTalk ”
【3】CHIROPRACTIC REPORT 「法的状況の国際調査報告書」
【4】カイロプラクティック・エネルギー治療へのパラダイムシフト
【5】補完・代替医療の真贋を斬る!
【6】“連動操体法”について、ちょっとばかり…
【7】N・E・W・S
【8】ご案内『タオ人間医学』の刊行について(New!)

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【TOPIX】
■Dr.ジェームス・オシュマンの講演DVDが好評

3月に開かれたエネルギー医学の発信者、Dr.ジェームス・オシュマンほかの講演DVDが発売されました。エネルギー領域を中心にエネルギー医学のことも分かりやすく解説しています。
DVDは二部構成。録画時間約190分。日本語と英語の2音声。定価7,000円(税込。送料500円)

第一部:Dr. ジェームス・オシュマン…「太陽のスピリチュアルな科学」
第二部:ジーン・サヴォイ氏(コソラジイの国際共同体およびジャミリアン聖職者大学総長・アメリカの神学者)…「光の黄金時代の幕開け」

【お問い合わせ】
NPO法人 太陽文化振興会
http://npo-taiyoh.com/


【TOPIX】
■サニー久永先生が新刊。21冊目の自著。

『人もお金もどんどん集まるサロンの作り方のヒミツ教えます』
雑誌のインタビューでお世話になったこともあるサニー久永先生(オアシスグループ代表)が新刊を上梓しました。開業してからの試行錯誤や実体験をベースに、誰も教えてくれない治療院・サロン経営の極意・ヒント・ヒミツを公開します。多店舗経営の成功者としての重みがあります。196頁・1,500円(税込)角川学芸出版刊。


<<< 連 載 ⑥ >>>
【REVIEW】

WHO『健康の社会的決定要因 確かな事実の探求』第2版

<訳:WHO健康都市研究協力センター・日本健康都市学会・健康都市推進会議>


(今号より本論に入っていく)

■社会格差〜The Social Gradient

どの社会でもその最下層部に近いほど平均余命は短く、多くの疾病が見受けられる。健康政策は、健康の社会的・経済的決定要因について取り組まなければならない。
【現 状】
社会的・経済的に不利な条件下では、一生を通じて人々の健康に影響を及ぼす。社会の最下層部に位置する人々は、最上層部に属する人々に比べて重い病気にかかったり、早死にする割合が、少なくとも2倍に達する。これは何も貧しい人々に限ったことではなく、健康の社会的格差は社会全体に見られるため、中間層の会社員でも、比較的下級職の者は上級職の者より早く命を失ったり、病気にかかりやすい。

物質的要因や心理社会的要因の双方ともこうした格差の一因となり、その影響はほとんどの病気や死にまで及ぶ。恵まれない境遇には様々な形態があり、絶対的であったり相対的であったりする。例えば資産がないとか、青年期の教育程度が低いとか、不安定な仕事しかないとか、先の見込みのない仕事から抜け出せないとか、貧しい住環境であるとか、苦しい家計で家族を養わねばならないとか、充分とはいえない老齢年金で暮らさねばならないといった例が挙げられる。

こうした状況は、同じ人々に集中する傾向が見られ、生涯を通して彼らの健康に及ぼす影響も増大する。経済的・社会的にストレスの多い状況に長くいればいるほど、生理的に受けるダメージは大きくなり、年をとってからの健康な生活を望むことが難しくなる。

【提 言】
仮に政策がこうした事実に取り組まなければ、現代社会における健康水準の中でも最も影響力のある決定要因のみならず、現代社会が直面する最も重要な社会的公平という問題点を無視することになる。

・人生には様々な転機が何度かある。幼年期の感情的・肉体的な転換期、小学校から中学校への移行期、社会人になる時、独立、結婚、転職、解雇、退職等である。生活の条件が良くなるにせよ、悪くなるにせよ、どの節目も当事者の健康に何らかの影響を及ぼしている。過去が不遇であった人々は、新たな転換期におけるリスクが最も大きい人々であるため、福祉政策は、人々が落下するのを受け止めるためのセ-フティネットだけでなく、それまでの不遇を埋め合わせるための飛び板を用意する必要がある。

・健康状態が良好であれば、教育面の不足を補い、雇用に対する不安や安全面での不安を遠ざけ、住環境を改善できる可能性が出てくる。すべての人が社会的・経済的・文化的な生活において有益な役割を充分に果たすことができる社会は、人々が不安定な立場に置かれ、社会から取り残され、喪失感にとらわれる社会に比べて、より健全な社会である。
・本冊子の他の章では具体的な政策分野にも言及し、社会格差を縮める健康改善の方策を提言している。
(次号につづく)


◆◆◆② ◆◆◆

『 意識に基づくエネルギー療法“ BodyTalk ”』

   …… 今 田  泰(IJBA東日本支部 支部長)……


前回はBodyTalkの基本概念について述べた。今回はBodyTalkの実際の施術がどのようなものかについて触れていく。

〜BodyTalkの施術〜

BodyTalkセッションの所要時間は30〜60分程度である。これは例え同じクライアントであっても毎回変化する。なぜならセッションそのものがクライアントのインネイトウィズダム(天性の知恵)によって導かれるものだからである。

〜バイオフィードバックとプロトコールチャート〜

クライアントはベッドに横になり、施術者がクライアントの片手を持ち、軽く持ち上げるような動作をすることで「はい」または「いいえ」の答えを得る。「はい」の反応の時は腕が軽く持ち上がり、「いいえ」の反応の時は腕が重くなって上がらない。つまり口頭で質問するわけではなく、腕の重さに現れた反応を見ていくのである。これを神経-筋バイオフィードバック法と呼ぶ。
セッションは厳密に規定されたボディートークプロトコールチャートに則って行う。このプロトコールチャートは心身複合体の地図のようなもので、心身複合体を構成する要素を網羅している。このプロトコールチャートには、手順を踏まえれば誰が施術しても網羅性が確保されるという利点がある。

〜リンクとタップ〜

プロトコールチャートに則って探索するのは最優先でバランスを回復したい箇所である。例えばここでは、最初に行きついた箇所が肝臓と仮定する。
前回述べたようにBodyTalkは低下している心身複合体内のコミュニケーションの回復を図るものであるので、次は肝臓とコミュニケーションを回復させたい相手先(リンク先)を探索する。
やはりチャートに則って探した結果、リンク先が胆嚢であったとする。さらに三者間、四者間のリンクの場合もあるが、ここでは肝臓→胆嚢の二者間のリンクだと仮定すると、それぞれの臓器の上にクライアントまたは施術者の手をフォーカスツールとして置き、頭部と心臓にタップを加える。
こうすることでクライアントの肝臓と胆嚢はコミュニケーションを回復し、施術者は次の優先箇所を再度探索していく。この繰り返しがセッションの流れとなる。
その日の終了に達したら、クライアントにバイオフィードバック法によって得られた次回のフォローアップセッションのタイミングを告げる。

以上がBodyTalkセッションの大まかな流れである。(次号へつづく)


■□■□CHIROPRACTIC REPORT □■■□

『カイロプラクティック業務に関する法的状況の国際調査報告書』(7)


4. 規制

法律がある29か国のうち、23か国で規制や資格があると回答している。すべての法規制の中で、業務上の違法行為に対する懲罰が規定されている。そこには登録/免許の失効や臨床業務の権利剥奪が含まれる。
そのほか6か国のうち、ドイツ、パナマでは法規制がなく、ベルギー、キプロス、イタリア、そしてフィリピンでは法規制の準備が進行中である。

5. 画像診断

5.1.単純フィルムX線
単純フィルムX線に関してのカイロプラクターの権利は次に掲げるものである。

a) カイロプラクティック業務が管理されている29か国中17の国(59%)ですべての権利(撮影・依頼・読影)が認められている。
・オーストラリア、カナダ、ケイマン諸島、デンマーク、香港、アイスランド、リヒテンシュタイン、ナミビア、ニュージーランド、ノルウェー、パナマ、南アフリカ、スイス、タークスカイコース諸島、イギリス、アメリカ、ジンバエブ
b) 撮影依頼と画像診断をする権利(撮影指示と読影のみ)が認められているのは7か国である。
・ブラジル、コロンビア、キプロス、ドイツ、ホンジュラス、イラン、ウガンダ
c) 撮影依頼の権利のみ(撮影指示はできるが読影はできない)が認められているのは3か国である。
・レバノン、フィリピン、アラブ首長国連邦

上記にあげたうち5か国はカイロプラクティック業務を規制する法律がないため、そのほかの法律/もしくは一般法規のもと撮影依頼と画像診断に権利が与えられている。
(次号につづく)

(資料提供:日本カイロプラクターズ協会 URL:www.jac-chiro.org


<<連載>>

カイロプラクティック・エネルギー治療へのパラダイムシフト <第15話>

       保井志之(ファミリーカイロプラクティック院長、DC)


狭い固定観念に縛られることなく、
「情報」という概念を応用して実践する(つづき)

ファミリーカイロプラクティックセンターで初めてこの治療を受ける患者が、患部への直接の治療を受けることなく、その場で痛みが解消してしまう体験をすると、とても不思議がる。しかし、生体エネルギーをブロックしている原因情報が確実に検査分析できれば、直接患部に触れなくても、当たり前のように症状がその場で軽減あるいは消失するので、やがてそれは患者にとっても当たり前になる。初めての患者からは、何か気功や不可思議なパワーで治療を施しているのではないかと誤解を受けるが、筆者自身には気功のような力はないと自覚している。
これは、上に述べた「情報」という概念を応用して治療を施しているに過ぎず、そこまで発展した背景には、近代医学、近代科学という狭い固定観念に縛られることなく、様々な臨床研究を積み重ね、患者の生体反応を繰り返し、客観的に検証して構築してきた成果であるといえる。

筆者が研究してきたこの治療法は、理論が先というよりも、結果が先行し、その結果の理論は、あとで様々な文献から紐解かれてきているといった感じである。いろいろな理論的理屈を学ぶことも大切だが、その理屈が本当に実際の臨床現場で効果を発揮するのかを客観的に検証することが先決で、理屈よりも実践を重んじている。
このようなエネルギー的治療による実際の臨床結果の現象は、近代医学の機械論的教育を受けた人にとっては、不可思議で受け入れがたい現象のようであり、目で見えないもの、科学的とされる文献では証明できないものは邪道であると排除される風潮があることも事実であるようだ。そこには、何をどのように具体的に治療をしているのかという疑問も生じてくるにちがいない。その解決のキーワードは「振動」という概念にある。

そこで次回は、その矯正治療のからくりともいえる「振動」に焦点を当てて述べてみたい。
(次号につづく)


補完・代替医療の真贋を斬る!【連載⑭】

   長谷川淳史(TMSジャパン代表)
***** ***** ***** ***** ***** ***** ***** *****

(前号の項よりつづく)

●健康増進を目的にアガリクスを摂取していたところ、3か月後に全身の掻痒感、眼球結膜の黄染、褐色尿が出現した50代女性。

●肺がんの加療中に乾燥アガリクス50gを1.8Lの焼酎に漬け込んだもの(約 30mL/日)を飲用していたところ、6か月後に激しい掻痒を伴う紅斑が出現し、飲用を中止すると症状が劇的に改善した70代男性。

●入院前日よりアガリクスの摂取を開始し、16 日目にあたる肺がん切除後に呼吸困難が出現し、摂取の中止で徐々に症状が改善した70代男性。

●悪性黒色腫の摘出後からアガリクスを摂取したところ、転移がないにもかかわらず悪性黒色腫腫瘍マーカーが高値となり、摂取中止後10日で正常値に戻った40代女性。

●健康増進を目的にアガリクスを摂取していたところ、2週間後に全身倦怠感と肝機能障害が出現し、アガリクスによる薬剤性肝障害と診断された60代女性。

●経口血糖降下薬の服用中にアガリクスを摂取したところ、6か月後に急激な血糖の上昇、顔面と両上肢に皮疹が出現した糖尿病の50代女性。

●健康増進を目的に乾燥アガリクスの煎じ液を飲用したところ、6か月後に口唇の乾燥感、亀裂、落屑性変化、腫脹、小水疱が出現し、アレルギー性接触性口唇炎と診断された60代男性。

●アガリクスを摂取していたところ、 1 か月後に両手足の異常感覚が出現し、多発性神経障害と診断されたマントル細胞リンパ腫の60代男性。

こうしてみると、アガリクスには安全性に大きな問題があるように思われる。「健康維持を目的にコツコツとお飲みください。食品ですから副作用はなく、妊婦も子供も安心して飲めます」という宣伝文句は、百歩譲ったとしても断じて受け入れられない。
現に、厚生労働省は2006年2月、アガリクスを原材料とする「キリン細胞壁破砕アガリクス顆粒」に発がん促進作用が認められたという国立医薬品食品研究所の試験結果に基づき、販売業者に対して自主的な販売停止と回収を要請している。
ところが国立健康・栄養研究所は、有効性と同じく安全性においても「ヒトに対する安全性については参考になる十分なデータは見当たらない」としている。なぜなら、報告されているのは動物実験や症例報告ばかりで、人間を対象にした比較対照試験が行われていないからだ。

そこで厚生労働省研究班は2007年11月、がんの治療が終了して経過観察中の20〜80歳未満の男女約90名を3群に分け、量を変えてアガリクスを6か月間摂取してもらう臨床試験に着手した。この比較対照試験は、肝臓、腎臓、呼吸などの機能の変化、アレルギー症状の有無などの安全性を評価するほか、免疫機能やQOLの変化も調べるというものだ。安全性が確認されれば、抗がん効果などについても評価する予定だという。結果を待っているところである。
(次号につづく)


【連載コラム】

“連動操体法”について、ちょっとばかり… (15)

       根本 良一(療動研究所主宰)


今号からは足首から腓腹部へかけてのアプローチを解説する。足の主な働きである直立や歩行は、足指を支える足底筋群、足首を動かすふくらはぎの筋、そして膝関節などを構成する筋群から腹部の筋まで強調しあってなされている。これら筋群を調整するときは局所の問題だけでなく、身体全体を見て適切な操作を行う。

腓腹部(ふくらはぎ)の緊張は、歩行が不調になるだけでなく、足が攣(つ)れたり、アスリートが走る、踏み切りジャンプする、投げる、跳ねるなどいろいろなシーンで影響が生じる。
腓腹部(ふくらはぎ)が硬いときは次の方法で解消する。
1)よく歩くこと。それも大股で歩くことで、筋の動き、ポンピングアクションによる体液循環の補助、刺激になる。
2)足指をまわす。中足指節関節を走る筋は、足指の神経を刺激して身体のいたる所に連動する。
3)足首の動き:足先を反らせたり、内・外へまわしたりする。
4)脛骨筋系の影響を、内腿からの動きによる操作で仙腸関節→脛骨神経という連鎖により奏功することがある。この操作は、内腿部の伸筋側から連動させる方法で、坐骨神経-脛骨神経という連動でできるが、靴を履いたままの状態で急場をしのげる。

1. 腓腹部(ふくらはぎ)の操作

足指は地面との接点である足底のバランスを支えるものだが、足首は、身体を移動するのに大切な役割を果たしている。同時に足首の動きを利用して身体各部の異常を解消する連動を起こすことができる。
足首の動きから連動させる操作は、1)足指基部、2)腓腹部、3)腹直筋下部と腸骨筋、4)内腿部、5)腰仙部、6)大腿直筋、中・小殿筋などがあるなかで、いまだに理由のわからない操作がある。次号に記したい。
(次号へつづく)


*** N *** E *** W *** S ***


NEWS ■日本人の3人に1人 「睡眠の質」に不満


日本人の3人に1人が「睡眠の質」に不満を持っていることが、製薬会社サノフィ・アベンティスの調査で分かった。
調査は昨年8月、日本、アメリカ、フランスの3カ国の30歳以上の男女計約7千人を対象に実施した。
それによると、平日の平均睡眠時間は日本が6.5時間で最も短く、アメリカとフランスはいずれも7時間。6時間未満の回答者の割合は、日本が19.8%で最も高かった。
「睡眠の質」に対する満足度を尋ねる設問では、アメリカで59.4%、フランスで61.1%が「満足」としたのに対し、日本では44.7%と半数未満だった。さらに、アメリカとフランスでは平均睡眠時間が7時間以上8時間未満だと満足度が6割超に、8時間以上9時間未満になると7割超に上ったが、日本ではいずれも5割強にとどまった。
また、不眠症状のある回答者に対処法を尋ねたところ、「お酒を飲む」とした回答者の割合は日本が19.5%で最も高かった。同社は「寝酒は寝つきを良くするが、夜中や早朝に目が覚めることになり、睡眠の質を下げる原因になる」と指摘している。(6/12産経新聞)


NEWS ■アジ・サバを多く食べる人は肝臓がんになりにくい


アジやサバなどの青魚をたくさん食べる人ほど肝臓がんの発症リスクが低いことが、国立がん研究センターの調査でわかった。脂に含まれる不飽和脂肪酸がリスクを下げている可能性があるという。
岩手、茨城、大阪、沖縄など9府県在住の45-74歳の男女約9万人を、1995年、98〜2008年に追跡調査した。このうち肝臓がんになったのは398人。魚介類とそれに含まれる不飽和脂肪酸の摂取量をアンケートから推定し、肝臓がんの発症リスクとの関係を調べた。
不飽和脂肪酸を多く含む8種類の魚(サケ、マス、アジ、イワシ、タイ、サンマ、サバ、ウナギ)でみると、1日当たり約70.6グラムを食べる人のグループは、約9.6グラムのグループに比べ、発症リスクは36%低かった。(6/8毎日新聞)


NEWS ■死因3位に肺炎。1951年以来、高齢化理由か


厚生労働省が6月5日に発表した2011年の人口動態統計で日本人の死因は、多い順にがん、心疾患、肺炎となった。肺炎が死因の3位となるのは1951年以来。長年、三大疾患の一つとされてきた脳血管疾患は4位となった。厚労省の担当者は「高齢化が進み、肺炎で亡くなるお年寄りが増えたのではないか」と推測している。
11年に肺炎で死亡したのは12万4652人(前年比5764人増)。一方、前年3位だった脳血管疾患は12万3784人(前年比323人増)だった。
厚労省によると、肺炎は戦前、日本人の死因のトップだった時期もある。しかし衛生環境が改善。49-51年に3位となった後、一時は5位以下となり、75-2010年は4位だった。(6/6共同通信社 )


NEWS ■2030年までに世界の癌発生率が75%増加


世界的な癌の発生率は2030年までに75%増加し、貧困国では90%以上増加すると予測されることが新しい研究で明らかにされ、英医学誌「Lancet Oncology(腫瘍学)」オンライン版に6月1 日掲載され
た。一部の開発途上国では特定の癌(子宮頸癌や胃癌)の減少がみられるが、生活習慣の「西欧化」による乳癌、前立腺癌および大腸癌などの大幅な増加によって相殺される可能性が高いという。
HDI(人間開発指数)の低い国の生活水準が向上すれば、一部の感染症による癌が減少すると思われるが、現在の先進国にみられるような種類の癌が急増する可能性があるという。2030年までに、HDIの低い国では癌発生率が93%増大し、HDIが中位の国(南アフリカ、中国およびインドなど)では78%増大する可能性があると、研究を率いたIARCのFreddie Bray博士らは述べている。また、開発レベル
が中位、高い、または非常に高い国の多くで、前立腺癌および女性の乳癌の比率が増加する一方、胃癌および子宮頸癌の発生率は全般的に減少していることが判明した。(Health Day News 6/2一部)


NEWS ■トマトが酔い緩和 カゴメなど研究


アサヒグループホールディングスとカゴメは5月25日、アルコールと野菜の関係についての共同研究結果を発表した。アルコールを飲む際にトマトを一緒に食べると、酔いのまわりが緩やかになり酔いがさめるのも早まる可能性があることが分かったという。
研究では、被験者がアルコールと水を飲んだ場合とアルコールを飲む際にトマトジュースも一緒に飲んだ場合の、それぞれの血中のアルコール濃度などを測定した。その結果、トマトジュースを摂取したグループは血中アルコール濃度や体内にたまるアルコール量が平均で3割減少。体内からアルコールが消失するのにかかる時間も、トマトジュースを飲んだ方が約50分早かった。ラットでの実験からは、トマトを摂取することで体内でアルコールの代謝を促進する酵素が活性化するメカニズムが確認できたという。 (5/26産経新聞)


NEWS ■生活障害に介護ストレスあり


アルツハイマー型認知症の患者を介護する家族の9割は、食事や排せつ、入浴など日常の基本動作ができなくなる「生活障害」に介護ストレスを感じていることが、製薬企業ノバルティスファーマの調査で分かった。
今年3月、軽度から中等度の患者を在宅介護している30代以上の男女計300人にインターネットを通じて質問した。
生活障害に介護ストレスを「強く感じる」と答えた人は42%、「やや感じる」48%、「あまり感じない」9%、「全く感じない」は1%だった。
最もストレスが強い生活障害を尋ねると「単純な会話や指示が理解できない」が32%で最多。次いで「正しく薬を飲めない」17%、「ベッドやトイレの場所が分からない」12%の順だった。(5/25共同通信社 )


NEWS ■はり治療で息切れ和らぐ 肺疾患を回復


たばこや大気汚染の影響で呼吸が徐々に困難になる慢性閉塞性肺疾患(COPD)で起きる息切れを和らげるのに、はり治療が有効とする研究結果を明治国際医療大の鈴木雅雄准教授(鍼灸学)らのチームがまとめ、5月23日発表した。
鈴木准教授は「はり治療で筋肉の疲労が回復して呼吸しやすくなり、歩く距離が延びるなどの改善がみられた」とした。
チームは、COPD患者約60人を二つのグループに分け、一方のグループには、息切れに効果があるとされる全身のつぼ20カ所に週1回約30分、はり治療を3カ月施し、片方には効果のない偽のはり治療をした。
両グループで、6分間全力で歩いた場合の息切れの症状の重さを、治療期間の前後で10段階評価してもらった結果、実際にはり治療を受けたグループは平均で5.5から1.9と和らいだ。治療前に比べ、6分間の歩行距離も約60メートル延びた。
偽の治療のグループでは症状にほとんど変化がみられず、歩行距離は短くなった。成果は米医学誌オンライン版に掲載された。(5/24共同通信社)


NEWS ■早食いは2型糖尿病リスクを高める


早食いは糖尿病リスクを増大させることが、リトアニアの小規模予備研究で示された。2型糖尿病患者234人、非糖尿病者468人を比較したところ、早食いする人はゆっくり食べる人よりも糖尿病罹患リスクが2.5倍高かったという。
また、糖尿病患者はBMIが高く、非糖尿病者よりも教育レベルが低いことも判明したという。この知見は、イタリアで開催された国際内分泌学会・欧州内分泌学会合同会議で発表された。
研究者は、「2型糖尿病の有病数が世界的に増加しており流行となりつつある。修正が可能な危険因子を特定することが重要であり、それが糖尿病発症を低減させる助けとなる可能性がある」と述べている。この研究は、早食いと糖尿病発生数との関連を示しているが、因果関係を立証するものではないという。(Health Day News5/28一部)


NEWS ■子どもも検査を―脳脊髄液減少症


治療法が先進医療に承認され、入院費などに保険が適用されることになった脳脊髄液減少症。脳や脊髄を包む膜に穴が開き、髄液が漏れ出して頭痛やめまいが起きる。原因が分かりにくく、病院でも精神的な病気と誤診されることもある。交通事故などの衝撃が原因となる例が多いが、遊具から落下したり、金管楽器を吹いたりして発症した疑いのある子もいる。支援団体は「子どもでも検査を受けてほしい」と訴える。(5/20読売新聞)


NEWS ■大人4人に1人が高血圧 肥満も10%以上


世界保健機関(WHO)が16日発表した2012年版の「世界保健統計」によると、世界の25歳以上の大人のうち、高血圧と診断される人口の割合は08年に男性が29.2%、女性が24.8%だった。WHOが高血圧の割合を統計化したのは初めて。世界全体で4人に1人が高血圧ということになる。
日本は男性26.4%、女性16.7%で世界平均より低いが、心臓病などにつながる高血圧がまん延している実態が浮き彫りになった。
20歳以上の大人のうち、肥満と診断される人口の割合は08年の世界平均で男性が10%、女性が14%。日本は男性5.5%、女性3.5%だった。
慢性疾患による死者は08年、死者全体の6割以上に当たる3610万人。WHOは対策として、低中所得国では適切な医療の拡大を、高所得国では食事管理、適度な運動、禁煙をそれぞれ挙げている。(5/17共同通信社 )


  ■次号のメールマガジンは2012年7月10日ごろです。お楽しみに。


[発行]産学社エンタプライズ