エンタプライズ発信~メールマガジン【№1】2011.1.5

新年明けましておめでとうございます。早くメルマガの発行をと気がせいておりました。HPリリースに続き、メールマガジンの発進です。雑誌レベルにはとても追いつきませんが、不定期刊ながら内容の濃い代替医療・統合医療の最新情報と各分野のコラムニスト(臨床家)の解説やエッセイなどを盛り込んでいきますのでご愛読のほどお願いいたします。
みなさま、良き2011年となりますように!!

★☆★━━━━━━━━━■ CONTENTS ■━━━━━━━━━★☆★

【1】 カイロプラクティック・エネルギー治療へのパラダイムシフト
【2】 統合医療の一翼を担う ……あれこれシリーズ①
【3】 補完・代替医療の真贋を斬る!
【4】“連動操体法”について、ちょっとばかり…
【5】 日本カイロプラクティック登録機構が統一試験の実施へ
【6】 NEWS 〜各方面から〜
【7】 アーカイブス:日本の統合医療・代替医療の主な情報源
【8】【再販売のお知らせ】『DVDユニバーサル・タオ』1-3巻
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<連載>

カイロプラクティック・エネルギー治療へのパラダイムシフト

保井志之(ファミリーカイロプラクティック院長、DC)


はじめに

アクティベータ・メソッド(Activator method)というカイロプラクティック・テクニックを主体にした臨床現場をとおして、患者の病態、人間の原理原則を慎重に観察していると、「カイロプラクティックとは何か」をさらに深く吟味することができるように感じる。そして現在、筆者はさらなるカイロプラクティックの可能性を模索し、次なるステージへと挑戦しつつある。そのことについて本コラムで記述していきたい。

機械論的パラダイム vs 生命論的パラダイム

まずは、その新たなステージを紹介するにあたって、カイロプラクティックの社会的役割、職業的スタンス、さらには西洋医学や、そのほか各種代替医療などの医療全体と照らしあわせて、カイロプラクティック哲学についてもう一度考察してみたい。
医療という大きな枠組みを哲学的にくくると、機械論的パラダイムの医療と生命論的パラダイムの医療とに分類することができる。医療の機械論的パラダイムの本源は、デカルト哲学の精神と物質を分離分割する二元論の西洋思想である。その影響によってアイザック・ニュートンによる機械論的モデルが構築され、17世紀後半から19世紀末まで科学思想全体を支配してきた。現代医学はその延長線上にあり、人体は複雑な機械であるというニュートン的人体観の影響を受け、その思想が外科的治療や薬物治療に応用されている。
一方、生命論的パラダイムは、アルバート・アインシュタインの登場によって,エネルギー的有機体思考が確立された。エネルギーと物質は等価であり、互いに交換できると言明され、静止している物体でさえ、その質量中にエネルギーをもち、両者の関係は有名なE=mc2式で表されている。また、ニールス・ボーア、ハイゼンベルク、シュレディンガーらの世界的物理学者もエネルギー的有機体思考によって独自の量子論を発展させている。デカルト哲学ならびに機械論的ニュートンモデルからのパラダイムシフトである。
さらに、イリヤプリゴジンの散逸構造の理論では、生物を開放的なシステムとみなし、生命体のシステムは、環境とエネルギー交換しあうことができるため、情報の変化と流れによって安定を保ち、エントロピー増大とシステムの崩壊を回避することができる、と述べている。このことは、外の環境との関係性の中で生かされている人間を分析し、治療する上においては、その関係性を開放系のシステムによってアプローチしなければ、本質的には根本治療にはなりえないということにつながる。

アクティベータ・メソッドとエネルギー治療

西洋医学とカイロプラクティックの分野を機械論と生命論に分類にすると、西洋医学は機械論的パラダイムの範疇に含まれ、カイロプラクティックは生命論的パラダイムの範疇に含まれる。しかしながら、カイロプラクティックといっても様々な手法、様々な哲学がある。あるグループのカイロプラクターたちは、西洋医学との連携で、椎間板ヘルニアの患者を麻酔下でマニピュレーションを施すという、人体を機械の部品の集まりかのように捉え、その部品のズレを調整するために、アジャストメントを施すカイロプラクターも存在するという。あたかも関節脱臼を整復するかのような思考の行動特性がうかがえる。
カイロプラクティックの哲学もテクニックによってそれぞれの解釈、信条が異なるのは確かであり、幅が広い。むしろ西洋医学的な機械論的パラダイムを主体にして業務を行なっているカイロプラクターの方が多く存在するのかもしれない。
(次号へ続く)


## 統合医療の一翼を担う ……あれこれシリーズ① ##

“オステオパシー”あれこれ。

解説:森田博也(NPO法人 アトラス・オステオパシー学院学長)


■オステオパシーのはじまり■
オステオパシーの始祖であるDr.スティルは、3人の子供を髄膜炎で亡くし、医師でありながら子供たちを救えなかったことから、当時の医療 (当時の医療は砒素・水銀などの薬剤治療が主流で現在の医療とはかなり違いがある) に疑問を感じました。
「人は自然治癒力を持っており、病気になるという事は自然治癒力を妨げる理由が身体にある」という観点から、解剖学、生理学、病理学などの医学知識、そして人間に対する様々な情報をもとに研究した結果、
・身体の構造 (骨・関節だけではなく筋肉・靭帯・内臓・神経・血管など身体を作っているものすべてを指す) が崩れ、働きがうまくいかないと血液やリンパ液などの循環が悪くなり病気になる。
・構造を改善すれば、血液やリンパ液などの循環が回復して自然治癒力が高まり病気が治る。
・形(構造)と働き(機能)には密接な関係がある。
・身体を部分的にみる事より、全体を考えなくてはいけない。
ということを発見しました。そしてさらなる研究をすすめ、1874年にオステオパシーを発表しました。

■オステオパシー最初の学校■
オステオパシーを発表してから、Dr.スティルは各地を転々としながらオステオパシーの治療を行い、その治療効果の高さから次第に人々から認められるようになりました。やがて、ミズーリ州のカークスビルに定住し治療するようになると、Dr,スティルの治療を受けるために全米から人々が集まり、カークスビルに来るための鉄道がひかれ、患者用の宿泊施設としてホテルが建設されるほどでした。
そしてついに1892年、最初のオステオパシー大学であるアメリカン・スクール・オブ・オステオパシー(現カークスビル・オステオパシー医科大=KCOM)が設立されました。Dr.スティルは自分のテクニックを教えることよりも、オステオパシーの哲学と理論を伝えることに重点をおき、その結果、現在のバラエティーに富んだOMT (Osteopathic Manipulative Treatment) へと広がりました。これからもオステオパシーの哲学と理論を持ったオステオパスが、「人間の健康」について深く掘り下げていくでしょう。
10人ほどで始まったカークスビルの小さな学校を端緒に、現在アメリカでは分校を含め28校のオステオパシー医科大学が存在し、これからさらに増えていく計画になっています。アメリカ以外でもイギリス、カナダなどの欧米でオステオパシー大学が設立されるほどに発展しています。 (つづく)


【連載①】

補完・代替医療の真贋を斬る!

長谷川淳史(TMSジャパン代表)


CAMとクワッカリー
イカサマ師やインチキ療法を意味するクワッカリー(quackery)は、アヒルやガチョウの鳴き声を表す “quack”という擬声語に由来する名称で、クワックサルヴァー(quacksalver)とも呼ばれている。クワッカリーには、虚偽の効能効果を標榜した医薬品もどきや化粧品、ブームに便乗した意味のない食品や不必要な栄養補助食品(サプリメント)、そして偽物医療機器の3種類が存在する。
CAM(Complimentary and Alternative Medicine:補完代替医療)を語ろうとするとき、CAMとクワッカリーは切っても切れない表裏一体の関係にあり、明確に区別することが困難である。アメリカの「NCAHF(反健康詐欺国民協議会:National Council Against Health Fraud)」や「Quack Watch」、イギリスの「Health Watch」など、クワッカリーによる被害を防ぐために活動している組織や団体は、エビデンスがないという理由でほぼすべてのCAMをクワッカリーと断定しているほどだ。
しかし、現代医学の中でも強力なエビデンスに支えられた治療法はごくわずかでしかない。事実、つい最近まで経験的に有効と信じられてきた治療法が無効だった、あるいはかえって有害だったことが次々と明らかになっている。
たとえば、腰痛患者に対する安静臥床の指示は回復を遅らせること、変形性膝関節症に対する関節鏡下デブリドマン(郭清術)による症状改善はプラシーボ効果だったこと、心臓マッサージと人工呼吸の回数の割合は15:2よりも30:2の方が蘇生率は上昇することなどなど、数え上げれば枚挙にいとまがない。
したがって、エビデンスの有無を基準にクワッカリーを定義しようとすれば、現代医学が行なっている治療法の多くはインチキ療法ということになってしまう。
そこで参考までに、FDA(アメリカ食品医薬品局:Food and Drug Administration)が提供しているクワッカリーの見分け方を挙げておこう。
【1】 いとも簡単に、すぐさま効果が得られると約束する。
【2】 「新発見」「奇跡的」「秘密の治療」「唯一」「臨床試験で立証済み」などというフレーズを使って宣伝する。
【3】 たったひとつの製品やサービスで、ありとあらゆる病気が治ると主張する。
【4】 科学者でも健康管理の専門家でもないイカサマ師が科学的調査などするわけがなく、金を目当てに製品やサービスを売り付けていることを忘れてはいけない。
【5】 保証書は販売会社を信用させるためのものであって、実際には返金保証されないことがある。
【6】 あまりにもうますぎる話は、クワッカリーの可能性が高い。

また、健康情報の読み方に詳しい小内亨は、旧厚生省薬務局監視指導課が監修したハンドブックを参考に、以下のような見分け方を示している。
【1】 その製品またはサービスが、他では得られない「秘密の治療」「最新の発見」に基づくものだといっている。
【2】 その医療は、自称ヘルスアドバイザーによって訪問販売されていたり、各地で講演を行なったりして、宣伝販売促進されている。
【3】 その「奇跡」の製品は、一般誌において信仰療法家グループや宗教団体によって宣伝し、販売促進されている。
【4】 宣伝販促員は、その製品またはサービスによって他の人が体験した素晴らしい奇跡について説明している。
【5】 事の真偽は別として、その製品またはサービスが、いろいろな疾病に有効であると言っている。
【6】 到底真実とは思えないほどの素晴らしい効果が得られると約束している。
【7】 その製品や宣伝販促員の説明において、治癒したという人々の感謝の手紙が使用されている。
【8】 「奇跡」「奇跡的」「完治」「成功」「万病に効く」といった言葉が宣伝に使われている。このような言葉は科学的ではない。重篤な病気が、一般に通信販売などで治せるわけがないし、素人が自己判断できるようなそれほど重篤でない疾病を治す程度の製品は、到底奇跡的などというものではないのである。 厚生労働省も、医薬品以外の製品の容器・包装・添付文書・チラシ・パンフレット・刊行物・広告宣伝物・演述による効能効果の標榜を禁じており、各都道府県知事あてに通知を出して注意を促している。
こうしてみると、エビデンスの有無が問題なのではなく、文字どおり鳴くか鳴かないかがクワッカリーの判断基準と考えてよいだろう。要するに、「ガーガーガーガー」「ピーチクパーチク」「ペチャクチャペチャクチャ」と声高に自慢話をする者は、イカサマ師呼ばわりされても仕方がないというわけだ。
(次号へ続く)


【連載コラム】

“連動操体法”について、ちょっとばかり…

根 本 良 一(療動研究所主宰)


■「操体法はバランスを」
この言葉は操体法の開祖、橋本敬三先生が伝えてこられた“人間科学”の本分である。このあいだ、東京都墨田区に建設中の「スカイツリー」の近くをバスで通って、その威容に感嘆した。東京タワーは4脚だが、さらに高い「スカイツリー」は3脚でバランスを計算して構築されようとしているすばらしい技術である。
ところで私たちは、2脚で立つだけでなく歩行もする。全身のバランスをとりながら二足歩行を行う。しかも球技、格闘技など多彩な動きもこなすため、多くの筋肉や神経などの強調やバランスが崩れると、単なる歪みではなく「歪みの連動」という呵責も負わなければならない。これを単なる局所の障害と見過ごしてはならないことは、臨床家であれば誰もが経験している。
私たちの周辺でも局所にいくら手を尽くしても解決できないときには、大地との接点である「足」を診る。さらに「寝る、座る」など“休養”と思われる姿勢は、身体が本当に喜んでいるのかを確かめておかねばならない。
このコラムでは、数億年かけて造られた神の作品である人体に生じる“糸のほつれ”を、「連動」を頼りにどこまで解きほぐせるか、みんなで探しにいきましょう。

■操体法の“足技”とは?
二足で立ち活動するわけだから、少ない動きを使いこなす<連動の工夫>を企図する必要がある。ひとつの動きにも、術者の誘導の仕方により深い味わいが出る。造化の神が与えてくださった「身体の仕組み」を掘り下げていくと、多くの“宝”が見えてくるのである。
私は以前、20数種の操作の中から選んで、「操作は17項目で足りる」と考えていたことがあったが、さらにそれを8種類に限定した。そして数億年かけて造られた神の作品である人体のどこかに起こる“糸のほつれ”を、身体から沁み出すような連動で解消できたとき、「そうだったのか、知らなかった」と思わずつぶやいた。“立つ”から始まるヒトの生活には、「足まわり」を探ってみることが大切だとわかったのだ。すなわち、
1)「足の扱い方」によって連動がスムーズになる→足の組み方を考える。
2)「主動作」と「補助動作」を組み合わせると、連動がスムーズにできる。
3)連動を気持ちよさだけでなく、フィンガースケール(指開計測器)で読み取ることで、動きを選ぶことができる。また「寝る」ことで始まる休息には「姿勢」を工夫することが肝要なのである。
(以下、次号に続く)


【TOPIC】

日本カイロプラクティック登録機構が統一試験の実施へ


世界保健機関(WHO)はカイロプラクティックを代替医療として位置づけている。2005年にはカイロプラクターの教育ガイドラインを発行し、日本の業界にも配布されている。ただカイロプラクチィックが法制化されているのはアメリカやカナダなど30余の国であり、日本においてはカイロプラクティックは無認可で行え、カイロプラクティックの開業に関する規制はないのが現状である。
そのような現下において日本カイロプラクティック登録機構(Japan Chiropractic Registers:JCR)は、日本でのカイロプラクターの数を正確に把握し、行政に連絡することで、世界保健機関(WHO)が作成したガイドラインに基づいたカイロプラクティックの資格化実現を目標に設立された団体である。
同機構では来年2月、日本国内で国際基準の教育を受けたカイロプラクターを中心に登録試験を実施する。上記に則り、さらに国民が安全で技術の高いカイロプラクターを選べることができるようにするのが主たる目的だ。こんにち玉石混交の治療家がいる混沌の状況に明確な教育と技術を具備しているカイロプラクターを公開することで国民の支持を得、国内法制化へ一歩踏み出すことが主旨といえよう。
試験日は2011年2月11日(金・祝)。試験問題は米国NBCE(ナショナルボード・カイロプラクティック試験委員会)が使用している臨床能力判定問題を採用する。詳細は、http://www.chiroreg.jpを、 お問い合わせはeメールで。


■NEWS……ミトコンドリア力に脚光 活性化が「若返り」の鍵


“生活習慣が重要”

ミトコンドリアは細胞全体の10〜20%を占め、約1万分の1ミリの大きさ。人体に必要なエネルギーを生み出し、病気や新陳代謝、老化、若返りとの因果関係が指摘されている。
「認知症の人の脳を調べると、健康な人に比べてミトコンドリアの量が少ない。糖尿病はミトコンドリアの不調から始まり、パーキンソン病は機能が失われたことが原因。ミトコンドリアを研究してきて、ここまで発展するとは予想できなかった」
日本医科大の太田成男教授は、30年以上もミトコンドリアと“対話”を重ねてきた。近著『体が若くなる技術』(サンマーク出版)で、その知られざる可能性を紹介している。
ミトコンドリアに働きかけ、いかに仕事をさせるかが若さ維持の第一歩。その極意は生活習慣にあるという。(1)持久力系の運動、(2)背筋を伸ばし、良い姿勢を保つ、(3)寒いところで寒さを感じる、(4)空腹を感じてエネルギーの枯渇状態をつくる、の実践を勧める。いずれも習慣として取り入れることが大切だ。例えば、急な運動をすると、最初は息が切れるが続けるうちに息切れの頻度が減少する。その変化がミトコンドリアの増加を実感できる瞬間だ。「強めの負荷に体が慣れ、細胞が若返っていく」と太田教授。
一方、英国で2年前に発表された一卵性双生児を対象にした調査。同じ遺伝子を持った双生児でも、運動習慣によって老化の進み具合が違うことが分かった。週に3時間以上運動する双子は、週に15分以下しか運動しない双子に比べて老化の進行が遅かった。運動がミトコンドリアを活性化、老化スピードを遅らせていたことが証明された。

“年齢問わず増加”

「ミトコンドリアは若さの源泉」-。慶応大の伊藤裕教授は近著『臓器は若返る』(朝日新書)で、「ミトコンドリアが全身の臓器に供給するエネルギーが潤沢であればあるほど、われわれは健康に長生きができる」と指摘する。
現代人が老いを見つめるとき、外見や運動能力にとらわれがちだ。しかし、ミトコンドリアの存在を知ると、若さの鍵は「体の内部」にあることが分かる。太田教授は「好奇心を忘れずに、人生を前向きにとらえる心が質の高いミトコンドリアを生み出す。ミトコンドリアは年齢を問わず増える」と強調する。

“活性酸素の増加にご用心”

ミトコンドリアがエネルギーを生み出す過程で発生する活性酸素は老化の原因といわれる。ミトコンドリアの増加は歓迎されても、強い酸化力で遺伝子を傷つける活性酸素の発生は避けたい。両者はやっかいな関係にあるが、ミトコンドリアの機能を高めて、そのパワーを増大させることによって活性酸素が発生しにくくなるという。

【用語解説】ミトコンドリア
細胞の一つ一つに存在する器官で、生きていくためのエネルギーを作り出す。中には数千個のミトコンドリアを宿す細胞もある。細胞内では古くなったミトコンドリアを新しいものに入れ替える作業が行われ、その機能の低下が老化を引き起こすといわれる。


■NEWS……COPDの早期発見・治療を-日医などが対策推進会議


日本医師会(日医)など4団体は12月16日、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の症状や診断法についての普及啓発を図り、早期発見・治療につなげることを目的に「日本COPD対策推進会議」を発足させた。同会議の会長には、日医の原中勝征会長が就いた。
同会議は日医のほか、日本呼吸器学会、結核予防会、日本呼吸ケア・リハビリテーション学会で構成。副会長には、日医の羽生田俊副会長、日本呼吸器学会の永井厚志理事長、結核予防会の工藤翔二理事、日本呼吸ケア・リハビリテーション学会の木田厚瑞理事長が就いた。
同会議では、COPDの症状や診断法について、国民や医師の理解が足りないことから、具体的な取り組みとして、▽日医会員に対し、COPDの診断の流れや治療法などを記したリーフレットを送付する▽啓発用のポスターを作成する-などのほか、各都道府県に支部を設け、地域の医療連携を促進していく考えだ。
同日の記者会見で、木田副会長は「COPDはさまざまな合併症を引き起こす可能性がある。呼吸器専門の医師だけが頑張っても仕方がない」と述べ、地域での医療連携の必要性を示した。
工藤副会長は「COPDの発見の仕方や治療法、専門医との連携などをどのようにすべきか、かかりつけ医に伝達することがまずは重要だ」と指摘。また、国民への普及啓発については、「『肺年齢』など、(COPDよりも)分かりやすい言葉で伝えていくべきではないか」と述べた。
COPDは、喫煙を原因の一つとする進行性の病気で、慢性のせきやたんなどの症状を呈する。順天堂大医学部による大規模な疫学調査研究によると、自覚症状がない例も含め、年間の患者数は500万人以上と推計されている。


NEWS……「長生きはリスク」7割 縮むニッポン


「当社の調査で長生きを不安と見る人が約9割、長生きをリスクとする人が約7割にのぼることが分かりました」と話すのは、東京海上日動あんしん生命保険企画部の春原一隆課長。
同社は今年9月、全国の25〜65歳の男女832人を対象に「長生きに関する意識調査」を実施した。その結果、長生きをすることについて、「非常に不安を感じる」「少し不安を感じる」の合計は85.7%となった。不安に感じる理由としては、「お金」「病気・入院」がそれぞれ約8割を占め、続いて「介護」だった。
「長生き」を否定的にとらえる結果になったのは、調査が全国で高齢者の所在不明問題が相次いだ時期に重なったのが影響したようだが、「老後の介護、結婚しないまま独居生活をするなどネガティブな話題も多いことも背景」(春原氏)という。
一昨年秋のリーマンショック後と、今年に入ってから特に長生きをリスクととらえる人が多い。意識も、社会全体の空気も急激に変わったといえる。
それでいて、長生きへの備えは十分ではない。45〜65歳を対象にした質問で、「長生きへの準備をしていた」と答えたのは全体の9.9%にとどまり、52.4%が「してはいなかったが、しておけばよかった」と答えている。その世代が、しておくべきことだったというのは「節約・貯金」「健康管理」などだ。
一方、「長生きへの願望」については、20〜30代では男女に差が出た。「願望がある」と答えたのが、20代男性で22.0%に対し、同女性は47.3%に達した。春原さんは「草食系男子に対し、女子は肉食系とも映るが、女性の場合、出産・子育てもあるから違いが出た」とみている。春原さんは「20〜30代のうちに将来のライフプランを考えてほしい」と話している。

こういった結果に、消費生活に詳しいプライスジャーナリストの金子哲雄さん(39)は、「私の年代を中心に、銀行がメガバンクに整理されたように、企業のポスト不足は深刻。将来に不安を持つのは当然でしょう」と分析。その上で、20〜30代に対し「一番大事なのは60歳を過ぎても健康であること。リタイア時には現金で2000万円程度の蓄えはほしい。現役サラリーマンでも副業は持っていたい。そのためには、例えば中小企業診断士、社会保険労務士など使える資格取得を。もちろん資格だけでなく、人脈を大切に。早いうちから年収の2割を預貯金に回したり、年金型の生命保険に入ったり、将来生かせる金融商品を勉強することも重要だ。経済規模が縮む中、自分からアクションを起こすことを忘れないでほしい」とアドバイスしている。


NEWS……“世界大学ランキング”に興味津々。


クアクアレリ・シモンズ社が9月に発表した大学ランキングから日本国内の順位をチェックしてみました。基準は、雇用者による評価、研究者からの評価、教員一人当たりの論文引用数、学生一人当たりの教員比率、留学生比率、教員一人当たりの論文引用数、外国人教員比率による総合点によるランクづけです。例年そうですが、ことしも旧帝大が上位を占めています。

1位 東京大学 (世界24位)
2位 京都大学 (世界25位)
3位 大阪大学 (世界49位)
4位 東京工業大学 (世界60位)
5位 名古屋大学 (世界91位)
6位 東北大学 (世界102位)
7位 九州大学 (世界153位)
8位 筑波大学 (世界172位)
9位 北海道大学 (世界175位)
10位 早稲田大学 (世界182位)
(11位 慶應義塾大学-同206位)

ちなみに、上位10位にランクインしたのはすべてイギリスとアメリカの大学でした。


■アーカイブス:日本の統合医療・代替医療の主な情報源(ホームページ)


日本統合医療学会         http://imj.or.jp
日本ホリスティック医学協会    http://www.holistic-medicine.or.jp
日本補完代替医療学会       http://www.jcam-net.jp
人体科学会            http://www.smbs.gr.jp
日本ホメオパシー医学会      http://www.jpsh.jp
日本波動医学協会         http://www.vibrational-medicine.com
国際生命情報科学会        http://wwwsoc.nii.ac.jp
日本オステオパシー連合      http://www.osteopathy.gr.jp
日本カイロプラクティック登録機構 http://www.chiroreg.jp
全日本鍼灸学会          http://www.jsam.jp

【再販売のお知らせ】
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■次号のメールマガジンは2011年1月25日ごろです。お楽しみに。[編集人:北島憲二]


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