エンタプライズ発信〜メールマガジン【№17】2012.8

中国と韓国という一衣帯水の隣国と島をめぐって国権の火花が飛んでいます。歴史を紐解くといっても、彼我の認識が違えば史実は牽強付会に捻じ曲げられてしまうというもの。とても気になる時事政局ではあるけれど、小社では現在、両国をまたぐ一つの出版企画が進んでいます。『東医宝鑑』という韓医学の原典ともいうべき大著をテーマにした一般図書の制作へ向けてです。中国医学といえば『黄帝内経』や『神農本草経』など悠久の歴史があることは周知のことですが、『東医宝鑑』は約400年前に著され、朝鮮半島第一の医書として評価が高く、その内容は道教(タオ)の養生理論の解くところが大きいと記されています。宇宙と自然、そして人間を合わせた理論体系をなし、精•気•神の概念を通じ、心身一元的な臨床記述が多いことから、小社の出版物「ヒーリング・タオシリーズ」と重なるところがあり、興味津々の枠を超えて韓医学の実用入門書に仕立てられないか模索を続けています。そのような機運にあって今の国家間摩擦は、企画遂行において画竜点睛に欠ける難事に切り替わりはしないかと気を揉んでいます。外交がらみの暑い夏はまだ続きそうです。

★☆★━━━━━━━■ CONTENTS ■━━━━━━━━━★☆★
【1】WHO『健康の社会的決定要因 確かな事実の探求』 第2版
【2】意識に基づくエネルギー療法“ BodyTalk ”
【3】CHIROPRACTIC REPORT 「法的状況の国際調査報告書」
【4】カイロプラクティック・エネルギー治療へのパラダイムシフト
【5】補完・代替医療の真贋を斬る!
【6】“連動操体法”について、ちょっとばかり…
【7】N・E・W・S
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【TOPICS】
「第67回Liga国際ホメオパシー医学会大会」を9月に開催

会期: 9月14日(金)〜17日(月)
会場: 奈良県新公会堂
テーマ: 和(Harmony)
会長講演:対がん戦略におけるホメオパシーの役割:帯津良一
特別講演:Homeopathy in the current world:J.Matuk(LMHI President)
招待講演:Current scientific research in homeopathy:an overview:Dr. Peter
Fisher(Royal London Hospital for Integrated Medicine, UK)/21世紀の医療は統合医療になる:渥美和彦(日本統合医療学会名誉理事長)ほか
シンポジウム:Integrative Medicine─統合医療におけるホメオパシー/Allergy─アレルギーに対するホメオパシー/Psychiatric Disorder─精神疾患に対するホメオパシー ほか
<問合わせ>/ http://www.jpsh.jp/lmhi2012/


【TOPICS】
■Activator Method Basicセミナーが開催される

アクティベータ・ネットワーク・ジャパン(ANJ)主催のActivator Method Basicセミナーが7月21-22日にわたって日赤本部会議室にて開催された。会場には約60名のカイロプラクター、柔道整復師ほかが参加、アクティベータメソッド・ベーシックとインターミディエイト(今回は四肢編)のプログラムで下肢長検査〜評価およびアジャストメントほかに取り組んだ。次回は同じプログラムで9月9日(日)-10日(月)の両日、大阪・新大阪丸ビル別館で行われる。


【Book Review】
■『ねこ背がスッキリ治る本』… 原 幸夫(いいだカイロプラクティック院長)著

「姿勢が良くない」と言われたことのある人はけっこう多い。そうでない人も、一見姿勢が良く見えるだけで、実は腰を反らしているだけの「S型ねこ背」(凹円背)のケースがあるという。ねこ背が矯正されると神経機能が増し、身体の操作性が向上し呼吸不全も軽快するので声もとおり、元気のエネルギーが増進する。本書では、ねこ背を治す簡単エクササイズをやさしく紹介している。<文庫・160頁・505円+税:中経出版刊>
※続刊『ねこ背をぐんぐん治す!200%の基本技』が日東書院から発売される。


<<<連 載 ⑦ >>>
【REVIEW】

WHO 『健康の社会的決定要因 確かな事実の探求』 第2版

<訳:WHO健康都市研究協力センター・日本健康都市学会・健康都市推進会議>


■ 3. 幼少期

人生の良いスタートを切ることは、母子を支援することである。幼少期の発達や教育の健康に及ぼす影響は生涯続く。

【現 状】
観察調査ならびに介入研究によれば、成人の健康の基礎は胎児期と乳幼児期に形成される。この時期に発育不良や愛情不足であったりすると生涯を通じて病気がちになったり、成長した後でも体力や認識力の低下、情緒不安定を招く恐れがある。幼少期の体験不足や発育不良は発達過程において生物学的にも影響を与え、一人ひとりの生物学的・人間的資質の基礎を形成し、生涯影響を与える。

妊娠中に好ましくない状況にあると、母体内での胎児にとって発育のための最適な環境が得られなくなる。例えば妊娠中の栄養不足、母親のストレス、喫煙・飲酒・薬物乱用の可能性、母親の運動不足や不適切な出産前ケアがあげられる。不適切な胎児環境はその後の人生の健康を害する危険因子となる。

幼児期の体験は、その後の健康に重要な因子となる。これは生物学的なシステムが継続的に順応していくためである。知覚・感情・感覚による刺激は脳の反応を形成するため、不安定な愛情しか得られていない、あるいは刺激の少ない環境にいると、学校への適応準備が充分でなく、教育達成度も低く、問題行動を起こし、さらには成長した後でも社会から孤立する危険性がある。食事に充分配慮する、適度な運動をする、煙草を吸わないといった健康に関して好ましい習慣は、両親や仲間に見られる身近な例や適切な教育によりもたらされる。子供のころの発育不良は心血管系・膵臓・腎臓の発達や機能を低下させ、成長した後でも病気にかかりやすくなる。

【提 言】
子供の発達を妨げるこうしたリスクは、社会・経済環境が不利な条件下では著しく大きい。これを未然に防ぐため、初めて妊娠する前、あるいは母子に対して出産前後や児童福祉、学校の保健室といった場での予防的な意味合いの、改良を加えた健康管理を行うことや、親子の教育レベルを引き上げることが考えられる。こうした健康と教育に関する取り組みは、その効果が直接的にもたらされ、両親は子供の要求が何であるかについての認識を高め、子供が健康と発育に関する情報を受け入れられることも理解し、さらに両親は自らの行動がいかに有効であるか自信を持つことが可能となる。

幼少期の健康改善を目的とする政策は以下の点を目指すべきである。
・教育レベル全体を上げ、教育を受ける機会を均等に与え、長期にわたって母子の健康を改善する機会を誰でも受けられるようにすること。
・初めての妊娠前・妊娠中そして子供が小さい時に、充分な栄養を与え、健康教育の機会を与え、予防的な意味合いの健康管理が可能な設備を整備し、十分な社会的・経済的な資源を提供する。胎児期から幼少期をとおして成長と発達を促進し、幼少期には病気にかかったり栄養不良に陥ったりするリスクを減らすこと。
・親子の関係が、理想としては家庭への訪問や学校と親との関係を良好にすることをとおして支援され、子供が持つ感情的または認知的要求に対する両親の理解を促進し、さらに子供の認知力の発達と社会に出る前の行動様式を身に付けるよう促し、また幼児虐待を防止すること。
(次号につづく)


◆◆◆ ④ ◆◆◆

『 意識に基づくエネルギー療法“ BodyTalk ”』

…… 今 田  泰 (IJBA東日本支部 支部長)……


前回はBodyTalkの独特の考え方である「優先」について述べた。今回から数回かけて、BodyTalkがいかに心身複合体のあらゆる側面を包括しているかについて、クラスごとに学ぶ内容を述べていく。

モジュール1&2 「BodyTalkの基礎」

ここでは施術者になるための基礎的な部分を学ぶことになる。10の主要内臓、8つの内分泌、その他の脳や筋、神経、骨といった目に見える体の構成要素のバランス。BodyTalkでSBジャンクションと呼ぶ蝶形後頭下結合の障害とその調整。左右の脳と体との調整、出生地や環境要因に対するバランス調整。大脳皮質内のエネルギー調和。全般もしくは局所的な水和障害、体の内部の癒着、外部の傷に対する対処。体のウイルス、感染、寄生虫、食物不耐症、環境アレルギー、堆積毒素などの排除。特定の恐怖症や恐れを含む過去-現在の感情閉塞の解放などがモジュール1の範囲となる。

加えてモジュール1とセットとして学ぶことになるモジュール2では、相互部位、リンパ系システム、神経伝達/循環システム、エネルギーシステム(経絡、チャクラなど)環境システム。エネルギーレベルやムード、全体的な体構造のバランス、筋の緊張の調整。すべてのリンパ腺とリンパ管を含むリンパ系システムの浄化。神経・循環系システムに関するエネルギー阻害の調整。クライアントと、ある特定の環境要因との間のエネルギーアンバランスの調和。脳機能のバランスと、体のある特定部位内、または特定部位への血液循環および神経伝達の調整、さらには遺伝的、後天的要因もしくはワクチンによって影響を受けたDNAレベルでの細胞障害の修復をも扱うことになる。

認定施術者(CBP)になるための必須要件であるこのモジュール1&2「BodyTalkの基礎」であるが、ここではBodyTalkプロトコールチャート全体の6〜7割の項目を扱うことになり、これだけでも十分に効果的なセッションができるようになる。
(次号へつづく)


■□■□CHIROPRACTIC REPORT □■■□

『カイロプラクティック業務に関する法的状況の国際調査報告書』(9)


6. 薬の処方

八つの国(ドイツ、イラン、リヒテンシュタイン、ナミビア、パナマ、南アフリカ、スイス、アラブ首長国連邦)で一部の薬物処方の権利について回答している。

7. 臨床検査

この検査について次のような回答を得た。
a) 9か国ではすべての権利(業務範囲内での臨床検査の実施と依頼)が与えられている。
ケイマン諸島、コロンビア、ドイツ、香港、ノルウェー、パナマ、ウガンダ、イギリス、アメリカ、

b) 12か国で依頼する権利(臨床検査を直接依頼し、医師やほかの医療関係者を通す必要がない)が認められている。
キプロス、ホンジュラス、イラン、レバノン、リヒテンシュタイン、モーリシャス、ナミビア、フィリピン、シンガポール、南アフリカ、スイス、アラブ首長国連邦、ジンバエブ)

要約すると、
・カイロプラクティック業務が法律で管理されている29か国中18か国(62%)で、カイロプラクターが臨床検査を依頼する権利を持っている。
・7項目目の画像診断と似通ったケースで、 カイロプラクティック業務が法律で管理されていない5か国にもカイロプラクターに対し権利が認められている。
・アンケートに回答した49か国中22か国(45%)で、カイロプラクターが直接臨床検査を依頼する権利を持っているとの回答があった。

8. 病気休暇・休暇願

カイロプラクターが病気休暇や休暇願を認める権利に関して
a) カイロプラクティック業務が法律で管理されている29か国中13か国(45%)で、カイロプラクターが国認可の権利(例:労働補償や自動車賠償責任保険など国指導のプログラム内において)を持っている。
オーストラリア、カナダ、ケイマン諸島、イラン、リヒテンシュタイン、ナミビア、ノルウェー、パナマ、南アフリカ、スイス、アラブ首長国連邦、アメリカ、ジンバエブ

b) 6か国では多くの民間保険会社のもと権利が認められている。
ケイマン諸島、キプロス、リヒテンシュタイン、南アフリカ、アメリカ、ジンバエブ
(次号につづく)

(資料提供:日本カイロプラクターズ協会 URL:www.jac-chiro.org


<<連載>>

カイロプラクティック・エネルギー治療へのパラダイムシフト<第17話>

       保井志之(ファミリーカイロプラクティック院長、DC)


椎骨を正しい方向に振動させることにより
関連した神経系が活性化される

カイロプラクティックのアジャストメントの方法も様々であるが、注目されるのはいつも、カリスマ的ドクターが創始したカイロプラクティックテクニックのブランドネームであったり、表面的に目立つ手技などである。それらは、肝心なアジャストメント本来の治療学的メカニズムまで語られることは非常に少ない。同様にアジャストメントの瞬間にその関節ならびにその関節周辺組織、特に神経系に何が起こっているのかは、あまり語られていない。
これは筆者が在学中に抱いていた疑問でもあり、何人かの教授やドクターにこの疑問を投げかけたが、この答えを明確に説明してくれるドクターには出会わなかった。というよりも大学では、その本質に迫る講義に触れる機会が少なかったといったほうが正しいかもしれない。

この疑問が解ける糸口になったのは、Dr. Roy W. Sweatが創始したアトラスオーソグナルのテクニックセミナーである。このカイロプラクティックテクニックは、簡単にいえば、アトラス(環椎)だけを矯正器具によって矯正する治療法である。この矯正器具もアクティベータ器と同様に、バネ仕掛けによって金属ハンマーが他方の金属を叩く仕掛けになっており、その衝撃によって物理的位置エネルギーが繰り出される仕組みになっている。
アクティベータ器との大きな違いは、患部にコンタクトする器具の先端部に取り付けられた尖筆部がまったく突き出さない仕組みになっていることである。尖筆部のコンタクトは、皮膚に触れる程度で、尖筆部が突き出たりしていないため、治療を受ける患者は、矯正中はアクティベータ器からの金属音だけでほとんど何も感じない。しかし、金属ハンマーの衝撃によって繰り出された物理的位置エネルギーが、皮膚や環椎周辺の軟部組織を通じて、環椎を動かすのである。動かすというよりも、「振動」させるという表現の方が正しいだろう。

筆者がカイロプラクティック矯正の本質を理解できたのは、臨床経験を積み重ねたあとのことであるが、初めはこのような器具で、本当に環椎が動くのだろうかという疑問を抱いていたのは確かである。しかし、セミナーで公開されたビデオフォロスコピーによるスローモーションの矯正の瞬間映像を見て、その疑問は一変した。アトラスオーソグナル器で矯正された瞬間、アトラスは振り子のように左右に何度か振動して止まった。止まったというよりも振動刺激によってアトラスがゆらぎ、落ち着くべきところに落ち着いたという表現の方が正しいかもしれない。この映像によって、在学中に抱いていたカイロプラクティック矯正の瞬間にいったい何がどのようなメカニズムで生じているのだろうという疑問が解けた感じがした。

大雑把にいえば、カイロプラクティック矯正とは、椎骨を正しい位置に合わせるのではなく、正しい方向に振動させる。すると、その椎骨が動く方向に関連した神経系が活性化され、神経系が正常化された結果(再起動された結果)、その患者の身体にとってのベストな位置に矯正ターゲットである椎骨、ならびに関連脊椎が落ち着くということである。このアトラスの矯正映像は、筆者がカイロプラクティック矯正の本質を知る最初の手がかりになった。
(次号につづく)


補完・代替医療の真贋を斬る!【連載⑯】

   長谷川淳史(TMSジャパン代表)
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グルコサミン

最近よく耳にするグルコサミン(glucosamine)は、カニやエビといった甲殻類の殻から抽出したアミノ糖の一種で、加齢などによって摩耗した軟骨を修復し、「関節の動きを滑らかにする」とか「関節痛を和らげる」といわれている。
わが国で関節痛を訴える者は、腰痛、肩こりに次いで3番目に多い。ことに中高年に多発する変形性膝関節症(以下、膝関節OAと記す)患者は、約1,000万人に上ると推定されている。それにもかかわらず、医療機関を受診するのはわずか23%にすぎず、自分なりに対処している者が大半を占めている。
その対処法の中でも、グルコサミンを含むサプリメントの人気は高く、メディアやネットで大々的に宣伝していることもあり、その知名度はダイエット商品に勝るとも劣らない。
市販されているグルコサミンのサプリメントは通常、サメの軟骨などから抽出したコンドロイチンが含まれていることが多い。しかしここでは、まずグルコサミンに焦点を当てて検討してみたい。

グルコサミンの有効性

グルコサミンの有効性に関する結論は、いまだに一致していない。
たとえば、ベルギーのReginsterらが行なった二重盲検無作為対照試験では、212名の膝関節OA患者を対象に、グルコサミン1,500mg1日1回投与群とプラシーボ群に割り付け、1年後と3年後に評価している。その結果、グルコサミン群はどの時点においてもプラシーボ群より有効で、グルコサミンは症状を緩和するだけでなく、関節間隙狭小化も遅らせると結論づけている。
また、インドのUshaとNaiduも118名の膝関節OA患者を対象に、グルコサミン1,500mg/日群、メチルスルフォニルメタン(牛乳などに含まれる有機イオウ化合物で消炎鎮痛作用がある)1,500mg/日群、グルコサミンとメチルスルフォニルメタンの併用群、プラシーボ群の4群に割り付け、二重盲検無作為対照試験を行なっている。それによると、3ヶ月後の有効性はすべての群がプラシーボより優れており、もっとも有効だったのはグルコサミンとメチルスルフォニルメタンの併用群だったと報告している。

さらに、スペインのHerrero-Beaumontらが行なった二重盲検無作為対照試験では、318名の膝関節OA患者を対象に、グルコサミン1,500mg1日1回投与群、アセトアミノフェン群、プラシーボ群の3群に割り付け、6ヶ月後に評価したところ、プラシーボを上回る有効性を示したのはグルコサミンのみだったという。この結果を受けてHerrero-Beaumontらは、膝関節OAに対する第一選択薬を、アセトアミノフェンからグルコサミンへ変更すべきだとしている。
ところが、カナダのCibereらが行なった二重盲検無作為対照試験では、約2年間グルコサミンを服用していた137名の膝関節OA患者を対象に、グルコサミン1,500mg1日1回投与群とプラシーボ群に割り付け、6ヶ月間にわたって追跡調査している。その結果、症状の悪化が見られたのはプラシーボ群が42%、グルコサミン群が45%と両群間に差はなく、関節間隙狭小化にも差が認められなかったことから、グルコサミンの長期服用にはメリットがないと結論づけている。
(次号につづく)


【連載コラム】

“連動操体法”について、ちょっとばかり… (17)

       根本 良一(療動研究所主宰)


足首から頸部へ(腹直筋下部から)〜下腹部から遠く首周辺まで

腹直筋は上からいくつかの腱画(白い部分)を挟み、下腹部の恥骨上縁に着くので、下腹部の緊張は起点である背部の動きからだけでは解消されにくい。
首の後ろ(板状筋)と前(胸鎖乳突筋・斜角筋)へ影響して、頭が重い、首が動きにくいなど頭頸部へ影響する。さらに手の異常などにも関係が及ぶ。
1. 異常のある頸部を触診する。コリコリして痛い。上頚斜筋、板状筋など。
2. 両膝を立て、腹直筋下部、恥骨上縁を横に恥骨に沿って触れると、コリコリして痛い。これが1.に影響することが多い。

腹直筋は肋間神経の5,6,7から下部へ向かって恥骨上縁へ至る長い筋であるが、3-4個の腱画に分けられているので、起始部から下位まで連動しにくい。したがって、この場合は、
1. 腕の角度から肋間神経の処理を行って、
2. 足先からの動きから、腹直筋下部の処理をすると良い。
これを次に述べてみる。

◆仰臥位で足先を内転+背屈 (補助動作を加味する)
1. 仰臥位で頸部を触診し、衣服の上から恥骨上縁の緊張をみる。
2. 緊張のある側の足を伸ばし、足首を反らせる。この足を動かす。逆の足は膝を少し曲げ、膝の横下に枕を置く。
3. 両腕は胸の前で軽く組む。

<操体法の誘導語>
1. 「この伸ばした方の足先を内側に回してください。足先、親指を反らせ、次に腰も回します」
2. 「両腕を組んで、両肘をやや前に出し、足先の向く逆の方へ両肩、首を一緒に、ゆっくり、気持ちよく、少し回します。……はい、そのままで3秒、イチ、ニ、サン、フーッと息を吐いて、3呼吸間をおき、戻ります」
3. 「すぐに戻らないでください。あくびをした後のような、気持ちいい時間です。これは痛みや緊張を起こす交感神経が静まる、気持ちよい時間です。無駄な時間ではありません。癒しが進行している時間です。…はい、ゆっくり戻ります」
 ※この操作は背もたれのある椅子にかけてもできる。
(次号につづく)


*** N *** E *** W *** S ***


NEWS ■エコノミー症候群神話を否定、エコノミー席は根拠なし


太ももや膝などの静脈に血の塊(血栓)ができる深部静脈血栓症。血流に乗って血栓が肺の動脈で詰まると呼吸困難を引き起こすほか、最悪の場合は死亡することもある。エコノミークラス症候群とも呼ばれているこの病気だが、米国胸部医学会が改訂した診療ガイドライン(「CHEST」2012; 141: 2 supple)では、深部静脈血栓症の危険因子として経口避妊
薬の使用や窓側席の利用、高齢、妊娠などを挙げる一方、エコノミークラス席を利用することで引き起こされるという説を支持する確固たるエビデンス(科学的根拠となる研究結果)は存在しないとして、いわゆるエコノミークラス症候群神話を否定した。
今回のガイドラインの共同著者で、カナダ・マックマスター大学医学部のMark Crowther氏は「エコノミークラス席の利用自体が長距離飛行による深部静脈血栓症リスクを上昇させることはないが、長時間同じ姿勢を取り続けるとリスクは上昇する。窓側席で長距離を飛行すると深部静脈血栓症リスクが上がるのは、動ける範囲が制限されるからで、この他にも危険因子があるとリスクはさらに上昇する」と述べている。
ガイドラインでは、長距離飛行で静脈血栓塞栓症リスクを上昇させる因子として、静脈血栓塞栓症や栓友病にかかったことがある、がん患者、搭乗前の手術やけが、高齢者、女性ホルモンのエストロゲン使用(経口避妊薬を含む)、妊娠、肥満を挙げている。その一方で、水分摂取不足や飲酒、あるいはエコノミークラス席の利用(ビジネスクラス席との比較)により長距離飛行中の静脈血栓塞栓症発症リスクが上昇することを示す確固たるエビデンスは存在しないと指摘した。


NEWS ■健康度ランク、日本5位 首位はシンガポール


【ニューヨーク共同】米ブルームバーグは13日、幼児の平均寿命や成人の喫煙率など健康に関する各種指標を基にした「世界で最も健康な国々」ランキングを発表、1位はシンガポールだった。日本は5位で、最下位の145位はアフリカ南部のスワジランド。
国連、世界保健機関(WHO)、世界銀行の今年5月時点のデータを使い、年齢グループ別の死亡率、喫煙率、飲酒率、血中コレステロール値、大気汚染レベルなどを組み合わせ、各国の健康度を独自に点数化して比べた。十分なデータが得られない国は除外した。2位はイタリア、3位オーストラリア、4位スイスなどの順。上位は欧米諸国、下位はアフリカ諸国が目立つ傾向にあるが、米国が33位と先進国のなかでは低順位にとどまった。韓国は29位、中国は55位だった。(8/14共同通信社 )


NEWS ■夏場は脳梗塞に注意 水分補給、無理ない節電


連日暑さが続き、汗をかきやすい夏本番となった。国立循環器病研究センター(大阪府)は、脱水状態になると脳梗塞が起きる可能性が高くなると指摘。この夏は節電の意識からクーラーを控える人も増えるとみられ「こまめな水分補給と、体調に無理のない節電を」と呼び掛けている。
センターによると、脳にダメージが及ぶ脳卒中のうち、脳の血管が破れて出血する脳出血などは血圧の上昇が激しくなる冬場の発生が多いが、血管が詰まる脳梗塞は夏場の方が起きやすい。
これは発汗などで体内の水分が不足し、どろどろの状態になった血液が詰まりやすくなるからだ。就寝中などの夜間には血圧が下がるため、血流が滞り、リスクが増すという。
水分不足の危険性は飲酒によっても生じる。アルコールには尿の排出を促す作用があるため水分の排出が多くなり、酒を飲み過ぎると脱水状態になることもある。センターは「寝る前には大量の飲酒は避け、コップ1杯の水を飲むようにして」としている。(7/30共同通信社 )


NEWS ■統合医療の範囲、リスクの有無で整理を


「統合医療」の推進策を議論している厚生労働省の検討会が8月6日に開かれ、統合医療の範囲をめぐり議論した。この中で委員から、統合医療に含まれる可能性がある療法を、有効性や安全性が確立しているかどうかによって整理すべきだとの意見が相次いだ。
「統合医療」のあり方に関する検討会(座長=大島伸一・国立長寿医療研究センター総長)の会合では、これまでの会合で出された意見をまとめた資料を厚労省が提示した。この中で厚労省は、統合医療の範囲について「近代西洋医学とその他の療法を組み合わせたものとした上で、医師主導で行う医療と捉えてはどうか」などと提案。近代西洋医学と組み合わせる相補・代替医療の例として、▽はり・きゅう▽整体▽カイロプラクティック▽食事療法▽音楽療法▽ヨガ▽気功▽漢方―などを挙げた。
これについて門田守人委員(がん研究会有明病院長)は、「エビデンスができつつある漢方と、そのほかのものを一緒にして話を進めるのは無理がある」と指摘。統合医療に含まれる可能性がある療法を、有効性や安全性が確立しているかどうかによって整理すべきだとの考えを示した。
また、羽生田俊委員(日本医師会副会長)は、厚労省が例示した相補・代替医療の中に、患者の体に触れて処置を行うのに国家資格が必要ないものが含まれていることを問題視。脊柱などのゆがみを矯正するカイロプラクティックによって脊髄損傷を起こしたケースもあるとした上で、「資格がなくても危害が加わらない療法と、危害が加わり得るものは、分けなければならない」との認識を示した。(8/6医療介護CBニュース)


NEWS ■“むくみ” は筋力が衰えたサイン?


靴がきつく感じる、足が重いなど、女性を悩ます“むくみ”。スリムウォークなどを展開するピップ社が行った調査によると、首都圏在住20代〜30代の女性約70%が足の甲や指にむくみを感じているという。「足にむくみを感じている人のほとんどが、外反母趾や扁平足などといった足のトラブルも多い」と語るのは整形外科医の中村格子先生。中村先生はそれらトラブルの原因として「固有筋」の衰えを指摘する。
固有筋とは、足首から足先にある12種類の筋肉の総称。4層に分かれて構成され、そのほとんどが足裏にある。足指を動かすほか、地面から受ける衝撃の吸収や正しい姿勢を保つために必要な足の曲線「アーチライン」を作るために必要な筋肉だ。

固有筋を衰えさせないためには「ほぐし」て「鍛える」ことが重要。なかでも足指の付け根あたりにある母趾内転筋は凝り固まりやすいので、足指をマッサージするほか、足裏でゴルフボールを転がすなどしてほぐすことが大切だ。
また、足指を使ったじゃんけん、足の下に敷いたタオルを足指を使ってギャザーを作る“タオルギャザー”などのエクササイズも効果的だ。なおタオルギャザーは通常は乾いたタオルで行うが、「やりくにい人は濡れたタオルでもOK」(中村先生)とのこと。むくみを感じている人は固有筋の衰えを疑って、寝る前やお部屋のリラックス時間を利用し対策法を実践してみては?


NEWS ■「時間治療」 大学病院勤務医の3分の1認知


生体リズムの変化に応じて治療を行う時間帯を選択することで、副作用の抑制や治療効果の増大を図る「時間治療」について、大学病院勤務医の3人に1人が認知しており、その4割以上は、時間治療を既に取り入れているか、これから取り入れたいと考えていることが、医師・医療従事者向けサイトを運営するケアネットの調査で分かった。
同社は7月20-26日に、時間治療の認知度をインターネット上で調査。同社サイトの会員医師のうち、大学病院勤務医674人から有効回答を得た。
それによると、がん治療などで取り入れられている時間治療を「知っている」と答えたのは229人(34%)だった。さらに、同社が「知っている」と答えた医師に対して、時間治療の考え方を治療に取り入れているかどうかを尋ねたところ、「取り入れていない」(45.9%)が最も多かったものの、「取り入れている」(16.6%)と「今後取り入れたいと考えている」(27.5%)を合わせると、44.1%に上った。それ以外の解答は、「自分の専門分野では対象外と思う」が9.6%、「その他」が0.4%だった。
同社が回答者にコメントを求めたところ、「抗がん剤の使用では、夜間の方が有効だが、点滴の煩雑さから、夜勤の看護師の協力は得難いと思われる」「夕方・夜間の抗がん剤投与は、マンパワー不足で、現実的に無理」といった、時間治療の実践に人員体制の充実が求められることなどの指摘が寄せられた。(8/13医療介護CBニュース)


NEWS ■<脊髄液減少症> 障害年金認定に国が事例集


激しい頭痛を伴う「脳脊髄液減少症」を巡り、厚生労働省が今春、障害年金の認定作業で医師が参考にする事例集を作り、年金を運営する日本年金機構に示していたことが分かった。この病気は研究途上のため理解がない医師も少なくなく、日常生活に深刻な支障をきたしていても各種の社会保障制度で「障害」と認められにくいことが問題になっている。早期の救済を求める声に厚労省が応えた形で、他の制度にも影響しそうだ。
脳脊髄液減少症は、患者団体によると推計1万人以上が診断された。国の研究班は昨年の中間報告で「頭を上げていると頭痛がする」ことを典型的な症状と分析。このほか「吐き気」「疲れやすい」「歩行困難」「腕や手の痛み、しびれ」など幅広い症状を挙げた。また患者によって症状にばらつきがあることも分かった。
こうした患者らが障害年金を申請する過程で「障害の程度を客観的に判断することが難しい」との声が認定医から寄せられたため、厚労省は脳脊髄液減少症の過去1年間の認定例約10件を分析。この病気に詳しい医師の意見を聞き、等級ごとの「認定事例」としてまとめた。
厚労省の担当者は「障害年金は、病名にかかわらず、日常生活への支障の程度で支給すべきか判断するもの。病名で不公平があってはならない。公平で適正な認定の参考にしてもらいたい」と話す。「脳脊髄液減少症患者・家族支援協会」の中井宏代表は「この病気が理解されないので、他の病名で障害年金を申請せざるを得ない患者もいた。今回の対応を大きく評価したい」と話している。(8/15毎日新聞)


NEWS ■整体・マッサージなど、手技の施術でけが増加


整体やカイロプラクティック、マッサージなどの施術でけがなどをしたという相談が増加傾向にあるとして、国民生活センターが注意を呼びかけている。
全国の消費生活センターには2007年4月から今年6月までに、腰や背中を押すなどする「手技」による施術をめぐる相談が4330件寄せられた。このうち、けがなど体に異常が生じた相談は825件。昨年度は5年前の約1.6倍の相談が寄せられ、増加傾向にある。
寄せられた相談の少なくとも4割強は、国家資格を必要としない整体やカイロプラクティックなどの施術を受けていた。一方、あん摩マッサージ指圧師や柔道整復師などの国家資格者が施術する「指圧院」や「接骨院」などを利用した人からも、「あばらの軟骨を負傷し、首も捻挫した」といった相談もあった。
国民生活センターは、「アロマティックマッサージなど、施術の呼び方がさまざまで、資格者がいるのかどうかわからない店も多い。また、資格者の有無に関係なく、その技術力を、利用者が判別できないのが現状だ」と指摘する。その上で、「手技には多少のリスクがあることを利用者も知って、施術内容をよく確認してほしい。特に疾病がある人は医師に相談してから受けて」とアドバイスしている。(8/16読売新聞)


NEWS ■腰痛の介護職、4人に1人 「5年以上痛い」


腰痛に悩む月給制介護従事者の4人に1人は、5年以上にわたって痛みに耐えながら働いている―。そんな実態が、日本介護クラフトユニオン(NCCU)の「2012年度就業意識実態調査」(速報版)で明らかになった。
調査は今年3月、全国のNCCU組合員5000人を対象に実施。月給制の従事者1739人(回収率69.6%)、時給制の従事者1281人(同51.2%)から回答を得た。
月給制従事者に、仕事が原因の健康問題があるかどうかを尋ねたところ、52.0%が「ある」と回答。「ある」と答えた人に対し、具体的な症状(複数回答)を尋ねた質問では、「腰が痛い」が64.6%で最多となり、以下は「肩がこる」(47.6%)、「イライラする」(32.6%)、「頭痛がある」(21.2%)などと続いた。
さらに「腰が痛い」と答えた人に、痛みが続いている期間を尋ねたところ、最も多かったのは「5年以上」(25.3%)で、以下は「3年以上5年未満」(15.9%)、「2年以上3年未満」(13.0%)、「1年以上2年未満」(10.8%)、「6か月以上1年未満」(9.6%)、「1か月未満」(9.4%)などとなった。
NCCUの村上久美子政策部長は、調査結果について「介護をはじめて間もないうちに、腰を痛め、そのまま働き続ける人が多いのではないか」と分析。対策として、▽腰痛体操や正しい介助法の実践、▽腰に痛みを感じる場合は、腰痛ベルトを適切に使用、▽事業所は通常の健診以外に腰痛健診も実施する―などを呼び掛けている。(8/17医療介護CBニュース)


■次号のメールマガジンは2012年9月15日ごろです。お楽しみに。


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